スポーツ医学塾番外編 U17アルティメット代表トレーナー帯同
📚はじめに
フライングディスク協会強化本部長 和田様をはじめJFDA(一般社団法人日本フライングディスク協会)様と本塾の鈴木先生(アルティメットU18オープン・ウィメンズ総括トレーナー)のご協力で、荒木渉(保健医療学部3年)、石井太晴(スポーツ健康科学部3年)、忰田弥生(保健医療学部2年)の3名が、U17アルティメット日本代表のトレーナーとして、ベルギーで行われた世界大会へ帯同させていただきました。
✅アルティメットとは?
アルティメットとは7人制のチームスポーツで、1枚のフライングディスクを落とさないようにパスしながら運び、エンドゾーン(コートの端)の内でディスクをキャッチすると得点となるスポーツです。ラグビーのボールがディスクに変わったスポーツだと考えるとイメージがつきやすいかもしれません。。
ディスクを持ったまま3歩以上歩いてはいけなかったり、身体接触も禁止されていて安全なノンコンタクトスポーツに見えますが、トップ選手ともなるとかなり激しいスポーツになります。
特に特徴的なのはSOTGという基本理念に基づいているということでしょう。
SOTGとは
※日本フライングディスク協会の説明ページを引用させていただきました。
アルティメット公式ルールでは、SOTG(Spirit of the game)は各選手のフェアプレイに対する責任感と定義されています。そのため、審判がおらず、選手自身でセルフジャッジをする自己審判制が採用されています。
世界大会では言語の壁もありますが、選手はSOTGの精神のもと、相手の選手とコミュニケーションをとりながら試合をスムーズに進めていました。
✅トレーナーとしての役割
今回のトレーナーチームは3名の学生トレーナーのみでの帯同でした。学生ながら、どうすれば選手がベストコンディションで試合に臨めるかを模索して活動できたと思います。
主に3つの役割がありました。
・ウォーミングアップ・クールダウンの計画
・試合前後のケア
・試合中のサポート
ウォーミングアップ・クールダウンの計画
どうすればベストコンディションで試合を迎えられるかを1番に考え、メニューを計画していきます。
ウォーミングアップでは、ウォーク→ジョグ→ドリル→スプリントのように徐々に心拍数を上げていき、体への急激な負担を避けながら今日の調子を確認してコーチに報告します。
試合は5泊7日の長期間の遠征であり、試合が4日連続で開催されるハードな日程だったので、ウォーミングアップにバリエーションをもたせるように工夫しました。また、選手の好きな音楽をかけながら実施するなど、適度な緊張感を作ることもできたと思います。
クールダウンは、試合後の疲れにより重要視していない選手が多く感じました。そのため、クールダウンの重要さを伝えながら、次の試合もベストコンディションで臨めるように行いました。
試合前後のケア
試合前には肩や膝などに不調を訴えた選手に対してテープを巻いたり、靴擦れを軽減させるためにセカンドスキンを使用したりしました。さらに、ダイビングキャッチなど激しいプレーで手や足を擦りむいていた選手も多くいたので、水で洗い流してガーゼを貼るなどの応急処置も行いました。
試合後には、クールダウンでジョグ→ウォーク→ストレッチと身体を安静時に近づけるために基本的なことを行い、加えてマッサージなどのケアを行いました。なかでも、ゴムのバンドを活用したフロッシングは選手からの評判が高かったです。
試合中のサポート
トレーニングやケア以外にも試合中には様々な業務を分担して行いました。
緊急時の対応の他に、分析用のビデオ撮影や出場や得点などのデータ記録、給水ボトルの運搬など多岐にわたるサポートを経験することができました。
✅U17 Ultimate Summit 報告
※試合結果、詳細については特設ページをご覧ください。
スピリットサークル
試合後に国際交流として「スピリットサークル」という円陣を組んで、お互いに健闘を称え合っていました。そして、ベストプレイヤーを選出して各国の名物やディスクもプレゼントしていました。
お互いに感じたことを共有することで、さらに親睦が深まり試合後にユニフォームの交換の約束をする選手も見られました。
ユニフォーム交換会
大会3日目の夜には、試合会場の近くのスペースを使ってユニフォーム交換会が行われました。
各々が所属しているクラブチームのユニフォームをフリーマーケットのような形で出して交換の交渉をしていました。代表ユニフォームは交換の予約をしたり交流している姿も見られました。
会場にはDJもいて、まるでクラブのような雰囲気で交換を楽しむだけでなく、曲に合わせて踊ったりという賑やかな時間でした。
📚最後に
今回帯同させていただいて、このチームに関わることができて良かったと思いました。17歳以下の若いチームでしたが、特にベスト4をかけたイタリア戦にて、チームに関わる人から観客まで会場にいる全ての人が心を動かされるような試合をみることができたことは忘れられません。惜しくも負けてしまいましたが、会場全体が日本代表のファンになっていたあの空気感はとても印象的でした。
このような機会を与えてくださったスポーツ医学塾の先生方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
保健医療学部3年 荒木渉
代表トレーナーとして帯同するという貴重な経験をさせていただきありがとうございました。サポートするという立場ではありましたが、チームの一員として戦うことができて、選手と同じように勝ちを喜び、負けを悔しいと感じる、スポーツの楽しさを体験することができました。
今回の帯同を経験してまた将来の選択肢や可能性を広げることができたように思えます。学生としてこのような体験をさせていただけたことに誇りを持ち、この経験は自身だけでなく周りにも発信していこうと考えております。 スポーツ健康科学部3年 石井太晴
今回の帯同を通して主に選手のケアやウォーミングアップなどを経験させていただきました。開催地がベルギーのため、英語を使う場面が多く大変でしたが、現地の方や他国の選手とも積極的に交流し有意義な遠征になりました。また、アルティメットの魅力を感じたとても良い機会となりました!
しかし、学生トレーナーとしての知識や技術がまだまだ足りないなと痛感しました。今回は大きな怪我はありませんでしたが、その場合にすぐ対応できるように現場での経験を積み、学生トレーナーとしてできることの幅を増やせるようにしたいです。
活動を行う中で鈴木先生や監督、保護者の方々に多くの場面でサポートしていただきました。今後学生トレーナーとして活躍するための貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
保健医療学部2年 忰田弥生
スポーツ医学塾の齋田先生、福島先生、鈴木先生、日本フライングディスク協会の皆様、選手、保護者の皆様にご協力いただき貴重な経験をさせていただきました。本当にありがとうございました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
文責:石井
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