SPAC『アンティゴネ』空間デザインノート(1)「いざ、法王庁」
2016年夏、私はアヴィニョン演劇祭真っただ中のアヴィニョンにいた。目的は翌年のフェスティバルにSPACとして参加するための会場の視察である。同行したのは、ク・ナウカ創設期からの宮城さんの盟友であり、私にプロの舞台のイロハを仕込んでくれたテクニカルスーパーバイザーの堀内氏だ。候補となった会場は、法王庁中庭とサン・ジョセフ高校中庭の2箇所だった。2人は両会場での演目を視察して、空間的・技術的な見地から、どちらの会場がSPACにとってベストな選択なのかを考えるという役割を負ってい