藤本タツキ「ルックバック」とOasisが語る意味づけの心理学
こんにちは。コーチのじゅんです。
あなたの目標・悩み・夢を
あなた自身が成長する事で近づく「コーチング」
という手法で企業や個人を支援しています。
さて、
みなさんは既にお読みになったでしょうか？
リリース即日に話題沸騰。
読者のみならずあらゆる漫画家や
クリエイター、アーティストをして
「傑作」「すごいしか言えない」「創作意欲すら奪われる天才」
などと評されまくった作品。
「ルックバック」
『チェンソーマン』や『ファイアパンチ』
の作者・藤本タツキ氏による大長編読切マンガです。
読み切りが１４３ページという長さにも度肝を抜かれながら
その長さをあっという間に感じる
濃度、面白さ、熱量、キャラの魅力、心理描写。
そして漫画家を目指す中学生という設定ながら
誰もが一度は感じた
挫折、傲慢、嫉妬、受容、羨望
あらゆる要素が「ああ、これは僕の、私の話だ」
と思わせる紛うことなき名作です。
そして恐ろしいのは、
これがネットで無料で読めてしまうという事。
そして読んだ人の多くに
「お金を払わせてほしい。単行本はよ」
と言わせるという。
考察はしません
もう既にあらゆるファン、マニアの方が
作品内のあちこちに現れる表現、画法、オマージュなどを
語っております。
ただのファンである僕はそこまで語れません。
しかしこの漫画の存在意義を強くするこの件には触れなくてはいけません。
はい。友人の脇くんに教えてもらうまで
全く気が付きませんでしたが、
この作品は、あの悲しい事件に捧げられた作品なのでした。
賛否があるのは承知ですが、
僕自身は本作が「亡くなった人々への讃歌だ」
という印象を受けました。
つまり、描いた作品にDon'tやAngerを追加することで
追悼の意味を「加えた」のではなく、
人々にこの辛い事件を思い出させたいわけでもなく
創作の喜び、挫折・嫉妬、その先にある創作者への敬意
というテーマを描き、
素晴らしい作品を生み続けてきた亡くなった方々
生き残った方々、そして全てのクリエイターへの
感謝と勇気づけしたのではと。
キャラや話といったメイン部分で才能を発揮する藤野と
背景だけは圧倒的な画力を見せる京本
漫画だけでなく、アニメにも背景やエフェクトなど
裏方的な役割で才能を発揮する方々がたくさんいます。
彼らにも光を当てる眼差しを感じました。
本題に入ります。
すみません。素人の感想はここまでです。
ここからは、心理的な側面で、
この物語の主題と、それを表す
Don't Look back in Anger
について。
この歌がヒットした1995年から随分と時間がたったある日
この歌にあらたな「意味」が加わる事になります。
詳しくは
この方のブログが素晴らしかったので読んでください。
元々ラブソング風に表現されているこの歌ですが
タイトルにもなっている「Don't Look back in Anger」
の普遍性が人々の心に訴えかけました。
様々な訳し方がありますが、
僕はこの言葉を
その思い出を憎しみにしてしまわないで
と訳すのが今の所一番しっくりきています。
22名の死者と59名の重軽傷者を出したマンチェスターのテロ事件。
もちろん多くの悲しみと怒りを生むことになり
一時期イギリス内ではイスラム教徒に対する差別が激化するなど
様々な軋轢を生みました。
しかしよく言われるように「怒りや分断こそ、テロの成功」。
人々がお互いを憎み合ったり
キリスト教国とイスラム教国が戦争を起こしたりすれば
それこそテロリスト達の狙いが成功する事になります。
それを知っている人々の心に、
このDon't Look back in Angerという言葉は刺さったのです。
怒ってしまえば、憎んでしまえば、それこそがテロへの敗北だと。
36名の死亡者と32名の重軽傷者を出した京アニ放火事件も
悲しいと同時に犯人への怒りを抑えるのも難しい事件です。
彼がまだ生きているという事実だけで
僕も胸の中に何かが湧き上がってきます。
なぜ「憎まない」方がいいのか
テロリストの事件でなくても、
一人の狂人による不幸な事件でなくても
誰もが「憎む」「怒る」経験・思い出はいくつかあるでしょう。
もちろん僕にも
いまだに事細かに覚えている事がたくさんあります。
しかし、その程度の差や
それが命に関わろうが
お金の問題だろうが
恋愛のもつれ話だろうが
例外なく
Don't Look back in Anger
が正解です。
なぜならその怒りや憎しみは
原因となった相手に1mmもダメージを与えないのに
あなたには常に精神的ダメージを与え続ける
自分への呪いでしかないからです。
原因となったその誰か（や何か）は
あなたが今それについてどう思っているかを
知る由もない。恐らく興味もない。
あなたが毎日顔を合わせて罵倒し続けている人でもなければ
悔しいですが完全な事実です。
一緒に住んでいる家族だったとしても
あなたが表現しない限り、本人が思い出す事はないでしょう。
しかしあなた自身は
なにかの折につけてその事を思い出します。
そして怒りにふるえたり
悔しくて夜眠れなくなったり
暴飲暴食をするかもしれません。
あなただけが、
その影響を、
何年経った今でも受け続けています。
そしてその気持ちは
思い出せば出すほど
自分にダメージを与えれば与える程強くなります。
そしてまたあなたの心に残り続けます。
定期的に嫌な事を思い出すという事は
「忘れないようにきちんと復習している」
ようなものです。最悪ですね。
人は意識した事を強化する
↑これ覚えておいてください。
注目した事、思い出したこと、口に出したこと
文章や絵や写真などで表現した事
それがあなたの頭の中で強化されていきます。
あなた自身が少しずつそれに染まります。
という事は、
幸福な事を思い出したり
今嬉しい事を認識し続ければ
あなたは幸せな気持ちと人格にあふれ
怒りや嫉妬や蔑みを続ければ
あなたは「そういう人」になります。
子供に「◯◯するのはやめなさい」
という叱り方が効果がないのはこの為です。
常にあなたが怒っていれば
子供はあなたが怒っている内容と
怒っているという現象が強化され、
自然と怒りっぽい人になります。
心優しく好奇心溢れる子に育ってほしければ
その要素を見た時にだけ、表現してあげるのが理想です。
読んでからわかるタイトルの深さよ。
だからワイドショーは最悪
なのですよ。過激系Youtubeも。
ショッキングな事件だったり、
問題を起こした人、悪いことした人をとりあげますよね。
それを見続けるとどうなるか
あなたの頭の中、そしてあなた自身の要素として
問題行動やショッキングな部分が強化されます。
世の中を、そういうものがある、という目で見ることになり
あなた自身が少しずつ近づいていきます。
ポジティブマインドが基本的に良いとされているのも
この強化される法則によります。
悪口やどうせ無理、みたいな事を言い続ければ
その気持や考えが強化されますし、
世の中は可能性や希望にあふれていると思い、表現すれば
それはあなたの中で強化されます。
あなたを苦しめた出来事や人の事を思うほど
あなたはその出来事に支配されていくのです。
テロリストを憎み続けると、
差別、闘争、報復行動を肯定するように、
暴力や裏切りや独善的行動を憎み続けると
あなたもそれを容認する人になっていきます。
ドリームキラーにも
影響受けないでくださいね
出来事に意味はない
ある犬がある通りの角で車にぶつかった事があるとします。
その後、犬はその角を通らないように生きようとします。
嫌な思い出がありますからね。
しかし実際は、その角に問題があるわけではありません。
その時自分が不注意だった事が問題なのに
そこを認めたくないばかりに、
犬は角を問題だと考えることにしたのです。
これがいわゆるトラウマの正体です。
思い出して書いたので細かくは違うでしょうが
これは岸見一郎さんが語るアドラー的トラウマの解釈です。
（アドラーはトラウマを否定していないという考えもあるので
いわゆる岸見解釈と思ってください。）
僕はこの話を一定以上の理があると思っています。
つまり悲しい、辛い出来事があったとして
それは偶然であったり、自身の行動で今後は防げるものだったとしても
そこに何らかの理由や
その出来事が何らかの意味を持っていると
人は思いたがるところがあります。
最悪の場合、自分が辛い目にあったから
といって何らかの行動を正当化する事もできます。
（例えば、昔◯◯人にひどい目にあわされたかた
◯◯人を悪くいったり、差別してもいい、などです。）
例えあなたの親戚が飛行機に乗って事故で亡くなったとしても
飛行機に乗らない事は将来の命を救う事にも
あなたの過去を良くすることにも繋がりません。
（元々確率の低い出来事なので）
しかしそこになんらかの意味を見出して
私は飛行機に乗らないなど
意味をもたせる事で
その出来事の価値を高めてしまっているのです。
意味づけとは強化
自分に起きたことでも
他人に起きたことでも
そこに意味をつけて強化する事で
あなたの考えや行動に影響を与えることで
あなたはそこに近づいていきます。
本当に悲しい、憎い、辛い出来事が合った時
その事に大きな意味を持たせないでください。
なんの運命とも
なんの示唆とも思わないでください。
あなたに辛い目に合わせた人は
道で転んだ時の石ころくらいに思い
それよりも、
あなたの幸せや喜び、充実をくれるものに
より注目し、表現してください。
それがあなたを幸せにする秘訣です。
人は意味づけを変えることで
過去すらも変えることができます。
今のあなたも、これからの事もです。
自分には呪いではなく、祝福を。
一人で難しい場合は、
コーチングを試してみてください。
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そうそう、だから僕は悪口を言わないために
ラップバトルをやめたんですよね。。。
今日も楽しい一日を！！
サポートされたら、俺はその倍額を寄付する。倍返しだ。