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結婚相談所から見えた地域課題と解決策

あけましておめでとうございます。

本年こそはコンスタントに更新するぞ!と言う目標を作りましたので、お時間あれば見ていただいて、やんややんやと感想をいただけますと幸いです!

今年もよろしくお願いします!


帰省をして分かった“我が家庭の課題”


この年始に帰省をし、僕も地元である長野県富士見町に帰りました。

インターから

富士見町は新宿から特急あずさで1本、約2時間で到着する山梨から長野に入って最初の自治体。
八ヶ岳の麓で、標高約1,000m。個人的なベストエピソードは、中3の時歩いて学校に通っていたら-18℃でまつげが凍ってたこと。
そんな素敵な街。


いつも誰かしらを引きずって帰るので、1人で帰省するのも久しぶり。
なので、今回は割と家族と話す時間をゆっくり取ることができました。

東京での暮らしのことや、僕がやっている地方に人を送り込む事業のこと、また逆に地元で誰が結婚したとか、どこに働いているとか。
(地元あるあるですが、親ネットワークってすごいですよね、誰がどこで何しているのか大抵知っていて怖い。。)


その中で、割と今回初めて出た議題が1つ。
「うちの結婚相談所を今後どうするのか」というテーマ。

知っている人もいるかと思いますが、うちの母は長野で結婚相談所を経営しています。

実は35年やっている老舗で、今までに精魂を決めたカップルは約1800組!(興味ある人は紹介します。笑)

僕自身も目を背けていたわけではないですが、まだ先だろうと思っていた「事業承継・継承」問題。
(今回は事業を理解している僕が継ぐ可能性も考え、承継と統一します。)

うちの両親も60代に突入したこともあり、真剣に「結婚相談所ビジネス」に関して、またそこから見た地域の課題に関して考えてみました!

結婚相談所のビジネスモデル


そもそも多くの人が知らないであろう、結婚相談所のビジネスモデルをざっくりと。(あくまでうちの相談所を例に挙げた場合です。)

結婚

①入会
マッチングは会員の中で行われるので、まずは会員登録が必要。
そのタイミングで、男女ともに入会金を支払う必要があります。
②相手探し
ここはカタログからきになる相手を選んだり、選ばれたり。またはスタッフによる推薦を受けたりといろんな相手を見定めるフェーズ。
ここの月額費用等は一切かかりません
③お見合い
きになる相手が見つかって会う場合、相談所が間に入ってくれて連絡のやり取りをします。
ここでお見合いが成立すると、定額のお見合い料/回 が発生します。
④お付き合い~結婚!
その後、お付き合いを経てめでたく結婚まで至った場合、相談所は成婚料を2人からいただきます。


ざっくりこんな感じ。


逆に出費は人件費と広告費が多く、それ以外は普通の維持費用のみ。
つまり、結婚相談所の利益構造は

ーーーーーーーー
(入会金×人)+(お見合い料×回)+(成婚料×組)
ー(人件費・広告費などの費用)
ーーーーーーーー

このようになります。

思ったよりも結婚相談所ってお金がかかりそうだなとか思いました?

たしかに安くはありません。
でも、マッチングアプリ全盛期と言われるこの時代でも、相談所で会員さんになる人や成婚される方はかなり多くいらっしゃいます。

アプリとの違いを比較して考えてみます。

マッチングアプリに対する結婚相談所の価値


僕は、こんなにマッチングアプリが台頭する世の中になっても、地域の結婚相談所が潰れることはないと思っています。

アプリ

マッチングアプリに対する価値を4点でまとめてみます。

①そもそも田舎にアプリは向いていない
アプリユーザーは圧倒的に都市部に偏りがあります。
実際長野で開いてみても、1日の予定をあけないと会いに行けない距離に何人かいる程度。
地元の会員が多いだけでも、地域の相談所の価値はあると思うのです。
②成果報酬のビジネスモデルでスタッフも本気に
マッチングアプリのほとんどは月額課金制です。
いわゆるSaaSモデルが多く、いくら使っても使わなくてもユーザーの支払いと会社の利益は見えています。
相談所は上記のように自分が動いて稼ぐ成果報酬型なので、スタッフも真剣に向き合ってくれるのです。
③最初に入会金を払う真剣なユーザーたち
上記モデルのように、ユーザーも最初に安くない入会金を払います。
このスクリーニングがあるだけで、ユーザーはみんな“結婚“という同じ方向を向いている。
イニシャルコストにはこんなスクリーニングの価値もあるのです。
④オフラインでプロに会える安心感
なにをいってもやっぱり大きいのはこれ。
スマホを見ながら自分で決めるよりも、何人もを結んできたプロの目線でのアドバイスをもらえる。
しかも面と向かって、自分のことを知ってもらった上でアドバイスをもらえる安心感がある。

特に、4つ目に挙げた、アプリでは絶対に勝てないこのプロの”安心感”こそが相談所の一番の価値と思われます。

このように結婚相談所は、オンラインが主流になるこれからの時代にこそ、とても価値があると思っています。


だからこそ見える”事業承継”という地域の課題

握手

結婚相談所には未来もあると僕は信じています。

オンライン完結の時代だからこそ、オフラインに価値が宿る、そんな未来も遠くないはず。

でも、だからこそ。
だからこそ、結婚相談所の事業承継は難しいのです。


その理由は結婚相談所の一番のメリットにあります。

“プロの目線でのアドバイスを直接もらえる“こと。

つまり、その“プロのヒトに依存したビジネス”になっているのです。


うちの母だから相談に来ている、そんな会員さんもきっと少なくはないはずでしょう。

ただ、母だって人間なのでいつまでも同じように働けないのがリアル。
そんな場合の事業承継ってどうするのがベターなのでしょうか。。

そんな風に、いざ自分が直面したこのという課題をもって、地域には”事業承継”で悩んでいる人がたくさんいるし、簡単な悩みではないことに気が付きました。

特に、地方はヒトとの繋がりが深いので、なおさらヒトに依存したうちの結婚相談所のようなケースが多いのではないでしょうか。


ヒトに依存するビジネスの場合の事業承継


そんなことを言ってもソリューションを考えなければ仕方がないので、いくらか議論をしていたら、うちで出て来たのは3パターン。
(いずれも今すぐというわけではなく、もちろん将来の話!)

仕事

今の段階で僕が長野に移住して100%継ぐという選択肢がリアルではないので、それを除いた選択肢になっています。

①相談所を閉める
会員さんには申し訳ないけれど、もう相談所自体を閉めて終わりにしてしまう。俗にいう”潰す”
②定額でバイアウト
その日時点の時価総額を算出し、相談所自体を誰かに売ってイグジットする。俗にいう”売る”
③オーナー化する
うちの母がオーナー、現場には新しい所長を。
基本的には所長が現場を司り、有事や母でしかできないどうしてもな事案があればオーナーが登場する。俗にいう”退く”


きっと、地方にある自営業の家はほとんどがこのように迷いを持っているんだな、と改めて思いました。

これが何か技術や資格などに依存していたらもっと話は違う(もちろんその時はその時で悩みがあるんだろうけど)と思うのですが、地域に多いヒトに依存するビジネスだとこれが現実なんじゃないかなと思います。


地域の事業承継問題のまとめ


今回話したかったのは結婚相談所のことではなく、地域に今後増えるであろう「事業承継」の話。

老夫婦

特に地域に多い、人やつながりに依存しているビジネスはなおさら。

閉める or 売る or 次の人を探す。

こう書くと簡単な三択問題に見えるけれど、
その事業所には時間や歴史、いろんな人の思いがいっぱい詰まっていると思うと、こんなの簡単には決められないよ。

そりゃ今困っている人は多いわけだ。。

僕だって、母の仕事は大好きだ。
すごく面白いし、いろんな感情があるからこそ、閉めてしまうのは勿体無い。

最近だと、事業承継プラットフォーム(売る側と買う側のマッチング)も増えてきている。

でもうちの母に言われた一言でビビっときた。

「やっぱり自分の作り上げたものだからこそ、知っている人に引き継ぎいで続けたいなぁ」

これがいつの時代になっても本音だと思う。
いっぱい詰まっているんだもの、いろんなものが。

まだ元気な今のうちにいっぱい話して、今後のことを議論して決めておかなきゃいけない。

それができない人が多い、つまり事業承継が自分ごと化されていない人が多いことが一番の問題。

自営業の家族や親戚を持つ人、その身近にいる人。
今年はぜひ一度、考えて欲しい。

そんなことを考えた今年の始まりでした!
いろんな地域に行って、いろんなものを見たからここまで視野が広がったのかも。

今年も自分の思考と意思を持って1年間過ごします!
よろしくお願いいたします!!


Appendix ~もし僕が結婚相談所を引き継いだら~

アイデア

個人的には、各都市部の結婚相談所と組んで、「長野に移住したい人限定の婚活ツアー」とかやりたい。

長野県の参加者はうちの会員さん、相手側はその提携してくれる相談所の会員さん。旅行感覚で参加できるお見合いパーティー。

長野県からしたら移住者も増えるし、都市部の移住したい人にとってもライトな気持ちでも参加できて一石二鳥。

そのためには、
①顧客データのオンライン化
 →遠距離でも見られるようにオンラインに情報を移す。
②都市部の相談所との提携
 →会員データをシェアする相談所選びと交渉が必要。

まずはこの辺から始めたい。

そもそも結婚相談所の会員データってすごく質のいい情報なんです。
センシティブな部分が多いので気を張らなきゃだけど、デモグラ、経歴、エリア、趣味嗜好など、かなり詳細に個人データが詰まっています。

ここをみんなにとってハッピーな形で恋のマッチング以外にも使いたい。
個人的にはそれがやっぱり”移住”かなぁと思っています、現時点ではね。


いつかこんなことをしたいからこそ、僕は③のオーナー化という手段でなんとかそれを実現したいという野望も。笑

でも、こうするには誰かに現場を任せないと、、、

もし、結婚相談所の経営に興味がある人がいれば、
方法問わずご連絡お待ちしています!!

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