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アルゼンチン式、サッカートレーニングメニューの作り方。

おはようございます。
今日は、先日の続き記事となります。

簡単に読み進められるように、要点を絞って書いていこうと思いますが、
いつになったら文章能力って上がるんでしょうね。。。

優秀な指導者が育つアルゼンチン

近年、アルゼンチンでは選手だけでなく、指導者も世界各地で代表監督やクラブチーム監督として進出するようになりました。

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2018年に行われたロシアワールドカップでは、5か国がアルゼンチン人を監督に採用しています。(スペイン人監督2か国・ドイツ人監督2か国、フランス人監督2カ国、ブラジル人監督1カ国)

ラテン系で、自由度の高いイメージがあるアルゼンチンですが、実はとても緻密に考え抜かれた指導をしています。

そこで今回は、アルゼンチンのクラブ・監督が【トレーニングメニューを作成する際の準備】と題してお届けしたいと思います。

144回(年間)の練習時間の分解

まず、前々回のキーワードだった年間144回の練習時間をシーズンで分解してみましょう。指導する年代やクラブによって期間に違いはあると思いますが、アルゼンチンでは概ね下記のような流れになります。

①休暇:1ヵ月
②身体作り期間:1ヵ月
③大会前準備期間:1~2か月
④大会期間:7~8カ月
⑤大会後期間:1ヵ月

次は流れを把握した上で年間計画を立てていくのですが、
そのベースとなるのがサイクル分けです。

①マクロサイクル:年間計画
②メソサイクル:月間計画 2~5ミクロサイクル(週間)から成り立つ。
③ミクロサイクル:週間計画 3~6回のトレーニングから成り立つ。
④トレーニングセッション:1日計画 練習時間から成り立つ。

トレーニング計画表<参考例>:

1.年間の練習回数(今回は144回)を出し、目標を設定する(マクロサイクル)
2.クール(1クール2~3週間)分けして目標設定(メソサイクル)
3.毎週の目標を設定(ミクロサイクル)
4.1日のトレーニングを設計(トレーニングセッション)

下の表1は、大会期間中のトレーニング計画表。内容は毎週更新されます。
                            表1

マクロサイクル

大会期間(7カ月間)で考えると、練習回数は計84回になります。
表1では、3つの練習メニューを28回づつに配分していますが、週単位で見直しをはかり、スタッフで共有する必要があります。

アルゼンチンでは、クラブ育成哲学の統一化を図る為に、育成ディレクターが全カテゴリーのトレーニング計画を立てているクラブが多く、選手が安心して成長できる環境が整っているのです。

次の機会では、このメニューの内容について触れていきたいと思います。

トレーニング計画:3つの軸

最後に、トレーニング計画を立てる上で重要なポイントをご紹介します。

トレーニング計画は、生物学的、生理学的、及びトレーニングの原則という3つの軸に基づいて作成します。

生物学的、生理学的というのは、簡単に言うと「人体の構造と働き」です。
指導するカテゴリーによりますが、特に小学生・中学生年代だと身体の大きさや呼吸循環器系等で個人差が大きいため、全員が同じ負荷で行うべきではありません。 

3つの軸
①トレーニング用量(練習時間、強度と休息のバランス)
②基準+成長段階をふんだ計画(クラブ哲学の原理原則・目的と詳細)
③トレーニング期間(トレーニングサイクル)

育成年代でのトレーニング目的は、選手を上達させること、そして、結果もしっかりと残すことです。この両輪がバランスよく回り進んでいかなくてはなりません。

日本以上に結果を求められるアルゼンチンサッカー。
100年以上の歴史の中で勝ち続けるためには、行き当たりばったりの指導ではなく、数年単位での長期計画をもって指導に当たらなければならない事を教えてくれています。

日本のスタイルには合わないから難しいなと、思われている指導者も多いかもしれませんが、そこで終わっては、日本サッカーが世界と肩を並べる日はいつまでも来ないのかもしれません。

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無双ArgentinaC.F.は、アルゼンチンリーグに挑戦し、2026年2部昇格を目指しています。

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