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大谷翔平選手 2023シーズンAL MVP受賞式・ディナージャケット(タキシード)解説。なぜミッドナイトブルーだったのか?テレビでは話しきれなかった解説の全貌をここに。

お待たせしました。

テレビで大谷選手のタキシード解説をしたら、大反響過ぎて、しばらくその対応に追われました。やっと詳細を解説します。

まぁ テレビというのは、ファッション特集、とかでもない限り、だいたいファッション解説枠って かなーり短いのです。

担当のディレクターと打ち合わせでお伝えした内容の、まぁ10分の1も流れない。でもそれに文句があるとかは全然ありません、笑。だって、たとえ長くお伝えしたところで 解説に終わりが無いのもファッション。
どこまでもエデュケーションできるのできりがない。

テレビでは ディレクターの方の判断で、一番ここなんじゃないか、というところが流れましたが、
ポイントは2つに絞られていた。


①大谷選手のディナージャケットの色は ミッドナイトブルー。
②黒ではなく、ミッドナイトブルーを使ったのは、ドジャースへの移籍が決まり、ドジャースの公式カラーであるブルーへ寄せたのではないか。
色から伝わるメッセージとして
移籍先でのやる気や覚悟、チーム感の演出もあったと思う。




※というのは政近の憶測に過ぎないのに、確定的なブランドの解説よりも、こちらを選んだディレクターさんは秀逸だと思う。そして、テレビ放送時点では、実は黒なのかネイビーなのかの確定はできておらず、ちらほら出てきた情報はほぼ全部、全身ブラックコーデ、と出ている中
私は、いや どう見ても ミッドナイトブルーでしょ、を譲らなかった。そこをしっかり切り取って流して貰えたのが、その後の反響の多さに関係したようだ。

政近準子のワイドスクランブル出演時 解説から。
入団会見時の大谷選手 ブルーのユニフォームに身を包む。

しかし、ここが流れたのは個人的によかった、と思っていて、おかげさまで
たくさん反響があり、ファッション解説の奥深さを学べました。

まぁ普通なら、どこのブランド?どこの時計?というような話をするのがスタイリスト、と思われているので、私の話は意表をつくのか思いがけず琴線にひっかかるらしい。どこの誰かを調べ上げてくる人が多かった。笑

大谷選手の話なんだから、反響は当たり前!と思うかもしれませんが、過去幾度となくテレビにはお世話になってきた身として、今回の反響はちょっと違ったと思う。

そんな話どうでもいいから、やっぱり早くブランドが知りたい、という方のために、すでに多々出回っていますので、確定として以下を。


ブランド【BOSS】
ディナージャケット ミッドナイトブルーは特別に誂えたもので、購入不可。ブラックの既存のものは12万円ほどと言われている。
シングルカフシャツ(ブラック) 2万2000円
側章付きパンツ(ブラック) 5万5000円
エナメルシューズ  5万2800円
黒のボウタイ こちらも特別商品。購入現時点では不可。
時計【グランドセイコー】 ・腕時計(SBGW295) 181万5000円



BOSSブランドについては上リンクをどうぞ。


時計が見える角度・こちらの時計、大人気になりましたね~


改めて、ミッドナイトブルーとは。



さて、ブランドを聞けば、もう他に興味は無い、という方も、今一度テレビ解説で使った色、ミッドナイトブルーについて解説しよう。

実は反響が大きかった理由は、多くのメディアが「全身黒」と報じだしたなか、私はたぶん、その時点では一人だけブルーだと押していた。
BOSSからの正式発表はテレビより遅かったので、実は誰もが疑問を抱いたようだ。


「え?!黒ですよね、黒にしか見えなかった。
黒って報道されていますよね。
全身黒、に見えるし、バックのカーテンの色が反射しただけでは?」


FBにテレビ出演の記録を上げた際にも、同等な質問がコメント欄に続出。
いやいや ここで間違えたら、プロとは言えないし、単体で見るより
この2ショットを見れば明らかな違いがわかりませんか?

まぁこの画像もだいぶ遅れて出てきたもので、私が解説した際は、まだこの画像はアップされてなかったんですよね。黒かネイビーかで揉めたのも仕方が無いのかもしれないが~~いやどうみても ミッドナイトブルーだよなぁ。

この差でわかるでしょ。でもこれは光の当たり方で青く見えすぎ。実際はもっと暗いはず。

では なぜテレビで「ネイビー」とは言わなかったのか。

ネイビー、じゃないからです、(きっぱり)。
まぁ間違いともいえないけど、正直しっくりこない。

でもBOSSの公式発表でもネイビーと記されたようで、ちょっと惜しいかも。まぁミッドナイトブルーは黒ではなく紺に分類される色だから、そう記述されたのだとは思うけれど。

特に夜のフォーマルシーンなのだから、艶やかに解説したいじゃないですか。ネイビーという響きってリッチ感やスマート感が出ないよなぁ。

例えば新入社員のスーツの色が、ミッドナイトブルーです。なんて言い方はマッチしない。真面目に働けよ!と言いたくなってしまう。笑

でも、夜のシーンの授賞式ディナー。これはもうミッドナイトブルーでしょ。

ミッドナイトブルーとは、真夜中の青と形容される 黒 に近い青のこと。 濃紺 よりも暗い。

はい、前回ご紹介した、福島氏のディナージャケットもミッドナイトブルーでオーダーしましたよ。もちろんブラックでご提案するほうが多いは多いのですが

夫のタキシードもミッドナイトブルー + ブラックも持っています。これはミッドナイトブルー。(トップハットは室内では被りません、撮影用です)私はネイビーカラーのドレス。

「ミッドナイトブルー」の和名は「黒紫」とか「留紺」

個人的には、もうこれ以上に濃い紺には染められない、という意味の 留紺の響きが好きなんですが、ミッドナイトブルーは確かに紫がかっていますので、この両方の和名なのは納得がいきます。

そしてこの色を着用した理由に、テレビではドジャース推しで話したが
大谷選手の心持の反映でもあると私は思ったんですよね。

色の持つ感情表現

ミッドナイトブルーという色が持つ感情表現は

自己の探求
誠実な気持ちを表現したい
堅実でありたい
直感を研ぎ澄ませたい
本質を見る目を持つ

などがありますが、正直これ、バッチリ過ぎるくらい大谷選手のイメージではないですか?まぁこんなことまで喋れる時間など無かったわけで、ドジャースブルーにかけてみたのですが、その憶測も、個人的には、よい線だったと思ってます。笑

そして素材はベルベットだった。


タキシードって、それほど頻繁に着る機会が多いわけではないので(多い人は多いけど、特に日本では、稀。)オールシーズン着用可能な素材で作ることが多いのです。

ベルベットは、着用機会は秋冬に限られる。

でもね、こうした祭典やレッドカーペットを歩くなどのシーンには、間違いなく映えます。だからおすすめ。

高級感に加え、上級者のイメージを与え、主役感の演出にも効果を発揮する素材です。大谷選手も新人王の受賞のときは、光沢控えめのスーツでしたが

この度は大物感+コナレ感+存在感が出ていました。

一言で言うと、「余裕」ということにもなるが
しかし大谷選手の場合、それが嫌らしくない。どう演出しても爽やかさ、きちんと感、スマートさを失わない稀有な方です。(褒め)

ベルベットは光沢も出るし、つや感があって妖艶になるものなのだが
どちらかというと、ブラックシャツのサイズ感が、かなりセクシーでしたね。ベルベット素材と、はち切れそうなブラックシャツで、清潔感や爽やかさ、ザッツスポーツ選手、というイメージを超えた新鮮さがあったと思います。

言葉にするなら、洗練された優雅さを感じたし、珍しくムードを感じたんですよね。大谷選手にムードとか雰囲気とかいう言葉は、よい意味であまり必要が無いイメージだったが、なんといいますか。。
大人の男性になられたのね、と。
(まもなく結婚発表があったので、その際、なぁーんだ そうだったからこう感じたのね、と思ったけど)

胸筋 おありすぎで、パッツンパツンですね。

でもシャツはワンサイズ大きいより、この感じ、良かった気がします。世の大谷ファンのためにも。⇒ 実際そういう声多かったんだよなー 

フォーマルなのにシングルカフ?ダブルじゃないの?という疑問がある人もいるかと思いますが、そもそもホワイトじゃなくブラックシャツですからね。
ダブルだと、華美になりすぎだし、おかしなことになります。ホワイトの場合でもシングルカフでよかったと私は思う。

カフスの格式については、様々な説があるのですが、一読の価値あり。


パンツは側章入りの程よいライン、スポーツ選手らしく、丈は活動的に。

残念ながら全身写真が公式の上の一枚しかなく、サイドストライプが見えてないですね。側章入りというのは特別なのではなく、タキシードパンツともいい、ディナージャケットを着る場合には、必須ディティールなのです。

側章については、知識としてこちらのリンクがいいかも。

リンクに飛ぶのが面倒な人もいると思うので、一つだけ、なぜサイドストライプなのか?は知っておいたほうがいいので、
「縫い目が見えるのはエレガントではない」という理由だということは書いておく。

そしてパンツ丈は絶妙に短かめ。スポーツ選手の活動的な雰囲気には悪くない。ただ、もし何十年も穿きたいとならば、スタンダードにもう少し長いほうが長く愛用できるかな。パンツが短めなので、ジャケットも短い。バランスは整っています。ただ、両方、もう少し長いほうが、彼の大きな身体にはぐっとくる、しっくりくるものが出来ると思います。

この側章、フォーマルのシーンだけ?という問いに答えるなら、発祥はそうだが、最近ではカジュアルシーンで穿くパンツにも多々起用されているので、今やもうひとつのデザインですね。私自身、大好きで、フォーマルにもカジュアルにもよく選ぶデザインです。


あ、これ私じゃなく息子。↓
ファッションショーに一緒に行った際の側章パンツ。ジャケットはベルベットディナージャケットで、タキシードの着こなし、カジュアル版にはなるが かなりラフに着ています。

TAE ASHIDA ファッションショーにて
ピンクのサイドラインのパンツはユナイテッドトウキョウのもの。私と共有してます。


更にもっと素敵に、なアドバイスとして。

王道で十分・・さらに格好いいはず。


さて、大谷選手のタキシードの着こなしについて
細かいことを全部解説すればキリが無いほどまだあるのだが、服装のプロとしてアドバイスするなら、以下の3つかなーと。

◆ボウタイ(蝶ネクタイ)はぜひ、自身で結べるようになってもらえたら嬉しい。たぶん、手結びではないタイプの特注だったのだと思うけど、立体感ある手結びでニュアンスを出せたら なお格好いい。
そしてぜひ、ほどいて垂らす、リラックス姿も拝見したいものだと。

◆ブラックシャツは好評でしたが、私はホワイトを着て頂きたかったな、というのが本音。その理由は、ストレートには書けないのだが、いずれ書き方を考えて記してみたいと思う。
単純に、やはり正装としての美しさもあり、王道の姿が拝見したかった。
また大谷選手の真の持ち味がストレートに表現できるのではないかと。正統派、であればあるほど、大谷選手の素晴らしさが伝わるよね、と私は思ったし、関わった人の奥深さを、私なら感じます。

王道とならば、ホワイトシャツに「ベスト」着用が望ましいですが
昨今は、ブラックタイシーンの装いは、かなり砕けていてカマーバンドもベストもなし!という姿増えましたね。逆に王道をいくは目立つのですよ。もちろん良い意味の際立ちです。奇をてらわず、余裕も感じます。

もちろん、今回は 違う意味の「萌え」があり、世界中を沸かせたブラック&ミッドナイトブルーでまとめたスタイルは、これまでの大谷選手のイメージに留まらないギフトもあったとも思っています。

◆文面に書いたが ジャケット、パンツ丈とも、もう少し長ければ(シルエット、気持ち太めでもよい)更に存在感と洗練が出ます。若さ、スポーツ選手、+初々しさが伝わってしまうので、多少の重厚感をもう出してもいいと思うから。20代も後半、プロとしての成績・評価も最強、ということで。


前回のポストで、自由になるには本質・基本が大事、ということに触れたのだが、遊ぶには基本を知っていてこそ、その余裕が醸し出されるもの、と私は思っています。


大谷選手で言えば、基本=王道 って感じですかね。
捻ったり演出したり、アイデアすら不要な人だと思います。
本人がブランド、だからでしょうかね。

まぁ 何ていったって、ユニフォーム姿が一番格好いい。
しかしこれからも大谷選手の服装解説、続けていきたいと思います。

https://note.com/junkomasachika/n/n7394a12c16a3

あれ?!読み返したら、続きを書きますね、と言っておきながら書いてないことにびっくり。きゃー。普段着について書くつもりだったみたい。
これから書くなら、カップルコーディネートについて、などかしら?とにかく大好きな大谷選手のことは、ファッションで追い続けます!

ちなみにテレビで紹介された画像は、プロフィール用のもの。
自宅からの放送だったので、私はジーンズ着用のこんなスタイルでした。(聞かれてない、笑)そうね、大谷選手のデニム姿も見てみたいものだわ~




















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