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まさに血となり肉となる!スープよりアツかった『スープの国~韓国汁物紀行~』

「スープの冷めない距離」って日本で誰が言い出したのか気になるじゅんぷうです、こんにちは。

 Netflixで配信中の『スープの国~韓国汁物紀行~』というスープ&旅のドキュメンタリーを見始めました。

 調理や素材をドラマチックに見せる番組という点では、以前見ていたペク先生の番組がありますが、それは酒や料理の持つストーリー+ペク先生のトーク+各エピソードのゲストが背負うストーリーを垣間見るという3本柱でした。

 この紀行番組では、韓国人の食事に欠かせない【スープ】が、土地ごとの伝統や生活とともに紹介されていきます。

 現地に赴き、味わい、紐解いていくのは漫画家ホ・ヨンマン、ミュージカル女優ハム・ヨンジ、俳優リュ・スヨンという日本ではあまりなじみのないお3人。
 ホ・ヨンマンさんは「食客」という食をテーマにした大ヒット作がキム・レウォン主演でドラマ化もされています。いちばんの年長者でもあるのでオブザーバー的スタンス。無邪気なハム・ヨンジは舌は確かなお嬢様、リュ・スヨンは博識イケメン。親子みたいな3人が韓国各地でその土地の汁物料理を味わい、韓国の食文化を掘り下げていきます。

 エピソード1は、済州島から始まりました。

①タチウオのスープ

済州島といえば、タチウオなんですね!!
現在視聴中のドラマ『私たちのブルース』
済州島が舞台。

ドラマの主人公のひとりである、
水産業を営むウニ(演イ・ジョンウン)は
毎日、競り落としたタチウオを捌いては
威勢よく売りまくっているんです。
彼女は日記にもタチウオのことを綴るほど。
そんな大漁ピッチピチのイメージがあるから
お刺身? 塩焼き? と想像していました。

昔、よく通っていた飲み屋さんに
「タチウオの塩焼き」があったのですが、
いつオーダーしても
「今日はありません」というまぼろしメニュー。
以来、タチウオの実態を知らぬまま
ここまで来てしまいました。

「本土では焼いて食べるが
済州島ではスープにする」
んだそうです。
旅の3人が入った食堂では、
タチウオスープは裏メニュー。
タチウオが新鮮すぎてビジュアルが銀色!
ウロコも浮かんでいます。
網で捕るとこすれ合ってウロコが落ちるけど
竿で釣りあげられたタチウオはウロコが残る。
それが銀タチウオ。

済州の冬の味覚で、
カボチャも入っていてあったまりそうですが
これは好き嫌いあるかもですね。
もうひとつの名物でヨンジがオーダーしていた
アカアマダイと大根のスープ、女子はこっちかも。

②海鮮ラーメン

お次は1日70食限定の海鮮ラーメン店。
これはそそられる!!
メインはチェジュガニ、そして丸ごとのタコ!
さらにアワビやムール貝まで。

観光客に映え人気もあるようです。納得。この金属鍋もたまらない。

③ホンダワラスープ

お次はソンウプ民俗村。
ホンダワラって何ダワラ? 答えは海藻で、
これはあくまでスープの具材のかさ増し用。
済州島の結婚式には豚が4匹ご用意されるそう。
結婚式は豚から始まるのです。
済州の黒豚を12の部位に切り分けて大釜で煮込む
(この時点で食べたい。カルビは花嫁専用)。
毛以外は全部食べる。

3日間もの祝宴の間、
お祝いに訪れる村中の人に振る舞うので
数百食は必要。そこで豚スープを
ホンダワラでもしゃもしゃ~っとかさ増しして
具沢山のスープにするんですね。
仕上げは発酵がすすんだ酸味強めのキムチ。

3日間、同じスープを飲み続けることで
村中が家族になる。
共同体としての意識を強めるという
意味のあるスープなんです。

④ワラビスープ

もうひとつ、ワラビは済州の家庭の常備菜で、
儀式にも不可欠なもの。
豚を煮崩れるほど煮たスープにワラビを混ぜ
そば粉でとろみをつけて済州式ユッケジャン。
濃厚なので大勢で分けてもお腹いっぱいに…

済州島におけるスープ=分け合う文化

いや~、
この済州島の熱さでエピソード1終了かと思ったら、
統営(トンヨン)に続くのでびっくりしました。
わたしの知るトンヨンは、こちら。

島々を含む朝鮮半島南岸のトンヨンは
現在は慶尚南道に区分されていますが
全羅道・慶尚道・忠清道の
3つの文化が融合した土地。

『秘密の森』ではその文化も生活も
まったくノータッチだったので
シモク(演チョ・スンウ)がこれ食べてたかも? 
と妄想に追い打ちをかけてしまいました。

5回くり返し煮込んだムール貝の
濃厚だしで作った、カレイと海藻のスープ。
具材をとことん薄切りにするのがトンヨン流。

ゆず牡蠣。
ホヤのビビンバ。
海鮮トゥッペギ。

ホヤを食べてもシモクは無表情かも…

なんと番組はまだ終わらなくて、
トンヨンの次は全州(チョンジュ)へ。

伝統料理を研究・再現している方々を訪問して
李氏朝鮮時代の両班が飲んでいた二日酔いスープ。
お客様用の肉餃子入りスープ。
李朝時代の卓上鍋シンソルロで宮廷鍋。
コルビナという魚のチゲ。
締めはおこげのスープ、ヌルンジ。

スープ!スープ!!スープです!!!

汁もごはんも食べるから、
お箸よりもスプーン。

済州島だけでも十分1本になりそうなのに
スープだけでこんなに情報の多い
アツい番組だとは思いませんでした。

うちも、ことあるごとに
具だくさんの汁物にしがちなのですが
エピソード2を見ながら、
今夜のスープを考えようと思います。
スープの旅は続きます。

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