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日本心理学会2024チュートリアル・ワークショップ『心理ネットワークアプローチ入門:RとJASPで横断データ分析をはじめよう』の活動報告+資料集

近年の心理学研究では,人間の心理をひとつの「複雑系」として捉える「心理ネットワークアプローチ (Network Psychometrics)」が活況を呈しています。この10数年で爆発的に発展したこのアプローチは,臨床心理学研究で盛んに用いられ,社会心理学・教育心理学・感情心理学など心理学の全体に影響を及ぼしつつあります。

とにかく刺激的で,学びの多いアプローチなので,なんとか広めたい! ということで,樫原 潤 (東洋大学) と柳 百合子 さん (国立精神・神経医療研究センター / 筑波大学) が企画者となり,日本心理学会第88回大会で「心理ネットワークアプローチ入門:RとJASPで横断データ分析をはじめよう」というチュートリアル・ワークショップを開催しました (過去2年も動画ワークショップは開催していたのですが,今回は初めての対面開催となりました!)。

このnote記事では,そのチュートリアル関連の資料を共有します。RやJASPでのネットワーク分析というと,経験が人にはやたら難しそうに響いてしまいがちなのですが,やってみると意外と簡単です! そして,驚くほど楽しいです! この記事をきっかけに,ぜひ初めの一歩を踏み出してみてください!



チュートリアル用スライドと,分析実施のためのリンク集

チュートリアルで実際に用いたスライドをこちらで公開します。


スライドを見て興味を持ってくださった方は,ぜひご自身の手で分析を体験してみてください!スライドで紹介している分析を実施するために,まずは3つのソフトウェア (R, RStudio, JASP) を下記のサイトからダウンロードしましょう。

・Rのダウンロード

・RStudioのダウンロード

・JASPのダウンロード


続けて,チュートリアルで用いた解析コードを下記のサイトからダウンロードしてください。


これで,スライドで紹介した分析は一通り実施できるはずです。体験が終わったら,ぜひネットワーク図のプロットで他のオプション (引数,arguments) を試し,ご自身のデータでも分析をやってみてください。いろいろ試行錯誤していくうちに,気づけばRにドはまりすることと思います!


おまけ①:過去の動画ワークショップの資料

2022~2023年度の日本心理学会大会では,心理ネットワークアプローチの動画ワークショップを開催しました。そのときの資料などがnote記事としてまとまっていますので,ぜひぜひご覧ください~。


おまけ②:体系的テキストの日本語版『心理ネットワークアプローチ入門:行動科学者と社会科学者のためのガイド』が発売中です!

心理ネットワークアプローチを学ぶすべての人にとってのバイブル『Network Psychometrics with R』の日本語版が,2024年8月に勁草書房から出版されました! 原版と同じ感動が日本語でも味わえるように,翻訳めっちゃ頑張りました! 邦題は『心理ネットワークアプローチ入門:行動科学者と社会科学者のためのガイド』となりました。ぜひぜひお手に取ってみてください!


おまけ③:心理ネットワークアプローチを学ぶコミュニティ『Psych Networks Japan』のおさそい

いくら資料があっても,1人で自習するのはなかなか大変です。また,「がっつり自習したい」というほどでなくても,興味のある人同士でつながって情報収集したい場合はあると思います。

そういった方向けに,ビジネスコミュニケーションツール Slack のグループ『Psych Networks Japan』を運営しています。下記のnote記事に概要や参加方法をまとめていますので,ぜひお気軽にご参加ください~。


付記

学会企画『心理ネットワークアプローチ入門:RとJASPで横断データ分析をはじめよう』およびSlackコミュニティ『Psych Networks Japan』は,下記の科研費課題の一環として運営されています。

学術変革領域研究(B) 「ネットワーク解析による心理療法の高精細な作用機序の解明」 研究課題番号:21H05068 研究代表者:樫原 潤 研究期間:2021年8月~2024年3月 (※予算の繰越申請が承認され,2024年度も活動を継続中です)

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