心理ネットワークアプローチを学ぶコミュニティ『Psych Networks Japan』やってます:参加者随時募集中
近年の心理学研究では,人間の心理をひとつの「複雑系」として捉える「心理ネットワークアプローチ (Network Psychometrics)」が活況を呈しています。この10年で爆発的に発展したこのアプローチは,臨床心理学研究で盛んに用いられ,社会心理学・教育心理学・感情心理学など心理学の全体に影響を及ぼしつつあります。
とにかく刺激的で,学びの多いアプローチです!「どんなものか,ちょっと覗いてみたい」という人から「ネットワークを駆使した研究で一山当てたい」という人まで,『Psych Networks Japan』コミュニティに集まって,気楽に学び合いましょう~。
『Psych Networks Japan』の活動趣旨
『Psych Networks Japan』というオンラインコミュニティを始めたのは2020年5月で,当初は「心理ネットワークアプローチに興味のある知り合いを集めてゆるゆる交流したい」ぐらいの気持ちで細々やっていました。
2022年8月現在でメンバーは17名ですが,そろそろ「心理ネットワークアプローチに興味のある人なら,年齢や立場,経験に関係なく,気楽に交流できる場」へとバージョンアップしていきたいと考えています。「参加者としての義務」とかそういうものはありませんので,ぜひぜひお気軽にご加入ください~。
当面は,「まずは人を集めてみる」というのが目標になるので,そこまで更新頻度は多くならないと予想しています。そのぶん,新たな試みを自由気ままに試しやすい場でもあると思います。「卒論・修論・博論でネットワークを使おうとして詰まったから,詳しい人にどんどん質問しちゃおう」「耳寄りな論文情報やイベント情報を交換したい」等,ニーズに合わせてぜひご活用ください。また,運営者サイドも,集まった方々の顔ぶれを見て「今度の学会でこんな企画やろうよ!」とか言い出すと思います。
参加方法
ビジネスコミュニケーションツール Slack のグループを作成したので,下記のリンクから手続きをしてご参加ください。
『Psych Networks Japan』へのご参加はこちらから
Slack グループに加入されたら,ぜひ #general のチャンネル内で,軽く自己紹介いただき,お名前・ご所属・ご関心など教えてください!沢山の方と新たに出会えることを楽しみにしています!
運営責任者
樫原 潤(東洋大学)
kashihara [at] toyo.jp
付記
『Psych Networks Japan』は,下記の科研費課題の一環として運営されています。
学術変革領域研究(B) 「ネットワーク解析による心理療法の高精細な作用機序の解明」 研究課題番号:21H05068 研究代表者:樫原 潤 研究期間:2021年8月~2024年3月
おまけ:心理ネットワークアプローチを学び始めるための資料
「心理ネットワークアプローチはなんとなく見たことがあるけれど,コミュニティ参加の前に概要を学んでおきたい」という人も多いかと思います。入門的な資料のリンクをいくつか貼っておくので,適宜ご参照ください。
・樫原 (2019):『心理学評論』に掲載された,心理ネットワークアプローチを紹介する文献レビューです。
・樫原・伊藤 (2022):『認知行動療法研究』に掲載された,心理ネットワークアプローチを紹介する文献レビューです。臨床応用を見越した議論が厚くなっています。
・Isvoranu et al. (2022):心理ネットワークアプローチについての,初めての体系的な教科書です!とにかくすごいです。日本語版の出版プロジェクトも,2024年の刊行を進行中です (『Psych Networks Japan』内でプロジェクトの様子もご覧いただけます)。
・日本心理学会チュートリアルワークショップ資料:2022年の大会で,「心理ネットワークアプローチ入門:横断データ解析を中心に」という企画を実施する予定です。そのスライド資料の準備ができましたら,note上でも公開しようと思います。