詩の本棚

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ーーまるらおこ詩集『つかのまの童話』ーー


ふと目にとまって開く。

「死んだら浄土で/またあおうね」

宇治の平等院を見学しながら母親に言われて思わず「嫌」と答える私。振り返ると母親が泣いていて・・・・

詩の世界で続きが気になることってそんなにないけれど、続きがとても気になって頁を繰る。母親と私のやりとりの決着を見てほっとする。そして気が付くと泣きたい自分になっていた。

そうだ。この詩集は泣きたいときに読みたくなるのだ。

「いやなことがあったって平気やねん」

「どうした住職さん」

「ネコチャンハミヲヒイタノデスネ」

「賽を投げちゃえば/今のうち/投げちゃえば賽を」

cardはライフ。あなたもあの地震の経験者なんですね。気が付くと笑いながら、泣きながら二周していた。


(まるらおこ詩集『つかのまの童話』 2018.10.31 草原詩社)




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