見出し画像

留学経験とその魅力

留学経験は私の人生にとって、とても意味のある宝物だ。
最近その経験を語る機会があり、興味を持ってくれた友人もいて嬉しかったので、私が留学で感じたこと、得たことなどを、パッション全開で書いてみることにした。
現地でたくさんの「愛」を受け取れたからこその体験記になっていると思う。

オーストラリア・ブリスベン

初めての留学経験は大学3年生の夏休み。
友達がオーストラリアに留学するというのに便乗して、一緒に行くことにした。
友達4人で行くというのに、当時の私は初めての海外生活にビビりまくり、滞在期間の話し合いの際、「3週間は耐えられないかもしれないから2週間にしておこう」と言ったのを覚えている(笑)
後々2週間にしてしまったことを猛烈に後悔することとなった(楽しすぎて)!

ホームステイ先には、コロンビア人の別の留学生がいた。
半年前から滞在していた彼女はとても親切にいろいろと教えてくれた。
到着初日、同じソファに腰かけて目の前で話す彼女を見ながら、とても不思議な感覚に襲われた。外国人が、目の前で動いてる、喋ってる・・・!
自分がテレビの中に入り込んだような違和感だった。それまで意識はしていなかったが、外国人はテレビの中にいる存在、くらい遠い存在と感じていたらしい。
無意識に、外国人は日本人とは感覚も全然違って、繊細な心など持っていないと思っていたようで、外国人も普通に同じ人間で、心を持っているということになぜか驚いた。

この2週間の留学で私は、「外国人も同じ人なんだ」というとんでもなく当たり前のことを、頭をがーーーんと殴られるくらいの衝撃レベルで学んだ。

たった2週間でも、語学学校で出会った違う国籍の友達たちと毎日遊び、夕飯後はホストファミリーと同じ家のコロンビア人の留学生と、お互いの国の文化について毎晩語り合った。
ホストファザーが、家族への愛を謙遜することはない、私はいつだって自分の妻と娘のことを誇りに思っていると周りにも伝えていると言っていたことがとても印象的で魅力的に見えた。
家族とのハグも大切だし、寝るときには毎晩「I love you.」と伝えていると言っていた。実際にその光景を毎晩見ていた。
(今私はその文化を我が家に取り入れようと密かに取り組んでいる笑)

ブリスベンはとてもゆったりとした時間が流れる街で、人々は優しかった。
短い滞在だったけど、道でMAPを広げると毎回、「大丈夫?」と話しかけてくれる人がいた。
バーベキュー文化も楽しかった!

アメリカ・サンフランシスコ

その翌年、日本の大学の単位を全部取り終わった私は、今度は1人でサンフランシスコへ留学することにした。
2ヶ月の予定だったが楽しすぎて、日本の友達との卒業旅行をキャンセルして現地で1ヶ月延長し、滞在できるギリギリまで過ごした。
仲良くなるのは、韓国・台湾・タイなど、アジア系の友達が多かった。
お互いの国のことを話すことが多く、私があまりに無知だったので、他国のことを色々と知れたのがとても嬉しかった。
恥ずかしながら、日韓の問題についても無知だったので、大親友になった韓国の友達から、「心の底では日本人のことを恨んでいる。」と聞いたときは泣きそうになった。
「あなた個人に何も罪がないことは分かっているし、あなたのことは大好きよ」とも言ってもらって救われたが、悲しさは残った。
韓国側の人々がそれほど強い感情を抱いているのに、日本の若者がのほほんと無知でいていいはずがない、と過去のことを調べてはみたものの、完全にフラットで公平な視点で過去の出来事を見ることは難しい。
当時の時代背景があったのだから、今の私がどうこう意見を言える問題ではないと思った。
それでも、こうやって今の世代の者たちが、交流をして、「個人には罪がない」と肌で感じてもらうことがとても大切なことだと思った。
私が初めての留学経験で「外国人も同じ人だ」と学んだように、交流して、情を抱き、プラスの感情を持つことこそが、世界平和に繋がるだろうと思った。

カメラマンの友達が撮ってくれたお気に入り写真。右が、韓国人の親友。

カナダ・バンクーバー

サンフランシスコから帰国した私はしばらく喪失感に苦しんだ。
パラレルワールドのような不思議な感覚も覚えた。
私がいなくなっても当然あの街の時間は今も進んでいるんだよな・・・と。
地球上で様々な世界が同時進行していると思ったら、もっともっといろんな世界を見たくなった!!
そこで、次はワーホリ(ワーキングホリデーというビザの種類)で1年間滞在しに行くことを決めた。
証券会社の入社式の夜、同期の飲み会にて、「私は3年後に会社を辞めて留学します!3年間よろしくです!」と宣言したのを覚えている(笑)
それから3年8ヶ月働いて資金を溜め、フィリピンで2ヶ月間英語の猛特訓をしてからバンクーバーへ旅立った。

バンクーバーは、私にとってまさに理想の街だった。
都会と自然が融合していて、背の高いビル群のすぐ向こうには大きな山々が見える!
その光景が日本では見ることのできない、異様な景色に思えて新鮮だった。
バンクーバーの魅力はそれはもうたくさんありすぎて、何から話していいのやら。つい熱量が上がってしまう。

- 街と自然が美しい

美しく整備された街は、緑と芝生が多く、どこを歩いていても癒される。
ダウンタウン(街の中心部)から川を渡ると山々が広がっていて、気軽にハイキングや登山を楽しめる。
きれいな公園が多々あって、人々は芝生でお昼寝をしたり、ヨガをして楽しんでいる。
海に囲まれているので、ディナーのあと、歩いてビーチまで行き、海を見ながら友達と語る、ということも多かった。ビーチには腰掛けるための丸太がたくさん置いてあって、人々が思い思いに過ごしていた。

リラックスした雰囲気、伝わるよね~♡
丸太が良い感じ♪

- 人が優しい

バンクーバーの何よりの魅力だと思うが、これには心底驚いた。
みんなニコニコしている。バスや電車で、後から乗ってきた人が通りやすいようにほんのちょっと体をずらしただけで、「Thank you!」と私の目を見て満面の爽やかな笑顔で言ってくれるのだ!
バスでは、後から乗ってくる人たちが前の方の席に座れるように、それまで前の方に座っていた人たちが次のバス停で後ろの方に移動していく。
そして、たまにドライバーがバス停で後ろのドアを開け忘れていると、降りたい人が「Back door!」と声を上げるのだが、ドライバーまで声が届かないことがあるので、すぐさま前方にいる3~4人くらいが「Back door!」と叫んであげる。
バスから降りるときにはみんな「Thank you!」と言って降りる。
お店や駅のドアは、後ろの人のために押さえてくれる。

レストランのホールで働いた経験も、日本とは全く違うものとなった。
レストランの接客時には「Is everything okay?」と途中で声をかけるのだが、その際、彼らは本当に満面の笑みで「とても美味しい!最高に楽しんでいるよ!」などと答えてくれる。その度にこちらまで幸せな気持ちになった。
お皿を下げたり、お水を注ぐ際にもに必ず顔をこちらに向け、目を見て「Thank you!」と言ってくれる。
たまに日本人のお客様が来店した際、同様に声をかけると、「あ、大丈夫です」と目を見ずに言われることが多く、寂しく感じた。

- 周りの人みんな味方

最初の半年は、街中で知らない人と言葉を交わすとき、瞬時に笑顔になる準備ができていなかった。
話しかけてもらえることもあれば、同時にどこかのドアを開けようとしたときなどにも笑顔で「あは!お先にどうぞ♪」などと笑顔を向けてくれるのだ。
後半の半年は、いつでも自分に笑顔のベースができていて、どんな小さな接点でもすぐさま笑顔を向けられるようになっていた。
もちろん店員さんやバスのドライバーさんにも笑顔で挨拶をする。
そのときの自分は、街を歩いているだけでもニコニコわくわくご機嫌で、幸せだった。
周りの、知らない人たち含めたみんなが味方、そんな感覚があった。
知らない人たちを味方と思えるかどうかが、ここまで自分の幸福度を左右するんだ、ということを学んだ。

バンクーバーには、本当に様々な国の人がいるので、より多国籍の人たちと話すことができた。
特にその国での働き方や、友人関係、家族との関係性や宗教観などの話しは興味深くて、とても刺激的な毎日だった。

トラブルがあって3回引っ越すことになったり、バイトがなかなか見つからなかったりなど苦労もあったけど、それも全部サバイバル経験として宝物と言える。

バンクーバーの良さは、治安の良さ、食べ物がおいしい、利便性の高さ、過ごしやすい気候など、他にも色々ある。

大好きだった場所

留学の魅力

留学の魅力は、ここまで述べてきたように、まずは外国の人とも仲良くなれるんだということを体得することだと思っている。
頭で理解しているのと、実際に体験するのとではまるで違う。
私自身、外国の人たちへの見方が留学前とは180度変わった。
私は今でもそれが世界平和に繋がると信じている。
みんなが違う国籍の人に対しても同じ「地球人」としてプラスの感情を抱いていたら、人類は戦争なんてできなくなるはずだと思うから(もちろん既にほとんどの人は戦争反対だと思うのだけど)。

そのうえで、異文化理解だったり、語学力の向上、世界を知って視野が広がる、自国の当たり前を客観的に見られるようになる、柔軟な思考ができるようになる、などなどがあると思う。
そう、決して語学力向上だけでは無い!!と思っている。

- 英語という言語の性質

それから、私個人的には、英語のおかげでフラットに人間関係を構築できる、というのも留学で経験できる大きな魅力だと考えている。
英語には、日本語の敬語のようなものは無いので(ビジネス用の丁寧な言い回しはあるが)、年齢に囚われずに人と仲良くなりやすい。
日本では、親友は同い年、という人が多いのではないかと思う。
けれど、留学中に仲良くなる友達の年齢はバラバラで、日本の「年齢を聞いてから距離感を決める関係性」が、とてももったいないと思うようになった。(※コミュニティーによっては例外も多々あるけれど)

誰にでもフラットに接することができる自分が、日本での自分よりも好きだった。
そして英語ができると、お互い母国語が違うのに「話しが伝わる」という喜びを感じやすく、ちょっとした冗談でも、通じた嬉しさと相まって、心から笑い合えるという楽しさも感じた。

- 紹介する文化

また、留学生同士だったから余計に、というのもあったかもしれないけれど、友達に友達を紹介するのが当たり前という文化があった。
「週末に〇〇へ行こう」と約束があり、行ってみるとそれぞれ別の友人も連れてきているということがしょっちゅうあり、毎週末のように新しい友達ができた。
私もたくさんの友達と友達を繋げることができて、楽しかった!
日々出会いの数が多かったので、留学中はほとんど人見知りをすることもなくなり、フレンドリーに接することができた。

- すべては自分次第

誤解無きよう言いたいのだが、私も遊び呆けていた訳ではない(笑)
限られた期間を最大限有意義に充実させたいと思い、英語の勉強(インプットとアウトプットのバランスを意識していた)、ボランティア(日本語を教えたり、チャイルドケアで子供のお世話をしたり)、アルバイト、旅行、英語を教える資格の取得などに取り組んだ。
英語力向上のため、日本語に触れないことも徹底していて、現地の日本人とも英語で話すし、日本の友達とは極力連絡は取らなかった。
私の脳は単純なので、それくらいしないと英語脳に切り替えることができず、英語脳に切り替えることができなければ英語の上達は難しいと感じた。

結果的に、私にとってはとても充実した留学経験になったと感じている。
留学中(特にワーホリの場合)の行動は全部自分次第で、自分で創り上げていくもの。
ルーティーン生活が苦手な私にとっては、「自分で充実させる」という感覚も最高だった。

癒しの写真(スタンレーパーク/バンクーバー)


もっと短くまとめたかったけれど、留学に対する熱量が高すぎて、長くなってしまった。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!

留学中に「良いな」と思ったことを、もっともっと日本での生活の中でも活かしていきたいと思っている今日この頃。
世の中がもっともっと「愛」で溢れますように。

※今回の記事で利用した写真はすべて自前のものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?