人を見た目で判断できるか

僕達は，人の見た目から情報を得ている．顔・体格・髪型・服装などから，自然とその人の情報をキャッチしてしまう．また，人の内面に関わる印象を自動的に判断してしまうものが，「顔」である．人の顔を見て，人間は「いい人そう」「強そう」「賢そう」などと自動的に判断してしまうらしい．
つまり人間にとって「顔」は，特別なものであるようだ．また人間が，人の顔の微妙な違いを認識する事ができるのも，先ほどの裏付けの一つと言えるかもしれない．（顔の魅力と行動の良し悪しは脳内で同じ領域で処理されている可能性があるらしい）

しかし，どうだろう．果たして人の見た目から得た情報で，その人の内面に関わることを正確に判断できるものなのだろうか．
僕の答えはハッキリしていない．できるし，できないってのが答え．ここで下の例を見て欲しい．

【例題】太郎君と次郎君が初めてパーティーで会いました．二人は，初対面なので相手がどんな人なのか知りません．そこで，次郎君の内面をAとし，太郎君が次郎君から得た印象を元に予想する内面を，Bとする．この時，AとBが完全に一致する確率を求めよ．

【答え】太郎君が次郎君から得た印象を元に予想する内面が完全に一致する確率なんて求められないが，このパーティーでの起こり得るAとBの関係は以下のように表せる．

今回の問題での答えは，５番である．こう見ると，AとBが完全に一致していることなど，起こりうることなんてなさそうだとなんとなく分かる．また，どんなに人を見た目で判断するのに長けている人でも，2番の形で重なる部分が大きい場合か，3番のように次郎君の内面の一部のみ理解したか，4番のように次郎君の内面を全て予想はしているが次郎君の内面ではない部分も無駄に予想しているかであると分かる．

以上のことからこんなことが言えるのではないだろうか．．．．

人を見た目で判断したものが，その人の内面と必ず一致するとは言えない．しかし，人を見た目で判断することは悪いことではない．いや，人は人を見た目で判断してしまう者なのだ．するしないの選択権は存在しない，してしまうのだから．ここで僕が出した結論が，「人を見た目で判断する能力を高めつつ，人は見た目で判断できないと知ること」である．だって，人を見た目で判断するのは効率が良いんだもの．というのも，「性格(内面)の推測が対人関係を円滑に行うために重要である」という研究結果が，今現在出ていることからも言えるだろう．また，世間で出回っている「人を見た目で判断するな」の意味を間違った意味で理解してしまっている人が多い気がする．「人を見た目で判断するな」の本当の意味は，「人を見た目で判断した上で，それだけで判断できると思うな」であると思う．極端な話だが，興奮状態で拳銃を持っている人や夜道で危なそうな人がいても，「人は見た目じゃないから」などと考え，逃げることをやめてしまうなんてことはするべきではない．だが，人を見た目で判断しその人を傷つけるようなこともあってはならない．
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『映画』
　https://youtu.be/MCkRZq3co_A　　　
4,5回は泣きます．