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30代になると気になる髪の悩みの上位にランクインしてくる白髪。

白髪の原因について様々な見解がありますが、実は解明されていないことも多く、

これといった原因ははっきりしていません。

長年、髪に携わってきた筆者が調べた白髪の原因となる理由を解説します。


■白髪のメカニズムとは??

髪はメラニンによって黒く見えます。メラニンはメラノサイト(色素形成細胞)で、アミノ酸のひとつであるチロシンを原料としてチロシナーゼ(メラニン合成酵素)の作用によって作り出されます。白髪とは、メラノサイトの活性低下により髪の中のメラニンがなくなった状態です。
メラノサイトは、毛髪の色素を作る細胞です。メラノサイトは毛乳頭細胞上で毛母細胞(ケラチン形成細胞)と共存し、毛母細胞にメラニン色素を提供します。
MITF遺伝子はメラノサイト内に存在し、メラニン合成のシグナルとして、チロシナーゼ(メラニン合成酵素)や色素幹細胞の保護などに関与します。

-DEMIホームページより抜粋-


髪は、メラノサイトという黒い色素を作る細胞で作られたメラニンで黒く見えますが、いろんな原因でメラニンが作られずに髪が伸びることで白髪となってしまいます。


白髪の原因は、加齢やストレスなど様々なことが言われていますが、実際に研究などで解明された事象を紹介します。


■白髪の原因その①:加齢によるMITF遺伝子の発現量の低下

MITF遺伝子はメラノサイトの中に存在し、メラノサイトやチロシナーゼなどに働きかけて、メラニンをつくらせる司令塔のような役割を果たしています。また、年齢を重ねることで減少することが知られています。
MITF遺伝子が減少すると、メラニンをつくる司令が出されなくなり、メラノサイトの活性が低下し、メラニンの生成に大きく影響します。

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-参考:DEMI-


MITF遺伝子は黒い色素を作るメラノサイトの中にあり、黒い色素を作らせる指令を出しています。

加齢により、MITF遺伝子が減少しメラニン色素を作らせる指令が少なくなることで白髪になることがわかっています。


■白髪の原因その②:常在菌の異常繁殖による頭皮環境の乱れ

インフォームドコンセント(倫理委員会承認番号:20160226-5)を得た数百人に及ぶ女性の頭皮からスカルプフローラを採取して解析を行ったところ、頭皮が青白い人に比べて頭皮が赤い人では、スカルプフ ローラの一つであるコリネバクテリウムの相対的な量が多くなり、細菌群のバランスが崩れていることを世界で初めて確認しました(図 1)。また、培養細胞を用いた実験からコリネバクテリウムの代謝物が量 依存的に毛根部由来の細胞活性を低下させてしまうことも確認できました(図 2)。これにより、コリネバクテリウムが頭皮の慢性的な炎症に関係しており、さらにその代謝物が毛根部に悪影響を与えているこ とが示唆されました。https://www.milbon.co.jp/files/pdf/news/2018/07/20180718130205_1.pdf 参考:MILBON

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頭皮が青白い人に比べ、頭皮が赤くなっている人は相対的に頭皮のコリネバクテリウムが多くなっていて、スカルプフローラ(頭皮の常在菌のバランス)が崩れています。


頭皮が赤くなるのは頭皮が炎症状態になっていて、炎症状態は酸化ストレスによって引き起こされることが知られています。

40代以降では炎症状態にある頭皮の白髪率がかなり上昇しています。


株式会社ミルボン(代表取締役社⻑・佐藤龍二)は、頭皮細菌叢※1(スカルプフローラ)に含まれる老化菌に着眼 した、頭皮と毛髪の老化現象を抑制できる画期的な新技術の開発に成功しました。
頭皮の上では様々な細菌が共生しており、この集団は頭皮細菌叢(スカルプフローラ)と呼ばれています。スカルプフ ローラは髪と頭皮に対して、何らかの影響を及ぼすと予想されていますが、その働きのほとんどは未だ不明です。我々はこ れまでに、スカルプフローラに含まれるエンテロコッカス属細菌※2 が髪と頭皮の老化現象※3 を促進することを発見し、これ を「老化菌 TM」と名付けました。https://is.gd/jd8WTu -参考:MILBON-


コリネバクテリウムだけでなく、頭皮を老化させてしまうエンテロコッカスという菌も存在します。

エンテロコッカスが増えると頭皮が慢性的に炎症し、赤くなっている状態だと言えます。そして、頭皮が赤い人ほど白髪の割合が多くなり、毛髪本数は少なくなりやすいことがわかっています。


■白髪の原因その③:ストレスによるミトコンドリアの変化

米コロンビア大学の研究チームは、2021年6月22日、オープンアクセスジャーナル「イーライフ」で、「心理的ストレスと白髪には相関があり、ストレスが緩和されると髪の色が回復することがある」ことを初めて定量的に示した。研究チームでは、まず、9〜65歳までの男女それぞれ7名(計14名)を対象に、毛髪を採取させるとともに、毎週、ストレス度を評価して記録してもらった。次に、研究チームは、被験者の毛髪の薄片を高解像度の画像でとらえ、各薄片の色素喪失の度合いを分析した。それぞれの薄片の幅は、約1時間で伸びる長さに相当する0.05ミリだ。その結果、白髪の一部が元の色に自然と回復していることが定量的に示された。また、被験者の「ストレス記録」と毛髪とを時系列で重ね合わせたところ、ストレスと白髪には顕著な関連がみられ、ストレスが晴れると白髪が元の色に戻るケースもあった。研究論文の責任著者でコロンビア大学のマーティン・ピカード准教授は「バケーションに出かけると毛髪5本が元の色に戻った人もいた」と補足している。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/07/post-96626.php


ストレス日記をつけ、ストレスのあった時期と、白髪が増えた時期は一致するという研究結果です。

さらに、マウスにストレスを与えた実験でも同様なことが見られましたが、ストレスがなくなると黒く戻るという結果も得られました。


ストレスを与えた時は白く、ストレスのない時は黒くなるので、1本の毛に白黒のシマシマができることになります。

ストレスがどのように白髪を引き起こすのか?

謎を解明するため、白と黒でシマシマになっているそれぞれの部分で、どのようなタンパク質が存在するかを調べました。


結果、白髪が発生する際には300種類ものタンパク質が変化していることがわかりました。

また興味深いことに、白髪でのタンパク質の変化のうち多くは


失われているのではなくむしろ増加していました。


この結果は、白髪の発生という現象が、色素にかかわる因子を失った結果ではなく、髪を生産する細胞の異常な活性化により起きていることを示します。


この活性化において大きな役割の1つを占めていると考えられるのは、ミトコンドリアです。


白髪ではミトコンドリアのDNA及びミトコンドリアのエネルギー生産に関連するタンパク質の量が大幅に増加していたのです。

この結果は、ストレスを受けて白髪を作るようになったしまった毛穴の細胞では、ミトコンドリアの量そのものが著しく増加すると共に、特定のエネルギー生産経路が異常に活性化していることを示します。


ストレスによる白髪化は、ストレスによりメラニンが作られなかったということではなく、ストレスによりミトコンドリア量の増大をはじめとした様々なタンパク質の異常活性により起こることが研究で解明されました。

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■白髪の原因その④:活性酸素による頭皮の酸化

酸化することで頭皮環境が悪くなることは、白髪の原因その②で解説しましたが、常在菌による酸化だけではありません。


頭皮は紫外線を浴びると活性酸素が発生し、頭皮の皮脂なども酸化して頭皮の老化を引き起こしてしまします。


また、ヘアカラーでも活性酸素が発生し頭皮を老化させてしまいます。

白髪染めをすればするほど頭皮が酸化してしまい、白髪の原因になってしまいます


ヘアカラーをする時は、その辺の知識もある美容師さんにお願いしましょう!



白髪には様々な原因がありますが、いろんな原因が複合して白髪を増やしてしまいますが、できるだけ原因を作らないように、頭皮環境を整えストレスを抱えないようにする事で白髪を予防しましょう!




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