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地域ブランディングに欠かせない「伝える努力」

写真左:広報・事務局長の高橋氏。毎週3本のプレスリリースを配信している

関係人口が2年で1万人以上

私が代表を務める宮崎県新富町の地域商社「こゆ財団」は、2017年4月に設立から3年目を迎えています。

この間、新富町にはイベントや講座、視察研修受入などを通じて、多くの人と新たな関わりが生まれています。2017年度は4014人、2018年度は7695人で、2年間でのべ11709人を数えています。

政府は、東京一極集中の是正に向けた「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、定住や観光ではない特定地域との関わりである「関係人口」が重要であると定義しています。人口約1万7,000人の新富町としては、そのおよそ3分の2にあたる関係人口が生まれたことは一つの成果と呼べるのではないかと思います。

さて、このように多くの方から興味と関心を寄せていただいているのには、設立当初から貫いてきた考え方があります。それは「伝える努力」です。


伝える努力をしない事業は衰退する

伝えるとは、コミュニケーションです。その手段であるデザインについては、私自身がかつて東京でデザイン事務所を経営していた経験もあり、クリエイティブの責任者としてこだわり抜いてきました。

特にこだわっているのは「らしさ」の表現です。地域らしさ、新富らしさとは何かを常に意識し、デザインに携わってきました。


ブランディングのコツは、「地域らしさ」を意識する

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例えば、現在のこゆ財団のロゴは、スターバックスの店内に掲示されているロゴにヒントを得てつくりました。

取り入れたのは、無意識にみんなが目にするもので、カフェのように洗練されていて、ポップで、安心感のあるイメージです。ブランドカラーのオレンジは、エネルギーや快活さを表すものであり、できたばかりのスタートアップ企業を象徴するものとして大事にしました。

実は、こゆ財団の設立当初は別のロゴを使用していました。それを現在のものに変更したのは、こゆ財団のフェーズが変化してきていたからです。その瞬間の「らしさ」を意識したとき、私にはよりふさわしいものとして現在のロゴが浮かび、かたちにしました。


すべてのデザインが洗練されている必要はない

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こゆ財団が運営する「こゆ野菜カフェ」地元の学校からの寄せ書きや手書きのポップが地域らしさを醸し出す

では、あらゆるデザインが洗練されている必要があるかというと、そうではありません。逆に、すべてがそうではないことを大事にしています。

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