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予測不能なVUCAの時代、スタンフォード大学が大切にする1つの事

皆さんは、デザイン思考をご存じでしょうか。

デザイン思考は、特定の製品やサービスを開発・改善するための手法の1つですが、複雑化し混迷を極める現代において、数々の課題に対処する際の方法論として注目されています。

デザイン思考の概念自体も固定されておらず、提唱者によって様々な考え方がありますが、スタンフォードでは、IDEOが提唱する5つの段階のデザイン思考を学べます。5つの段階とは、共感、問題定義、創造、プロトタイプ(最初の模型づくり)、テストです。

私は、アメリカのスタンフォード大学の学生(The Stanford Innovation and Entrepreneurship Certificate)として、夏季休暇を利用して、集中講座に参加しました。そこで、スタンフォード大学 では何よりも「プロトタイプ(最初の模型作り)」が重視されていることが再確認できました。

0から1を生み出す行動の重要性

スタンフォード大学の講義の中では、プロトタイプが重要視されていましたが、なかなか一歩踏み出せない、一度やってみたけど次のステップにいけない、なかなか続かない、という経験をお持ちの方はたくさんいらっしゃると思います。

あきらめてしまう理由は環境やメンタルなど人それぞれでしょうが、どんなことも続けるのは容易ではありません。ここで大事なのは、1歩を踏み出すときに、大きな成果を得ようとしないことです。

0から100の成果を得るのは並大抵のことではありません。0から目指すのは、まず1です。小さな成功を積み重ねるための一歩を踏み出すことが、とても重要です。

後で変更する前提で、プロトタイプ(最初の模型)をつくろう

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ご存じの通り、スタンフォード大学はカリフォルニア州にある私立大学で、世界のトップレベルの技術や才能を持つ人材が集まっています。夏期集中講座で、どのようなプログラムが待っているか、私は期待に胸を膨らませていました。

結果的にその期待は、大きな驚きと発見に変わりました。

プログラムでは、講義形式でハウツーや知識を教わることがほとんどありませんでした。何をやるかというと、プロトタイプ(最初の模型作り)です。

これからやることについて簡単なレクチャーがあった後は、みんなで、輪になってアイスブレイク。安全安心の場所をみんなでつくることにコミットします。

そして、その後は、「では早速やってみましょう」。え? もう実践ですか?とびっくりするくらい、実践へのステップは簡潔でした。

完璧主義を手放そう

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このときに課された課題は、LEDライトを使った新しいサービスの創造でした。

世界中から集まった受講生は、企業経営者や博士号を持つ研究者など、有識者ばかりです。

そんな人材に対し、事前の説明もそこそこに「ではどうぞ」と講師が実践を促す。さすがに多くの受講生が戸惑いの表情を見せていました。

ですが、そこはさすが一流の実践者たち。LEDライトをつまみながらあれこれと思案を始めます。

最後の発表では「これは私がディスコでスターになれるライトよ!」「これは私の近くに好きな人が来たことを知らせてくれる光の指輪よ!」などと、アイデアを堂々とプレゼンしました。

予測できないVUCAの時代だからチャレンジを

…いや、ちょっと待ってください。そのアイデア、全然面白くないですよ。しょうもない、優れたものは一つもない。私は内心でそう思っていました。

「全然面白くないと思った人もいるでしょう。でも今は誰も予測のできない、答えもない混沌とした時代です。まずやってみることが、新しい価値を生み出すと考えてください」

この講師の一言で、私はとにかくまずやってみるという姿勢が、いかに大事かを学びました。

プロトタイプづくりの積み重ねが、町を変える。

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プロトタイプの重要性は、私が代表を務めている宮崎県新富町の地域商社「こゆ財団」でもメンバーに伝えています。

伝えているというより、日々実感しているといったほうが的確かもしれません。私たちにとっては、毎日が「とにかくやってみよう」の連続みたいなものだからです。

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