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【観光】新連載!「観光の研究」!

こんにちは。新小樽少年です。
今回から、新連載「観光の研究」を始めます!!
参考書は上の「ドイツの観光学」になります!!

普段は農業や環境に関しての記事を書くことが多いのですが、
観光学に触れるまでの経緯に関しては前回の記事を読んでいただけると幸いです!!

記念すべき第1回の記事では、「学術研究における観光とは?」ということに触れていきたいと思います!
面白く、分かりやすく説明していくつもりなのでコメントイイね!マガジン登録をお待ちしています!!

1.「観光」と「旅行」をどう切り分けるか

「観光」を定義するのは非常に複雑です。なぜなら、「旅行」という現象が多様的だからです。例えば長期的な旅行があったり、日帰り旅行なんて概念も存在するくらいですから。

では観光者の特徴とは何でしょうか。

カスパーは「観光客」を以下のように定義しています。

「人の場所の移動と滞在によって生じる関係と現象の集合体であり、その滞在地はその人が主とする長期の居住地や滞在地でない」(Kasper,C.1996,16)

つまり以下のような特徴が「観光客」ということになります。
①観光者は住民ではない(前提として移動が伴う)
②観光者は一時的な居住者であること
③観光者は消費者であること


1990年代初頭から、このように定義された観光の統計が始まりました。そして国連世界観光機関(以下「UNWTO」で表記)欧州連合統計局を通じて、観光統計の統一化が図られました。

集められた観光統計のデータはUNWTOが編集し、独自のサイトで公表をしています。これらは商業的なマーケティング業界で使用されます。

2.ドイツの観光統計

ドイツではどのように観光統計が取られているのでしょうか。

ドイツでは地点方式の宿泊施設で統計がなされます。

ベット数が9床以上の宿泊業者は報告義務があり、宿泊者数と宿泊日数、滞在客の出身国の提出も求められます。

私自身も大学在学中にドイツへ3回行きました。ユースホステルを使う機会が多かったのですが、その都度、住所や電話番号などといった情報を記入してました。

これに対してアメリカやオーストラリアでは国境を越えて目的国に入った地点で把握されます。

3.日本の観光統計

上のデータは日本の観光統計局から引っ張ってきました。
ここから日本はアメリカやオーストラリアと同様の、地点方式で観光客数を測っています。

そして私は初めて知ったのですが、「一時利用客」、つまりトランジットなどで日本を利用する旅行者も「観光客数」としてカウントされるみたいです。

これに対して「滞在はしないのに観光客としてカウントされていいのか」と少し疑問を持ちましたが、以下のようにも考えられます。

ここから日本の空港を利用する人は、トランジット利用が少ないのではないかという仮説です。先行研究が見つかりませんでした...

4.まとめ

場所の移動であったり、一時的な滞在、消費行動が観光客の主な特徴だとすることは、観光が多様であることを示唆させます。

そして観光は、「なぜ観光をするのか」、「観光はどんな影響を及ぼすのか」と未解明の研究テーマが広く存在し、学術範囲がとても広いです。

つまり「観光」は経済や社会、心理学、教育学といった分野間に多くの接点が存在します。それゆえ観光を研究することは、既存の学問の可能性を広げることを意味するのです。

次回は「観光研究における課題・分野史・方法論」を取り上げます!

新小樽少年

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