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地域の担い手は身近にいる…はず

 投稿した記事でも書きましたが、生成AIに回答を求めるときには、回答内容が本当に正しいものなのか特に自分で真偽が定められない内容については、鵜呑みにしない慎重さが求められると考えています。

 同記事内で、反問した「本当に若者は地域活動の関心が低下しているんですか?ボランティア活動への意欲は高いという結果も出ていますが?」について、自分なりの仮説がありました。

私の地域の担い手に関する課題認識

地域活動における担い手不足

ボランティア団体、ボランティア数の減少
ボランティア数の現況及び推移よりという資料を見ると、2022年のボランティア団体数やボランティア数は下記の通りピーク時の7割程度に落ち込んでいます。
 
ボランティア団体数:17.5万団体(22年4月現在)
※最盛期27万団体(15年)と比べ、65%程度に減少
ボランティア数:668万人(22年4月現在)
※最盛期868万人(11年)と比べ、77%程度に減少

この問題は2001年頃から抱えている?

 ボランティア数などを調べていく中で厚生労働省が調査していた全国ボランティア活動者実態調査というPDFデータを見つけました。内容を見る限り、2001年頃から抱えている問題になりそうです。

<活動を行ううえで困っていること>
・「現在活動を行ううえで困っていることがある」団体・グループが 69.7%と過半数を占めており、「困っていることがない」団体・グループは26.4%。
・困っていることは、「メンバーが高齢化している」を挙げた団体・グループが 54.3%、「新しいメンバーが集まらない」が 47.2%、「中心となるメンバーが不足している」が 31.3%、「活動資金が不足している」が24.3%となっており、メンバーに関する困りごとが多い。

全国ボランティア活動者実態調査(P.12)より


若い人も社会参加している

 担い手不足になると真っ先に槍玉に上がるのが、若者。若者の地域離れや地域活動に参加しないことを担い手不足の原因にされます。
一方で、高校のボランティア部やSDGsの目標達成に向けた活動をする方を目の当たりにしているので、社会貢献活動を行う人も一定数いると感覚を持っています。

 ホームページでざっと調べる限りも、2017年のシニアガイドの記事「ボランティア参加率」という記事では、10歳以上のボランティア参加率は26%と言われています。また、同記事内の年齢階級別のグラフを見ても、一番低い25~29歳代でも10%台後半の参加率となっています。
 また、2021年のシニアマーケティング研究室の記事「社会活動に参加している者の割合:ボランティア活動(年齢階級別:男女別)」によるとボランティア参加率は20代で10%弱、30~40代も10%代前半は存在しています。

社会貢献の意欲は8割近く

 また、内閣府のこども・若者の意識と生活に関する調査(P.94)では、あなたは、「社会のために役立つことをしたい」と思いますか。と言う問いに対し、「そう思う」(33.5%)、「どちらかといえば、そう思う」(49.4%)と回答しており、83%近くは肯定的な意欲を示しています。

 この情報から、前回の記事で「本当に若者は地域活動の関心が低下しているんですか?ボランティア活動への意欲は高いという結果も出ていますが?」と考える結果になりました。

これらの結果を踏まえた仮説

単純に繋がることが出来ていないのでは?

 活動側が担い手不足と言っており、一方で社会貢献に肯定的な意欲がある若者が存在している以上、両者が繋がることが出来ていないと考えるのが自然です。
 しかも、上記の数値を額面通り受け取るなら、参加したい若者が8割いて、実際の参加者が2割だとしたら、6割の人材が埋もれている可能性があるはずです。 

既存の活動団体と活動希望者のアンマッチとミスマッチ

 ここで、繋がれない理由ですが、大きく二つあるのではないかと思います。「アンマッチ」「ミスマッチ」です。用語が違う以上、意味が異なります。

 仕事でジョブマッチングについて調べていた時期があり、その際に両者の意味の違いを考えるようになりました。
簡単に言うと、アンマッチはマッチしない(繋がらない)ミスマッチは繋がったが合わないとなります。

 両者は意味が異なる以上、それぞれに対する打ち手が異なります。
 
 アンマッチであれば、団体を知らないから来ない可能性があるため、まずは認知度を上げるだけで対策が出来るかもしれません。
 一方でミスマッチは繋がることまでは出来ているので、要因が活動団体側にあるのか参加者にあるのか、団体側にあるなら目的や理念なのか、活動内容なのか、活動期間などの条件なのかなど細分化して考えている必要があります。

 一般論で「地域の担い手が足りない」と根拠の乏しいものを鵜呑みにせず、どんな人がどのくらい必要なのか。今はどのくらい足りないのか。掘り下げていくことで、必要なことが具体的になってきます。
 
 実はこのことが生成AIとの付き合い方にも通じると思っています。


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