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純セレブスピーカーで聴く!音源マガジン 第8号 2020年8月23日

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民族音楽を聴いておうちで世界旅行をする③

民族音楽で世界旅行をする企画の最終号です。

先回はノンサッチレーベルの話が長くなりました。

今回は少し端折っていきますね。

ビクター、オコラ、セブンシーズ

現地録音中心のレーベルは先に紹介したノンサッチ なのですが、他にも民族音楽の録音があるレーベルがあります。それが、ビクター、オコラ、セブンシーズです。それぞれに紹介していきます。

1.ビクターエンターテイメント

JVCワールドサウンズベスト100というシリーズがあります。

これは民族音楽の現地録音が中心でかつ、1980年代中心の録音が新しいものが多い。他のノンサッチ やセブンシーズは1950年代のものも多く、音質的には外れのものもありますが、ビクターはその心配はまずありません。
録音の質も良いものが多く、日本の伝統音楽も聴くことができて、大変おすすめです。

中でも1980年代に企画構成、録音に山城祥二(録音では大橋力の名義)が参画しているディスクは間違いなく勧められます。(逆に彼が関わっていない録音は良くも悪くも「普通」です。)ただCDの中身を見ないとわからない情報なので、買うときにカンを効かせる他ありません。

入手性は日本の会社なので比較的悪くはないですし地域のバランスも比較的取れており、現時点で最強かもしれません。図書館でもよく見かけるので、立ち寄ったときにチェックしてみてください。

私が聴いた範囲でのおすすめを以下に挙げます。

島唄の録音。嘉手苅林昌という名手による演奏。録音以前に歌が素晴らしい。

影絵劇のための生演奏。途中雨に降られるアクシデントが録音されており、そういうことも生録音の面白さだと思う。大橋力(山城祥二の本名)録音。

竹の楽器ジェゴグの録音。

グルジア(元ジョージア)の女声合唱と男声合唱。女声合唱が繊細で美しいのと対照的に男声の荒くて力強いこと。対比が楽しめます。大橋力録音。

ピグミーのコーラス。即興的に始まり、徐々に調和が取れて行く。このプロセスはまさに純セレブ的だと思います。大橋力の録音。

私の好きなブルガリアンポリフォニーの来日公演時の録音。音質も良いし、緻密なハーモニーが楽しめる。個人的には現地録音の生々しさは後退しているのが残念。大橋力の録音。

2.オコラ

1955年にアフリカ音楽の録音から始まったSORAFOMが1962年OCORAに改名、1969年には母体であったフランス放送に吸収され、OCORA radio franceが誕生しました。以来、世界各地の民族音楽・伝統音楽を高クオリティで記録するレーベルとして、広く支持されています。

引用元はこちら

オコラは入手性はかなり悪いです。図書館にもほとんどありません。
しかし他のレーベルよりもかなり広く、細かい地域をフォローしており、特にアフリカ音楽の録音の量は驚嘆すべきものがあります。

現在入手できるもの中の筆頭アルバムをひとつ挙げておきます。

https://product.rakuten.co.jp/product/-/88baa92bdd9bcb219bfcb283d6142748/

カメルーンのオペラ。カメルーンの情景を音で切り取ったアンソロジー的なアルバム。フランス語のナレーションからカメルーンの人々のおしゃべり、火を焚きつける音、打楽器、海の大波。音だけでここまで壮大なイメージが与えられるとは驚くべき。まさに「これこそ音楽」。純セレブスピーカーで聴くととてつもなく感動すること請け合いである。

3.セブンシーズ(キングレコード)

セブンシーズはキングレコード傘下のレーベル。かつて歌謡曲やポップスを中心にリリースしていたが、現在新たなリリースはしていないようである。

セブンシーズは民族音楽学者の小泉文夫氏の監修した民族音楽の音源を多く所有しており、図書館などで見かけるCDや文献は小泉文夫氏の監修したセブンシーズのものが多いと思われる。私も見かけると必ず借りて聴いていたが、かなり古い録音(1960年以前のモノラル)もかなり多い。音質が悪いとせっかくの音楽として生きて聴こえず残念なものも多い。
とは言え、文献、記録としては重要度は高いものもあるので、図書館でみかけたら試しに借りてみると良い。

おわり

3回にわたって「民族音楽を聴いておうちで世界旅行をする」をお送りしました。いかがでしたか。かなりディープでマニアックな部分もあったかと思いますが、あくまでも音源の探り方の参考になればと思います。

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