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同一労働同一賃金とは?非正規雇用の考え方を労働者側と企業側の視点で見てみよう

今回、弊社は事業拡大に向けて採用活動を行っております。営業1名、サイト運営(編集長候補)1名、SE2名の4名採用を検討しており、社内で打ち合わせしていると認識のギャップがありましたので勉強会資料とすることにしました。

世間で騒がれている部分からは、少し視点が違いますので、その点はご了承ください。

ことの発端は、弊社取締役のサポートを行う営業マンについて話し合われた時
「正社員でも派遣社員でもどちらでもいい、正社員並みに長期で働いてもらえる人。正社員並みなので派遣期間の長期とは3年と考える」
これがおかしいとお気づきになられた方は、今回の勉強会ブログ内容はしっかり勉強されている方だと思います。
この内容には、おかしな点がありますので、今回はその点をクリアにしていきたいと思います。

同一労働同一賃金とは

まずは、世間でも騒がれており、国の方針としても打ち出している
「同一労働同一賃金」について、厚生労働省のHPを参考にお伝えしていきたいと思います。

厚生労働省

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにします。

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簡単に言うと、同一労働同一賃金とは、正社員とそれ以外の労働者(契約社員やパート等)との間で、同じ仕事していたら同じ給料や待遇ですよ。不合理な差を設けることは禁止ですよ。ってことです。

ここでチェックされるモノサシが「均等待遇(きんとうたいぐう)」と「均衡待遇(きんこうたいぐう)」となります。

均等待遇とは
職務内容が同じなら同一の待遇とすること

均衡待遇とは
職務内容が異なる場合には、その違いに応じて合理的な差とすること

職務内容とは
「業務内容」+「責任の程度」

ニュースなどで取り上げられるのは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者が同じ職務内容もしくは不合理な待遇差を受けている問題となります。

また、非正規雇用労働者から正規雇用労働者になりたい方もおられ、企業側の都合で非正規雇用労働者となっているのも問題となります。

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ここで注目してもらいたいのは、全員が非正規雇用から正規雇用を望んでいないことです。
非正規雇用にもメリット・デメリットがありますので、後ほどお伝えしていきたいと思います。

弊社の採用活動からすると「正社員でも派遣社員でもどちらでもいい、正社員並みに長期で働いてもらう」と考えるのはおかしなことで、職務内容からどちらにするかしっかり考えないといけないことがわかります。

3年・5年ルール

ビジネス16

非正規雇用には「3年」「5年」ルールがあるのをご存知ですか?

非正規雇用から正規雇用へ切り替えていくためのルールがあります。
これにより、正社員として働きたかったが、働き口がなく、仕方なく非正規雇用で働いていた人たちが正社員となれるようになります。

派遣社員は「3年」
派遣社員が3年経つ前に打ち切りを告げてくる会社もあり問題となることもます。
3年経つと正社員になれる可能性があるため、派遣社員の中で「3年ルール」というものが知られています。

ただ、3年を目指して頑張っている派遣社員もいる反面「雇い止めの30日以上前に予告する」という規定のタイミング上、2年と11カ月で派遣の打ち切りを告げる会社が多いのも事実なのです

派遣社員は3年で正社員への申し入れをできるということを覚えておいてください。

契約社員は「5年」
5年ルールには、派遣社員も含まれますが、上記3年ルールが派遣社員にはあるため、主には契約社員に対するものとなります。内容も3年ルールとは異なるので注意しましょう。

5年ルールというのは、契約社員を主な対象として、勤務する期限があらかじめ設定されている勤務形態の人を対象としています。

ただ、ここには派遣社員、パートなども含まれる場合があります。こういった契約形態の人が、更新を繰り返して5年以上勤務し続けていた場合「無期労働契約」へと転換できる、という取り決めが5年ルールになります。

たとえば、1年更新を繰り返しているような場合「5回更新したら、無期労働契約に切り替わる」というわけです。

派遣社員の3年ルールと、契約社員の5年ルールの違いを曖昧にして勘違いしている人もいますので、しっかり区別しておきましょう

ここで、弊社取締役の発言で「正社員並みなので派遣期間の長期とは3年と考える」はどういった意味なのか・・・

今回の勉強会で情報共有をしっかりしておきたいと思います。

非正規雇用のメリット・デメリット

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今回、非正規雇用が希望で面接の申し込みがありました。
非正規雇用には正社員になりたい人達ばかりではなく、メリットを活かして働きたいって人も多いです。
ここで簡単にメリット・デメリットをお伝えしておきます。

メリット

■自分の都合に合わせて働ける
非正規雇用のメリットは、自分の都合に合わせたライフスタイルで働くことができることです。時短勤務や曜日限定、残業なしなど、契約内容とライフスタイルを比べて仕事を探し無理なく働くことができます。子育て中や介護中、将来の夢に向かって勉強中など、仕事より優先度の高いものがある人におすすめです。

また、非正規雇用は、副業禁止とされていないことが多いです。そのため、勤務時間以外にほかの仕事を持つこともできますし、開業準備などに充てることもできるでしょう。反対に、副業として非正規で働くことも可能です。

■ 職務範囲が明確
非正規雇用の職務範囲は、明確で限定的なことが多くなります。また、異動も基本的にありません。そのため、自分のスキルや好みの仕事を選んで働きやすくなります。また、正社員なら押し付けられがちなグレーな業務や雑用、他部署の応援などもありません。

■ 仕事の責任が軽い
非正規雇用の仕事の責任は、正社員よりも軽いことが多いものです。仕事に張り合いややりがいを求める人にはもの足りないですが、気楽にお金を稼げるという点がメリットに感じる人もいます。

子育てや介護、自分のための勉強などに重きを置いている場合、仕事はお金が稼げればいいと思うこともあるでしょう。難しい仕事に頭を悩ませるくらいなら、自分の生活を優先したいという人に非正規雇用は便利です。

ここが、企業側・働く側のギャップ問題になることも・・・

デメリット

■ 収入が低い・不安定
非正規雇用は、自由度が高く責任が軽い分、収入や雇用が不安定です。正社員のような安定の月給制、ボーナス・充実の福利厚生、退職金などがなく、正社員より仕事を失うリスクが高くなっています。また、正社員よりも収入が低く、手当なども限られていることがあります。

■ 職場での地位が低い
非正規雇用は、職場での地位が低くみられ、正社員と差を付けられることが多いものです。時には、正社員から偉そうにされて嫌な思いをすることもあるようです。正社員からの接し方は職場によりますが、職責や仕事の内容などが軽く、正社員の補佐的な存在として位置づけられることは珍しくありません。

■ キャリアアップしにくい
責任が軽い仕事や単純作業が多い非正規雇用は、キャリアアップもしにくくなります。昇給や昇進もないので、収入や地位が上がることもありません。同年代の正社員が昇進していくのを横目で見ながら同じ仕事を続けるのは辛いかもしれません。

企業側にもメリット・デメリットがありますが、人件費コスト削減や繁忙期・閑散期の人材調整が大きなメリットとして導入が進められております。
デメリットとしては人材育成に繋げれないことですが、人件費コストの比重が大きい業界から考えると、やはりデメリットよりメリットの方が大きく、これが社会問題の一つとなっております。

まとめ

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今回お伝えした通り、同一労働同一賃金と言われている世の中からすると、正規雇用労働者と非正規雇用労働者には明確な違いがないといけません。
弊社が今回採用活動を行っている内容は正規雇用労働者の職務内容となります。

「正社員でも派遣社員でもどちらでもいい、正社員並みに長期で働いてもらえる人。正社員並みなので派遣期間の長期とは3年と考える」

ここまでブログを読んでいただいた皆様は、このコメントがおかしなことを言っているな!とご理解いただけたかと思います。

勘違いや認識違いをしている方も多いかと思いますので、経営層や人事担当者の方を交えて一度情報共有してみてください。

最後に

後藤又兵衛

今回は、社内勉強として、「同一労働同一賃金」と「正規雇用労働者・非正規雇用労働者」について書かせていただきました。
経営的に考えると人件費コストは悩まされるポイントなので・・・
今度、語り合えたらと思いますので連絡ください(笑)

弊社は中小企業の新規事業開発支援・DX支援を行っております。
オープンイノベーションの相談や、デジタル化のご相談がございましたら、お問い合わせください。

ホームページ制作やITツールの活用(MAやRPA)等の支援なども行っております。

普段は、歴史、温泉、紅茶、読書なんかのブログを書いておりますが、今回はビジネス系となりますので、会社の宣伝させていただきました。
勝手気ままにブログを書いてる後藤純ですが、他のブログもよろしくお願いいたします(笑)

前職が人事担当だったので、久しぶりの採用活動で色々思い出すなと・・・
今回のブログを作成していて、我が子が将来どんな仕事をするのか楽しみになっております。
個人的には芸能界やお笑い芸人を目指して欲しいです。
まぁ我が子まだ1歳なんですけどね(笑)

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