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戦国時代のレモンサワー市場で勝負に出た「コカ・コーラ」の新商品開発を中小企業も見習おう!!

戦国時代と聞いて皆さんイメージされるのは?
織田信長や豊臣秀吉や徳川家康が戦った時代でしょうか?
それとも漫画やアニメで人気のキングダムの舞台である古代中国の春秋戦国時代でしょうか?

なんと!!

今まさに戦国時代真っただ中です。
それは「レモンサワー」!!!

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コロナ禍で宅飲み需要が増え、唐揚げ等のデリバリーやテイクアウトが増えたことにより、2~3年前から市場を活性化させていたレモンサワーが大ブームとなっております。

そこに飛び込んだ一つの企業。
それが、日本コカ・コーラです。

今回は、レモンサワー戦国時代の覇者の野望を抱く(であろう)日本コカ・コーラの新商品開発のポイントをお伝えし、皆さんの新商品開発の参考にしていただければと思います。

レモンサワー市場

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日刊工業新聞の情報によりますと
『缶チューハイや缶カクテルなどそのまま飲めるアルコール飲料「RTD」は、割安感などでビールからの流入が続き、ここ10年で市場が3・6倍に拡大。中でもレモンサワーは2018年あたりから市場拡大が顕著となり、各社、続々と新商品を投入。市場拡大が続く中、高付加価値やノンアルコールなど、商品のバリエーションがさらに広がり、いずれもヒットしている』
とのことで、正にレモンサワー戦国時代と言っても過言ではない状況です。

レモンサワー

レモンサワーの歴史
レモンサワーは1960年代に日本の居酒屋で生まれました。東京・中目黒の「もつ焼き ばん」が、レモンサワーを提供した元祖の店といわれています。
それ以前に営んでいた麻雀店で、客たちが飲んでいた焼酎の炭酸割りに、誰かがレモンを搾って入れたのがキッカケだそうです。
商売替えをして、もつ焼きに合う味だったことから人気になって広まっていったそうです。

店  名:ばん
住  所:東京都目黒区祐天寺2-8-17
電話番号:03-3792-3021
営業時間:16:00~23:00、土曜15:00~23:00、日曜15:00~22:00
休  み:不定休
予算/2,000円~ 個室/なし カード/不可

これを機にレモンサワーが世に広まっていくのですが、驚きの20年周期でブームがやってきます。
1960年代に誕生でブームが起こり、1980年代に再ブーム到来、2000年代に缶チューハイで市場が拡大し、2020年代、今まさにレモンサワー戦国時代で大ブームです。

歴史は繰り返される。

日本コカ・コーラが、どういう着眼点でここに目をつけたのか?
また、中小企業が参考にできることはあるか?
レモンサワーを片手に読んでみてください(笑)

日本コカ・コーラの戦略を参考にしてみましょう

檸檬堂

檸檬堂のHPに開発者インタビューが掲載されていますので、是非そちらもお読みください。

ターゲット市場選定
開発者インタビューの冒頭は、「居酒屋めぐり」からスタート。です。
なんと足で情報収集から始めるのは、できる人です(笑)
できる人は、データだけでなく、自分の経験による直感をアクセントとして分析することが多いです。
正に、まず「動くこと」が大切です。
データと睨めっこしていても、机上の空論となることは多々あります。

しかし、日本コカ・コーラだけでなく、世界のコカ・コーラ社の中でもアルコール飲料を手掛けるのは初めて
恐らく、前段の市場データは見ていることでしょう。
会社としてビジネス拡大する市場はどこか???で市場選定しております。
これは新市場に新商品となりますが、既存市場での技術が利用できる近い市場での選定となります。

ここがポイント!!

日本コカ・コーラが、宇宙市場でロケットを開発する。のとは成功の可能性が違うことは、おわかりいただけるかと思います。

中小企業の皆様も、まずは既存市場の上流・下流の市場や似ている市場を見ていくのが、新市場に新商品導入の成功のポイントとなります。

と言っている弊社ですが、中小企業製造業から新市場に新商品で、未知の市場挑戦でとんでもなく苦労した経験がございます(笑)

市場分析
ターゲット市場選定で「アルコール市場」となったところで、市場分析に入ります。
方法としては、市場のシェアが大きいところに新商品を導入する。小さいシェアのところに新商品を導入する。となりますが、傾向的に大手企業は大きいシェアのところを狙います。
これは、市場拡大を狙い、売上増を狙うのに理にかなっているからです。
企業は成長していかないといけないことを考えると、大手企業の企業成長度合いは大きくなくてはいけないからです。
しかし、中小企業はそこで勝負しなくてもいい場合もあります。
中小企業の企業成長は大手企業に比べて緩やかなので、小さいシェアを独占していくことで成り立つからです。

今回、日本コカ・コーラは、市場の3割を占める製品を見つけます。
それが「レモンサワー」です。

ここがポイント!!

えいやぁ~のどんぶり勘定で物事を決めるのではなく、しっかり分析を行うことが大切です。
分析苦手だぁ~と言われる方は、ITツールを利用したり、相談したりして、分析を行ってください。

情報収集
ここで「居酒屋めぐり」が活かされてきます。
健康志向とも相まって若年層にも好まれるレモンサワー、EXILE飲み会の代名詞はレモンサワーと言われるぐらい知名度高いです(笑)
最近では専門店がオープンしたり、素材や製法にこだわり1杯1,000円近くするものなど、さらなる進化を見せていることに気づきます。

「時代に合ったレモンサワー」は何か?

情報収集を行い、たどり着いたのが「前割りレモン製法」
丸ごとすりおろしたレモンとお酒をあらかじめ馴染ませる製法

居酒屋ではレモンが漬けられた瓶があり、それをすくって割って出す形式のお店が多かったこと
もう一つは「鹿児島の前割り焼酎」で、水割り焼酎を作り置きしておくと、まろやかな味わいになるというもの
この情報収集からヒントを得たのですが・・・

なんと!!ある居酒屋で教えてもらい、再現したそうです。

ここがポイント!!!

0→1で未知のモノを発想して試行錯誤するのではなく、今あるものを最大限に利用することが大切です。

よく新商品は、発想が降りてくるって思われますが違います。それも稀にありますが、「まずは模倣から」と言われるように、オリジナルを作るには、まず同じものができないといけません。
あと既存のモノ+既存のモノや既存のモノ×既存のモノで発想します。

この発想法でアイデア創出は、すぐに活用できるのでゲーム感覚で社内でやってみてください。

強みを活かす
日本コカ・コーラの強みと言えば?色々出てくると思いますが、今回の強みは「果汁飲料や炭酸飲料で培ったノウハウ」です。
アルコール市場に自社の強みの商品開発、そして市場分析・・・
出てくる答えが「レモンサワー」だったんですね。

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凄い人達・・・

ここがポイント!!

「自社の強み」

さて、中小企業でも強みを活かした商品開発ができます。
そうです。まずは「強みはなんですか?」に答えられることが大切です。
そこに気づいていない中小企業の方が多くおられます。
一度、自社分析を行ってみてください。

スモールスタート
最近の市場変化は早く、スピードが要求されます。
IT業界ではリーンスタートアップと言う方法が使われますが、今回の日本コカ・コーラのリリース方法が正にこれにあたります。

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まず九州地域限定で2018年5月からテスト販売。九州でテスト販売を行ったのは、焼酎の消費量が多い地域で売れるかどうかを試すためであったとされており、九州は従来よりチューハイがあまり飲まれない地域であったためです。
生産に関しても、山口県の日本果実工業が受託してのスモールスタートです。

ご存知のように大成功を収め、目標のおよそ2倍の販売量に達します。
スーパー等だけでなく、九州限定のお土産として空港や駅でも売られるようになりました。

こうした販売の好調さを受けて、コカ・コーラは2019年10月28日から全国販売。これに合わせて、コカ・コーラボトラーズジャパンの埼玉工場が酒類製造免許を取得し、自社生産にも乗り出すこととなります。

ここがポイント!!

大手企業の日本コカ・コーラ社も、スタートは外注を活用し、リスク低減やスピードアップを図っております。
社外資源の活用がポイントです。
最初からなんでも自社で行わないってことです。
新商品開発が全て成功するとは限りません、むしろ失敗の方が多いと言われております。しかしチャレンジしないと成功を掴めません。このジレンマを解消するために共闘することをお薦めします。

弊社は、新規事業はオープンイノベーションで、ITで新規事業は弊社のIT共創で、リスク低減やスピードアップで行うことを提言しております。

ここからマーケティングに続いていくのですが、今回はここまでとしておきます。
次回、機会がありましたら・・・

まとめ

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戦国時代のレモンサワー市場に挑戦した日本コカ・コーラ社は勝算ありとしたことがおわかりいただけたでしょうか。また、新市場に新商品導入のポイントもお伝えさせていただきました。中小企業の皆様が、新商品開発を行うヒントになればと思います。

ビール市場では、キリンビール一強時代にアサヒ「スーパードライ」が衝撃の市場獲得をしたように、レモンサワー戦国時代の覇者コカ・コーラ「檸檬堂」の時代がやってくるかもしれませんね。

今宵は、何種類かのレモンサワーを味わって、戦国時代の雰囲気を感じてみたいと思います(笑)

最後に

後藤又兵衛

今回は、ビジネス的なお話をさせていただきました。
本業は中小企業の新規事業開発支援・DX支援を行っております。
オープンイノベーションの相談や、デジタル化のご相談がございましたら、お問い合わせください。

ホームページ制作やITツールの活用(MAやRPA)等の支援なども行っております。

普段は、歴史、温泉、紅茶、読書なんかのブログを書いておりますが、今回はビジネス系となりますので、会社の宣伝させていただきました。
勝手気ままにブログを書いてる後藤純ですが、他のブログもよろしくお願いいたします(笑)

今回、熱く日本コカ・コーラについて語りましたが、お金は一切もらっておりません(笑)
個人投資として日本コカ・コーラの株を所有しているので、人気が出ればラッキーですけど(笑)

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