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好きな映画の話

もう何年も観ていないが
フラットライナーズというアメリカ映画がある。
若かりし日のケビン・ベーコンやキーファー・サザーランド、ジュリア・ロバーツをはじめとするキャストは豪華を極め作品の持つエンターテイメント性とメッセージ性の両側から僕は大好きだった。
人が生き、深層心理のどこかで忘れる事の出来なかった己の罪、悔恨を見つめ直す事が人生の最後に立ちはだかる、そんなテーマだった。
臨死体験をきっかけにこの世ともあの世ともつかない不思議な世界に迷い込み、そこで過去の遺恨と向き合わねばならない。
中々ヘビーな内容だがこの登場人物たちがそれぞれ迷い込む世界の演出がとても好きだ。
幻想的で恐ろしくもあり、また美しく時に爽快感すら覚える。調べたら1990年の公開作品だった。
ずっと近年、リメイク版も出来たらしいが観てはいない。
27、8までは本当に沢山の映画を観ていた。
劇場にもよく行ったがレンタルビデオで新旧のあらゆるジャンルからとりあえず観ていた。
アメリカ映画に限らずフランス、ヨーロッパ映画、邦画にはまった時期もあった。
音楽がやはり好きなので様々なサントラ盤も買って良く聴いていた。
フランス映画は高校生の頃知り合ったフランス人の子と仲良くなりたくてフランス語を勉強していた頃
その一環として見始めた。
それまで圧倒的に沢山みていたアメリカ映画との質感の差、抽象的だったり刹那的だったり。
ずっと経ってから見始めた邦画にも共通するような深さが当時の自分には新しかった。
アメリカ映画ではトムハンクスとかメグライアンとかいわゆるロマンティックコメディが大好きだったがフランス映画ではもう少しシリアスな感じのものが好きだった。
ベティブルーはその中でも世界観もストーリー、キャスト、そして音楽と全てが衝撃的な作品だった。
儚く、残酷、でも美しい。
僕がチリコンカンを偏愛するのもあの映画の影響もあるかも知れない笑
サントラももちろん持っていたし中にはチリコンカンという曲もある。
ベティブルーのサントラを担当した作曲家、
ガブリエル・ヤレッド(ヤール)。
その後中国人青年とフランス人少女の物語、
愛人-ラマンのサントラも作曲した。
ラマンのテーマ曲も素晴らしいがやはり
ベティブルーの楽曲こそこの人の代表作かと思う。

坂本龍一さんがきっかけでベルトルッチの映画もいくつか観た。1900年はかのモリコーネが音楽を書いた。若き日のデニーロ、ドパルデューが共演していてイタリア語だった気がするが吹き替えだったのかは忘れた。
しかしベルトルッチの映画で1番好きなのは
シェルタリングスカイ。
マルコビッチとデボラウィンガー、というキャスト、何とも絶望感、というか人生観を揺らす内容だった。音楽は坂本龍一。最高に素晴らしい。
不安になるほど知らない文化、国、人々に対しての
畏れと憧れ。観終わって感じる旅への衝動と共に今の人生、生活を手放せる様な解放感、むしろ諦めの様な気分。不思議な名作だった。

オハイオの高校時代、毎週の様に映画館で新作を観た。夕方5時位までの上映をマチネーといい当時4ドル位で観れた。

30歳で日本に帰ってから映画は余りに高く滅多に劇場に行かなくなってしまった。
子どもたちが成長し、彼らが観たい映画に連れて行く事になって再び映画館に足を運ぶ様になった。
その合間に何回か、本当に数えるほどだがひとりで
映画を観た。それらは悲しいかな、ほぼ全て今ひとつであった。
レンタルDVDもよく利用した。
忙しくなるにつれレンタルしてもあっという間に1週間が経ちまだ再生すらしてないまま返却することが続き、いつの間にか利用しなくなってしまった。
今はサブスクで新旧の作品を割と頻繁に観る様になったが3日かけて一本を最後まで観切る、そんな具合。
新しい作品にももちろん興味はあるが
歳を重ねるにつれ僕の場合は段々と昔観た作品を繰り返して観ることが増えました。
それだけ好きなのも事実だがやはり新しいものを取り入れる、という事は年々億劫になるのかも知れない。


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