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最近のUK音楽シーン気になったことまとめ(2021年2月第2週~4週目編)

抱えていた仕事の締め切りが重なったり、ネット生まれのロシアのクソやば音楽ジャンル「ロシアン・ハードベース」沼にハマったりで過処分時間を有効活用するため & 個人的忘備録として始めたこの記事プレイリストですが、2回目にしてその可処分時間が全くなくなってしまったので公開が遅れました。

というわけでJun Fukunagaによる「先週のUK音楽シーン気になったことまとめ」第2回目は「2月第2週~4週目」に自分が見知った事柄のうち、特に気になったものを2週分まとめてピックアップします。

“Prince of Northampton" Slowthai、待望の2ndアルバム『TYRON』リリース

今、UKで最も注目を集めるラッパー、Slowthaiが待望の2ndアルバム『TYRON』を2月12日にリリースしました。同作にはSkepta、A$AP Rocky、Dominic Fike、Denzel Curry、James Blake、Mount Kimbieらなど多様なゲスト参加。

話題のアルバムだっただけにUKチャートでは順当に1位を獲得。来月は、客演したDisclosure「My High」もノミネートされたグラミー賞受賞式も控えるだけにその結果も気になるところです。

Slowthai『TYRON』に関しては収録曲のうち、「CANCELLED feat.Skepta」と「push (feat. Deb Never)」のレビューも書いてみました。

Dua Lipa、大ヒットアルバム『Future Nostalgia』のデラックス盤リリース

昨年リリースした『Future Nostalgia』が大ヒット。さらにはそのクラブリミックスアルバム『Club Future Nostalgia』での通すぎるリミキサー陣起用でも注目を集めた"次世代ポップクイーン"ことDua Lipaが、『Future Nostalgia』のデラックス盤となる『Future Nostalgia (The Moonlight Edition)』をリリースしました。

新曲「We’re Good」や3曲の未発表曲「If It Ain’t Me」、「That Kind of Women’」、「Not My Problem (feat. JID)」に加え、全世界で2500万再生回数を突破しているMiley Cyrusとの楽曲「Prisoner」、ベルギー出身の人気シンガーAngèleとの楽曲「Fever」、5000万再生回数を誇るJ Balvin、Bad Bunnyとの楽曲「UN DIA (ONE DAY) (Feat. Tainy)」を追加収録。昨年行われた配信ライブ「Studio 2054」を視聴した人であれば、そこにゲストと出演した、Miley Cyrus、Angèle、J Balvinらとコラボ曲は改めてチェックしておきたいところ。『Club Future Nostalgia』「Studio 2054」に関しては以前、レビューも書いています。この機会にそちらもあわせてどうぞ。

Boiler Roomが10日間のデジタルフェス「SYSTEMRESTART.TV」を無料配信

昨年のパンデミック発生以降、加速する配信ライブ文化。その草分けであるBoiler Roomが、10日間のデジタルフェス「SYSTEMRESTART.TV」を無料配信しました。

仕事柄、昨年は結構な数の配信ライブを視聴してきたのですが、今年は、昨年確立された体験設計やマネタイズの方法論を活用して、「バーチャル空間で展開される"自宅で観るフェス"をいかにしてフェスたらしめるか?」をコンセプトにしたものが増えていきそうな気がしています。

この記事では、昨年末から現段階までの間に行われたフェスのうち、それに合致しそうなものも少しばかり触れさせていただきました(そのうちのひとつ、「MUSO Culture Festival 2021」のレビューはこちら

「SYSTEMRESTART.TV」は、現在、特設サイト及びBoiler RoomのYouTubeチャンネルでアーカイヴが配信中です。

イギリス政府関係者が英国内でのクラブやフェスの再開は早くても今年9月以降になる見通しを示す

パンデミックにより、ほぼ死に体となってしまったUKのライブエンタメシーン。昨年の夏は、一時、ソーシャルディスタンスを確保したライブベニューのオープンも注目を集めたものの、その後の新型コロナ第二波により、それも姿を消すことに。

そして、昨年末の変異株により、状況はさらに悪化していたわけですが、今月、ボリス・ジョンソン首相がそれまで名前を挙げることがなかった"ナイトクラブ"について言及したことが話題になりました。

その際にはイギリス全土でワクチン接種の拡大と迅速抗原検査により、映画館、飲食店、ギャラリー、パブやバー、そして、ナイトクラブなどの文化施設の営業再開が近いうちに可能になるとの見解も示されましたが、翌日くらいには状況が一転。別の政府関係者であるコロナワクチン配備担当大臣は、ナイトライフ産業再開が今年9月以降になるという見解を示したことで、なんだか状況は天国から地獄に逆戻りしたような感じになってしまいました。

しかし、イギリス政府は2月22日に同国のロックダウンによる規制を緩和し、安全に経済活動を再開するための政府による「ロードマップ」を発表。それによるとイギリス全土のナイトクラブは、6月21日より営業再開できる可能性があり、これが業界に希望を与える結果になりました(もちろん諸条件があり、再び感染拡大した場合は状況も変わってくるとは思いますが)。

Sexy Zone、新曲でまさかのUKガラージを取り入れ、大きな話題に

ジャニーズアイドルグループのSexy Zoneが新曲「RIGHT NEXT TO YOU」をリリースを控えるアルバムの先行曲としてYouTubeで公開。それがまさかのUKガラージだったことに既存ファンだけでなく、音楽ファンが反応。大バズりするという結果に。

ジャニーズアイドルが、世界進出の武器としてUKガラージを選んだことが色々衝撃的すぎたためか、その直後から音楽メディアはもちろんのこと、YouTuberやブロガーが次々に考察合戦を繰り返したことは印象的でした。

曲自体はかっこいい出来だったし、飛び道具としてはワンチャンあると思います。ただ正直なところ、グライムリバイバルも落ち着き、トレンドがUKドリルに移った今のUKでもそれが最新かと言われれば個人的には?が付きます。しかし、今は、TikTokなどで公開されるUGC動画によって、以前とは比較にならないくらいワンチャンが起こりやすい時代。そういった部分を含めて個人的に考察してみました。

また、「RIGHT NEXT TO YOU」が話題になったタイミングでUKガラージのレジェンドであるCraig Davidを特集する番組がBBCで放送されるという奇跡的な出来事も。そんなことを先述のコラムのこぼれ話として書いてみました。

ダブステップの伝説「Skream & Benga」、2021年中に復活か!?

先述のとおり、UKのクラブシーン再始動の一応の目処が立ったことも関係があるのかどうかはわかりませんが今週はこんなこともありました。

"ダブステップのパイオニア"の1人として知られるも近年はめっきりダブステップ離れしていたSkreamが、"でっくん..."や"縦書き"ばりに同じく"ダブステップのパイオニア"のBengaとのタッグ、「Skream & Benga」の復活を"匂わせ"、もとい示唆するツイートをしていました。

Benga自体もそれにリプライしたり、まんざらでもない感じだったり、Skreamが"Skream & Benga"の新曲のリファレンス曲を挙げていたりと何やら復活が実現しそうな予感がしなくもないこの展開。ダブステップヘッズは、今後、彼らの動向を注意深く見守るべし!

Aphex Twinが新たな未発表ドリルンベース曲「boxenergy4remix1」を公開

Aphex Twinが新たな未発表ドリルンベース曲「boxenergy4remix1」を"彼のものとされるSoundCloudのアカウント"で公開していました。といっても、公開自体は先月のことで、今更気がついたという話です。

ただ、SoundCloudには昨年11月になりすまし防止のための認証バッジ機能が実装されたのですが、Aphex Twinもすでに例のアカウント「user18081971」をなりすまし対策として認証申請していたことがわかり、そういうの気にしなさそうなのに案外しっかりしてるんだなと思いました。

最後に。
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追記:
最近のUK音楽シーン気になったことまとめでピックアップした記事と関連した曲を集めたプレイリストを作成しました。今後、まとめとともにこちらも更新していきます。



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