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学生の頃の自分を思い出して

大学生の頃、靴屋さんでアルバイトしていたことがありました。

展示してある靴を見て
だいたいは「これの○○センチをお願いします」と言われて
それを店頭に持ってくるのが、仕事です。

ある日、年配の女性が靴を探していて

注文されたとおりに、奥から持ってきて
履いてもらって「もう少し小さいモノ」

奥から持ってきて
履いてもらって「もう少し横幅が広いモノ」…と

注文通りに、いろいろ持ってきましたが

どうも、しっくりするものがなかったようで
「中敷き敷いてみますか?」など…

本当にいろいろ試してみました。
でも、うちの店にはなかったんです。

私は、アルバイトだったので
別にノルマや目標数字があるわけではなく
無理やり買ってもらおうとまで、すすめませんでしたし

もし、仮に買わなかったとしても
走り回ったのに…くらいは思いますが
好きなモノがなければ、買わなくていいと思っていました。

そして、どう見ても
その女性が気に入っていない靴だったのですが

「たくさん出してきてくれて悪いから、これをいただくわ」

と買ってくれました。

学生だった私は
「そんなことで、ほしくもない靴にお金を使っていいのか」
と、申し訳なく思いました。
強く思ったので、今でも覚えています。

アルバイトだし、仕事だしという気持ちでしたが
相手には、それ以上のものとして届いていたんだろうと思います。
逆に、今、同じような場面があれば
断りにくい、と言うのではなく
今の私も、何かを買ってしまうと思います。

私は、お金をたくさん持っている訳でなないですが
最近は、このお店で、あるいは、この人に
お金を使ってあげたい、と感じることが多くなりました。

これは、歳を重ねたせいなのか
いろいろな知識が入ったから、なのかは
わからないです。
でも、なにかが変わってきたのは確かですね。

私は今、サラリーマンなので
そういう場面は、モノを買う程度しかないですが
起業している方々は、もしかしたら
日常が、そういったものの連続かも知れないですね。
そう思うと、すごく周りの人との距離を近く感じます。

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