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【備忘録】俺の屍を越えていけ

「俺の屍を越えていけ」
作:畑澤聖悟(渡辺源四郎商店)  
演出:山田清顕
[会場] 人宿町やどりぎ座
[日程]4/16(土) 14:00~/18:00~ 
          4/17(日) 14:00~/18:00~ 
★開場は開演の15分前
★完全予約制のため当日券はありません
[料金] 一般 2000 円 U25 1000 円応援 3000 円

わたしは4月17日18:00回を観劇。
パワー溢れてましたね。面白かった。
今回記憶がめちゃくちゃフレッシュなので、めちゃくちゃ長文です。しかも殴り書きで見出しがついてないので、全部読むと疲れるかも……。
よろしければ最後まで御付き合いください〜🦒💨💨

原作というか元の脚本を恥ずかしながら存じ上げず、どう潤色されていたのか分からなかったのが悔しいところ。いや、潤色された脚本家さんがわたしより何枚も上手だということ。

俳優の皆さん、お若いのよね。
パンフレットのお名前順に感想をば。

本庄役:古澤健太さん
味があるなぁ。最近あんまり中部の界隈では見なかったタイプの俳優さん。本庄の掴み所のなさと、秘めたる熱い思いの押し殺し方が抜群に良かった。
惜しむらくは、カンカンの飲み物、せっかくプシッと開けているのに、中身が空っぽなのがめちゃくちゃ分かりやすい取り扱い方(重さの表現とか)だったこと。具象で物があるときにも、マイムが丁寧になると無敵なのでは。

東根役:東海林晃介さん
こういう人いるよね〜。っていう空気作るの上手いな。あと、声、いい。聞き取りやすい音域なので、感情的になったセリフも、言葉が一つ一つ拾えるから、なぜ感情的になったか聞き漏らすことがなく、快適に芝居に集中できました。
実年齢を存じ上げないんだけど、背中での演技が背広のサイズ感のせいかちょっと物足りなさアリ。29歳、営業ってことは、普段から背広で仕事してるはずだよね。そこらへんのリアリティかなぁ。

郡山役:松宮可奈さん
恐いオネエサンでした。あ、褒め言葉です。程よい感じ悪さ(笑)周りから嫌われることも多いだろうけど、ハッキリものを言うから慕われることも多いだろうなって感じの郡山っていう役に見えました。あと、テレビのアナウンサーっていう設定にめちゃくちゃ説得力あって、松宮さんの所作全てが洗練されていて、これを常に役としてステージに在り続けたのが良かった。ブラーバ!足の所作がとくに好きでした。らぶ。

松島役:荒井日菜子さん
キャピるんだった。可愛いけど、裏表あるタイプの女子。調子いい奴だなぁ。みたいな。荒井さんとは某企画でご一緒しそびれたので、めちゃくちゃ観てやろう!という前のめりな観劇をしました(笑)松島の軽妙さと、ムーブメントのシャープさの対比がとても良かったので、あとは体幹トレ頑張って欲しいなぁ。

北上役:小林玲音さん
めちゃくちゃ好青年ね。すごく人の良さそうな北上。嘘をつけないタイプかと思いきや、嘘はつかないけど全部も言わないタイプだったか。騙されたわ(笑)
ムーブメントでの体幹が素晴らしくて、ダンスもとめがしっかり決まってるのでめちゃくちゃかっこよかった。長い手足を持て余してない。ちゃんと使いこなしてる。うちの小林に見習わせたい。

三沢役:橋本悠菜さん
可愛い〜。みんなの妹って感じの三沢役、似合う。目の表現がすごく良くて、見開いたり、顰めたり、俯いたり、顔の角度が絶妙なのか、照明の光が目にちゃんと落ちてて、キラキラして見えるの、天才か。
Twitterでしぞーかでの最後の舞台としり、もっと早くから知りたかったなぁ、などと思いました。

さて、ここからは演出的な視点や全体的な感想をば。

ダンスとムーブメントを織り交ぜて、会話劇をテンポよく展開させていくのは、以前拝見したストレイさんの作品にもあった手法なので、これがストレイさんのやり方なんだろうな。メリハリがつくし、ストーリーの補強にもなるし、凄く面白いやり方だけど、凄く難しいなぁ。というところ。
今回で言えば、振り自体は素晴らしいし、作品(脚本)にも空気感(シーンのテンション)にも良い効果を発揮していたのだけれど、演じている俳優の実力にはあっていなかった印象。ダンスとか振り付け的なものって、音感リズム感云々以前に、【それを成し得る身体】を作っているかどうかってのがデカいと思うのね。とくに、スローとかストップモーションとか体幹がしっかりしてなきゃ見てて心配になる。ぐらつきとか、震えとか、『演じている役柄』とは全く関係ない『俳優の筋力不足』とかが見えちゃって残念。難易度を俳優たちに合わせた振りを入れた方が、より効果的に【芝居パート】と【ムーブメントパート】のメリハリ付けられた気がして……。

これは、俳優さんたちの上手い下手とかじゃないんで悪しからず。演出家さんや振付師さん側の判断だしね。基礎の筋トレや体幹トレーニングは、日々の積み重ねなので、この上演のために急ピッチで身につけるようなものでも無いので。こういう演目が好きで、出たい!って思う俳優さんは、いつ呼ばれてもいいような身体作りを意識していくと良いのでは。(偉そうなこと言ってますが、わたしは筋力も体幹もグダグダです……ダンス?無理ですね。振りも中々おぼえられませんし……)

あと、演出視点で気になったのが間合いの取り方。分かんないけど、セリフが飛んだとかそういう感じじゃない(飽くまでもわたしの印象)間合いで意外とたっぷり時間使ってて、ムービングやダンスのシャープさや芝居のセリフの速度感を殺してるところが何ヶ所かあって、勿体無いなぁの気持ち。もちろんこれは好みの問題なので、その間合いがサイコーって方もたくさんいると思う。

あ、あと15年後っていうの、なんか、俳優さんたちに説得力がなくて……。いや、これも俳優さんの演じ方っていうよりは、衣装や立ち位置、喋る速度感が気になるってやーつ。そもそも、15年後って最年長キャラでも40半ばくらいでしょ?そんなリストラにして良いことある年齢かな?管理職っていうか中間管理職では?あ、もしやここが潤色パート?なんて思ったり。もっと分かりやすく年齢感や役職感出して行けたら、あのエンディングに説得力が増すと思う。

めちゃくちゃ文句言ってるように聞こえるよね。すみません。文句じゃないの。めちゃくちゃ面白かったし、良かったから、細かいところが気になっちゃうの。許して。本当に楽しかったから。楽しんで観てきたから。

最後ね、小劇場で具象の小道具つかうなら、ちゃんと、文字を、書き込んでください。
ハガキ、本物のハガキつかってましたよね?宛名も通信面も白紙なの、すごく気になります。
クリップボードに挟まれた三沢ちゃんの考えた原稿の素案も白紙、名前を書き込んだ紙も白紙&同じ紙を使い回し。
白紙をつかうなら、客席から中が見えない角度で扱うとか、そういう風にしたらこんなに気にならなかったと思うのよ。見えるように……ともすれば見せるように白紙を扱っていたのが気になって……。

芝居の神様は細部に宿る。
といいますし、嘘を本当にするのがお芝居です。
嘘をあけすけに見せるなら、それが本当に感じるような演技や演出をつけなければ、嘘が嘘のまましらけちゃうこともなくはないのです。

あ、3000文字超えたな。
すみません、後半かなり言いたい放題書きましたが、1番伝えたいのは

めちゃくちゃ面白かったよ!次回公演も絶対見に行くぜ!

ということです。
全4回、みなさまお疲れ様でした!

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