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【エッセイ】バリバリとカンカンによるアウフヘーベン。つまりは自分を許すこと。

 どうも、おはこんにちばんは。じゅんちちです。

 気がつけば12月になって、今年も最後の一月となりましたね。みなさん、やり残したことはありますか?今年の最初にたてた目標はどれくらい達成できましたか?

 ちなみに僕はやり残したことだらけだし、今年の最初にたてた目標はすでに思い出すことすらできません。

 そんなものですよね。あまり気負いすぎずに、無理なく、だけども後悔しないように今月を過ごしていきましょう。


 そんな慌ただしく過ぎていく毎日の中で、前の記事を書いてから少し時間が経ってしまいましたね。

 どうしても公募用小説やnote創作大賞に出す短編を書くのに限られた時間を使いたくて、エッセイを書けずにいました。

 この前の夢の記事があまりスキ数とかコメントとか読者からの反応がなくて悲しかったからではないですよ。
 自分としては面白く書けた、なんならいつもの記事より好きと思ってたのに反応がなくて悲しかったからではないですよ!


 どれだけ小説に専念しようと思ったとしても、noteでエッセイを書くことも自分にとって意味があるから書き始めたわけで、そこらへんの僕にとってのエッセイを書く意味は今度まとめてみたいと思います。

 あと、掌編も書いていて、これは完成したら記事としてアップしたいんですけど、どんなに短くてもやはり数日はかかります。


 今日は僕が髪を切った話をひとつ。

 前にも書いたことがあると思うけど、僕は美容室に行くのが苦手です。
 半年に一回しか会わない程度の仲の美容師さんと打ち解けた感じで話すのが苦手とか、お洒落ボーイを気取った感じの自分自身が恥ずかしくて吐き気がする自意識過剰さとか、事前に予約を取ることでその日の行動を制限されてしまうことの窮屈さとか、理由はいろいろあります。

 それで今回も夏の終わり頃の庭みたいに、伸び放題の髪になったんです。手入れされていない庭のプルーンバーコのようにもっさりと膨らんでボリューミー、かつ、サルビアのように長く伸びまくってたんです。半年間切ってなかったので当然の話なんだけど。

 そろそろ切らないとな、と思い始めて1ヶ月が過ぎてうんざりし始めたんだけど、忙しさを理由にして美容室には予約を入れる気がしない。
 でも切りたい。さっぱりしたい。

 この相反する矛盾した気持ちをなんとかしたい。
 そもそも人は生きている限り、いろんな矛盾を抱える生き物です。
 死に向かって生きている、という言い方をするならば、僕たちのこの生もまた矛盾的なのです。

 髪を切りたい、けど、切ってもらいたくない。ヘーゲル風に言えば、テーゼとアンチテーゼです。この2つの対立する命題をジンテーゼとしてアウフヘーベンしないといけない。
 すみません、アウフヘーベンが言いたかっただけです。自分でもよく意味がわからない。
 アウフヘーベン、すごく響きが良い。なんだか可愛らしさと美しさを兼ね備えた女性みたいで、ほのかにエロティックな響きもある。ああ、アウフヘーベン。


 そんな悩みを抱えていた僕はあることを思い出しました。
 僕にはスーパーアイテムがある。スーパーアイテムって言い方がなんかダサくて恥ずかしいんだけど、スーパーファミコン感があって使ってみました。

 それは、バリカンです。バリバリのカンカンです。こう書くとめっちゃ怒ってる人みたいな響きで敬遠したくなるけど、バリカンはすごく便利です。

 今って、バリカンにいろんな長さに調節できるアタッチメントが付いているんですね。毛量調整が出来るアタッチメントもあるし。

 会社で異動して新しい職場に初めて行く日とか、旅行に行って写真をいっぱい撮る予定の時とか、髪を切らないといけないのに切ってなかった時の応急措置用に持っているんです。

 自分自身のだらしなさは痛いほどわかってますからね、リスクマネジメントってやつです。


 こんな僕なので、そのバリカンもすでに3回ほど使ったことがあります。もちろん後ろとかサイドとかは家族に手伝ってもらって。

 今回もこれでいこう! と決めました。そして、今までで一番短くしちゃおう! と思いました。

 これまでの3回は7センチアタッチメントを使用していたところを、今回は最も長いところで5センチ。
 さらに言えば基本は3センチ。3センチと言えば、女性のヒールで言えばローヒールです。それくらいの長さ、というか短さ。竹原ピストルが歌っちゃうような短さです。

 多分、僕の人生史上で最も髪が短いです。だいたい僕は髪が長い。
 もちろん切りに行くのが嫌で伸ばしてるのもあるけど、切ったばかりの時でも男性としてはわりと長めです。
 それは、自分の顔の中で目がコンプレックスで隠したいのと、額が広くて隠したいからでした。
 まぁ、僕なんてのはコンプレックスの塊みたいな人間ですから、なんなら着ぐるみ被って生活したいくらいですけどね。うさぎの着ぐるみがいいな。それでかわいい女の子たちに抱きついてもらうんだ。

 そんなコンプレックスも、30歳を過ぎるとわりとどうでもよくなってきましてね。
 結局のところ、僕は僕として生きないといけないし、僕がこの身体や心を放棄したら僕自身の魂を放棄することになるわけですからね。

 それで深夜1時に家族に手伝ってもらってバリカンで切りました。
 いやあ、すっきりしましたね。真夏に屋外で運動した後に熱いシャワーを浴びて冷房の効いた部屋に入るくらいすっきりしました。
 そして軽いです。今まで頭に鉄の輪っかでも嵌めていたのか? ってくらい軽くなりました。首を鍛えていたわけでもないのに、重くしてたんですね、僕は。


 そんなわけで気持ちの良い日々を過ごしております。

 きっと今抱えている悩みやコンプレックスも、いつかどうでもいいと思える日が来るかもしれない。それは自分自身を許してあげることに繋がる気がします。
 つまらないこだわりを捨てて身軽に生きていこうと思いました。もちろん、自分にとって重要な部分(僕で言えば小説)には強いこだわりを持ち続けますけどね。


 それでは、また。

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