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純木家具(盛岡店)徒然4 「オーダー家具ってなんなのよ?」編

じぶんでつくる面白さ「食器棚」

「この食器棚すごく気に入ってるのよ、だけど幅がどうしてもね…」
以前より純木家具製品を使っていただいているお客様が、2日続けて来店され、心底悔しそうに話されました。
引っ越した際、慌ただしさのなか購入した既製品の食器棚がどうも気に合わないというお話は、お会いする度にお聞きしていました。
そして、盛岡店で展示している食器棚を気に入って頂いているということも…。
『○○さん、オーダーでつくりませんか?』とご提案すると、「オーダーだと割高になるでしょ?」とお客様。
『いやいや!パーツ数やサイズ、仕様によって変わりますが、場合によっては展示品よりお安くなることもありますよ』と某CMのようなやり取りをした後、オーダーで製作注文を頂くことに。
展示品の型をベースに、お客様のご要望をお聞きしながら、お客様だけの食器棚をつくっていきます。
お客様のご要望は、
①下の抽斗を変更して、棚を増やしたい(まだ物置にしまったままのお皿と鍋を収納したい)
②ガラス扉は、棚の中がはっきり見えないといいな(見えすぎず、うっすら中が見えるくもりガラスのようなイメージ)
③整理箱(上部の木箱)は漆で仕上げる(現在ご使用頂いている家具にあわせる)
以上、3点でした。
次は、現在お使いの家具の高さや奥行き、幅などをお聞きして製作するサイズを決めていきます。(このときは実際に採寸に伺いました)
サイズが決まれば、あとはお見積もりです。
ご注文頂いた食器棚は、整理箱の漆仕上げを除き展示品と比べてプライスダウンとなりました(幅を詰め下部の抽斗をやめる等々により)。
「オーダー」というと、1からはじめる印象がありますが、展示品を見ながら、自分の好みに合わせて仕様をこだわりながら変えていくこともオーダーの1つの形ではないでしょうか。
商品写真等詳細は、本社HPをご覧ください。https://www.junbokukagu.co.jp/blog/others/202307125677

盛岡店、あれやこれや

豊富な過去の作例や、展示品をモデルに幅や高さ、棚段数などをカスタマイズしていく「オーダー」をご紹介しました。
食器棚をご注文頂いたお客様のように、はっきりと自分が欲しいもの(~に使う○○が欲しい)が決まっている場合もありますが、「欲しい家具のイメージはなんとなくあるけど…」というお客様もいらっしゃいます。
では、イメージから『こんな家具あったらいいな!』を実現する場合に純木家具はどのようなご提案をするでしょうか?
まずは、お客様のお話をじっくり伺います。ご要望を聞きながら、疑問に答え、設置する場所や構造を考えながら具体的なかたちを探していきます。
その後図面を作成し、本社と打ち合わせを行いお客様へご提案します。
ここで終わりではありません!図面を見て頂きながら、再度お客様のご要望を伺い微調整(棚の増減や、樹種・仕上げの変更など。時には構造の追加、変更を行うことも)を行った後、最終的なお見積もりをお渡し。ご納得頂いた上で、職人が最適な木材を選び出し製作がスタートします。
ご自宅に家具を置くお客様はもちろん、店舗用カウンターや家具をお探しのお客様からのご相談もお待ちしております。

材木町(盛岡) よもやま話

暑さにやられて、あちこち出掛けていない(ネタ不足)ということもありますが、オーダー製作についてご紹介しました。
冒頭のおはなし「なぜ細々覚えているか」と申しますと、私が担当し初めて図面を書いて、完成した食器棚をお届けしたお客様だからです。
通常オーダー製作の場合、盛岡店の店長(兼デザイナー)が図面を担当しますが、今回はモデル(展示品は社長デザイン)があるので私がそのまま図面を任せられることに。
お手本があるとは言え、初めての大仕事にてんやわんやで見積もりが遅れました。パーツひとつ決めるのにも考え込んでしまう私。特に、ガラス扉に使うフィルムは初めて当社の製品に採用することもあり、他社との連絡も含めかなり苦戦し時間がかかったパーツでした。(ガラス屋のご主人、その節は大変お世話になりました。)
今になって思い返すと気負い以上に、初仕事を自分の力だけでやり遂げたいという(入社時に店長より過去の事例をアレンジした練習問題が多く出されていたことから)過信があったように思います。
※はじめて大役を任された社会人同志の皆さま、5分考えて分からないことは上司に相談しましょう!!(自分への戒めをこめて)
その時は任せていただいたお客様の為に、あれこれ悩みながらも「頼んでよかった」と思ってもらえるようにとにかく必死でした。
なんとか図面を仕上げ、店長にOKをもらいお客様のお宅へ。見積もりと図面をみて一言二言確認した後「うん」と頷き、「じゃ、これで!」とお客様。その後の和やかなお話はすべて忘れてしまいました。
しかし、解放されたかに見えた私の緊張は、製作段階を経て、漆が乾き納品日程が近づくにつれて大きくなることに…
納品当日、「自分にできることは全てやった」と思う反面、「サイズ感やフィルムを含めた出来上がりがイメージと違うと○○さんが感じたらどうしよう」という何とも言えない感情も強くあったように思います。
呼び鈴を鳴らし、搬入し梱包をひらく。既成の食器棚は片づけられており、空いたスペースに設置する…
お客様が食器棚の前に立ち、扉を開けて、整理箱を見て、「良い! 気に入った!!」と私の目をグッと見て言われました。思わず、両手を挙げて(万歳のポーズ)喜ぶ私。
「棚に仕舞いたいものがたくさんあって、出来上がるのを待ってたのよ」というお客様の言葉が沁み、お客様宅からお店に戻る道中、図面を書き出来上がった製品を納めるおもしろさと責任。今まで味わったことがない達成感を、ひとり車内で噛み締めたことを覚えています。
お客様の『良い!』は、もちろん製作を担当した本社の職人さんの仕事へ送られたメッセージですが、実際に言葉を受け取るのは納品する盛岡店スタッフです。
純木家具では、岩手県内で有れば本社もしくは盛岡店のスタッフが直接お届けします。
入社前に私は、自社で納品していることを知り「なんと非効率な…」と思いました。
ですが、今では「納品」は私の一番好きな業務になりました。
梱包を開き、製品を見て頂く瞬間、お客様の「ようやく届いた」という表情のあと、製品に触れ、座り、眺める満足そうで少し誇らしげにほほ笑む表情は何度見ても良いものです。
納品後、お客様とすこしお話しをして帰ります。常連のお客様には、以前からの思い出や私が知らない純木家具とお客様の歴史(ときには「純木さん、林太郎くん(社長)に喋っておいて!!」と苦笑いでお聞きすることも)、はじめてご注文されたお客様から「ずっと欲しくて〇年越しで買いました」やきっかけとなったご家族とのエピソードなど伺うとこちらも嬉しくなってしまいます。
お客様の何気ないふとした一言に「これはずっと忘れないでいよう」と思ったり、自分が家族を持ったときにしてあげようと思ったり…
なにより、お客様の「良い!」や「ありがとう」を直接聞くことができるのは何より嬉しいことであり、実際に純木家具製品を使っているお客様の感想は一番勉強になります。
今、私はできることなら全てのご注文品を直接お届けしたいとまで思っています。
最後はオーダー製作から話が外れてしまいましたが、スタッフ側からみたご注文(お届けまで)に対する思いを書きました。
少しでもご興味持たれる方がいらっしゃいましたら、とても嬉しいです。

以上、今年も夏らしいことを一切せず秋を迎えそうな盛岡店スタッフがお届けしました。
盛岡店の情報や商品説明、材木町や盛岡のあれこれを不定期でご紹介しています。
LINE(https://lin.ee/7pHzuZi)ではお問い合わせに対応しています。
こちらもどうぞ、よろしくお願い致します。

所在地  〒020-0063 岩手県盛岡市材木町8-26
TEL  019-624-4323 FAX  019-624-4330
営業時間  AM10:00~PM6:30(定休日/木曜日)
本社HP https://www.junbokukagu.co.jp
メール morioka455@junbokukagu.co.jp


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