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【誰を固定する?】 戦術意図から見る”3つの運ぶドリブル”解説
「運ぶドリブル」
スペイン語では「コンドゥクシオン(運転)/ conducción」と表現されるテクニックアクション。これを「スペイン人は言語化が上手だな」という人もいますが、単に動詞「conducir(運転する)」を”名詞化” しているだけに過ぎないイメージ。
このアクション自体はすでに多くの指導者が把握していることは間違い無いのですが、「運べ運べ!」と指示を出すだけで「何のために運ぶのか?」を無視してしまっている指導者が多いようにも思います。
ということで今回の記事では「運ぶ意図」を明確化した上で、最低ライン知っておきたい3タイプの運ぶドリブルについて解説していくのでぜひ最後までご購読下さい!
この記事を動画でご視聴されたい方はこちらから。
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【この記事を書いてる人】
ボール保持時における3つの固定法
まず初めに、「運ぶ意図」の説明から。
運ぶ際の意図は大きく分けて以下の6つ↓
![](https://assets.st-note.com/img/1697187680452-gHX0cqttk4.png?width=800)
もちろん運ぶ意図が変われば、アクション達成のために必要なキーファクターも変わるのですが今回の記事ではこの中でも「固定する」ためのコンドゥクシオンに焦点を当てて説明していきます。
※「固定する」に関して詳しく知りたい方はこちらの記事を参照
で、「固定するためにボールを運ぶ」ということも大概の指導者が理解できると思うのですが重要なのは「誰を固定するのか?」を明確に定義することにあります。
まず初めに固定をする際にそれによって利益を得るのは以下の2人。
![](https://assets.st-note.com/img/1697188547875-KVNvIpp9kE.png?width=800)
今回紹介する運ぶドリブルに関しては、左側の仲間に対して利益を与えるために特定の対象を固定するという考えになります。
※右側の自分自身に対してプレーの継続性を維持するために利益を与えるために便利なアクション「パスコースを隠す」についてはこちらから
でさらに言うと、味方に対して利益を与えるために固定する際に用いることのできるアクションは大きく以下の3つの定義できますが今回は運ぶドリブルのみの紹介とします。
![](https://assets.st-note.com/img/1697188793313-PieXoEYNFk.png?width=800)
CONDUCCIÓNを用いて誰を固定したい?
ここからが本題です。固定する運ぶドリブルをさらに「固定対象は誰なのか?」に分別した3タイプのドリブルとして見ていきます。
この固定対象を明確化することで、普段のTRの中でもより具体的なシチュエーションを切り取った中での実行が可能になりますし、キーファクターの質が豊かになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1697188982883-JKBOpGdhif.png?width=800)
対象① 対峙する敵
1つ目の固定対象は「直接的に対峙している敵」です。一番ベーシックなタイプですが定義は以下の通り。
敵対するDFのアテンション引きつけながら、次のポジションにいる仲間がより有効にボールを受けるために行う
![](https://assets.st-note.com/img/1697189772296-5Ivp6R9cAh.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1697189868697-1hxROPv9yV.png?width=800)
1つ思うことは、意図は「固定」と言いつつもこのシーンでも固定した先に「前進」をトライしていると言う構図から見ても、「前進固定」や「フィニッシュ固定」のような名詞化が適しているように思います。
この動画のプレーシチュエーションのようにフィニッシュするために相手を固定する場合だと運ぶ方向性にも違いが出てきます。
またここで重要なのが、運ぶドリブルのキーファクター。よく聞くフレーズとして「敵の⚪︎m手前まで引きつけろ」などのタイミングの話が出ますが個人的にこれらのキーファクターは難しいと考えます。
ボール保持者によって相手のプレスを感じす距離感は異なるからです。つまりこのアクションの最適化に関してはシンプルに低学年の頃からアナリティコ形式(反復形式)を用いてアクションの記憶を促すことが重要だと思ってます。
スペイン人の子供を見てると本当に見事なまでに綺麗に運んで固定してパスをする一連の動作を行うわけですが、これはまさに反復作業の賜物だと思っています。そのぐらい量をこなしてます。
対象② 対峙する敵+次ラインの敵
2つ目の固定対象ですが先ほどの対峙する敵に加えて「次のラインで待ち構えている(カバーリングを担っている)敵を固定する」というもの。このタイプが中々日本の現場では定義されていないように思ってます。
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この現象ですが試合をよく観察するとかなり起きています。細かな定義かもしれませんがこの違いを分別できるとアクションの理解への幅が広がります。
対象③ 選手間
最後の固定対象は「相手選手間」です。これまでの2タイプでは固定対象が特定の「人」だったのに対しここでは固定対象が「スペース」になります。
人に向かってボールを運ぶのではなく、選手間のスペースに向かってボールを運ぶことで相手守備を中レーンに縮小させる目的
![](https://assets.st-note.com/img/1697192261457-q3elyo9c0u.png?width=800)
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![](https://assets.st-note.com/img/1697192322203-Lhrt9UiSGs.png?width=800)
画像のシーンではフィニッシュゾーンへの前進シーンにおけるシチュエーションを示していますが、最終ラインビルドアップにおいてCBがこのような相手のプレスを分断するドリブルを達成できればチームにとって大きな優位性となりますよね。
ということで今回の記事はここまでです。さらに具体的なキーファクターなどを知って見たいという方は僕が運営するMLTフットボールシアターを覗いて見てください!
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