見出し画像

「心理療法をどう使い分けるのか」という問いにどう応えるか#145

今日は、友人に「認知行動療法」について詳しく説明していた。

心理療法以外も含めて、すべてのことに言えると思うのだが、新しく生まれてきたものは、必然性を伴った「時代の産物」だと思っている。

ある種の弱点や限界を補うように生まれる。そして、それらは弁証法的発展していく。学問、科学の発展もそうであるし、心理療法もそうである。

精神分析の流れから、行動主義が生まれ、

行動主義の中でも、第一世代として、行動療法。

第二世代として認知療法の流れから認知行動療法、

第三世代として、ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)、マインドフルネス認知療法、弁証法的行動療法など、

それぞれが発展してきたことは、わかりやすい例に思う。

こういうことを話すると、セラピストとして、これをどう使い分けるのか?という問いがたつ。

それは、認知行動療法に問わず、他の流派もそうであるし、もっというと自己変容に必要な体験でいうとさらに広がりがある。

この解は、色んな切り口で語ることができる。

そのうちの切り口の1つとして、メタ理論であるインテグラル理論やインテグラル心理学が担う役割は大きいように思う。

たとえば、インテグラル理論を活用するならば、発達の種類と構造、タイプ論、意識状態でもわけることができる。

意識のスペクトルの図を見た時に、そのうちの1つだと思った。

スライド1

実際、私自身のセッションの体験を通じても、認知行動療法1つとって、それはカウンセリングをするにあたっては、すごく実践的だと思う反面、認知再構成法、行動活性化法、問題解決技法などは、トランスパーソナルな段階ではないパーソナルな段階で有効であって、トランスパーソナル段階の人には最適なセラピー出ないように思う。

と言いつつも、これ自体も、私自身が認知行動療法に対する認知レベルに立脚しているもので、必ずしもそうとは限らない。

「心理療法どう使い分けるか」、「自己変容に関わる対人支援策をどう使い分けるか」
という問いに対しては、ウィルバーが心理学を統合してきたように、それぞれを深いレベルで理解しながら、差異化して、弁証法的に含んで超える形で統合できなければ、導き出すことはできないのだろう。

だが、この問いを私は出したいし、それが1つの使命のようにも思っている。

トランスパーソナル心理学を理論家として牽引したウィルバーに対して、臨床家・実践家として牽引してきたグロフがいて発展してきたように、私個人も他者と関わりあうことでこの問いと向き合っていきたいし、理論家でありながら実践家でいたいという、この橋渡しの立ち位置を目指して1つの見解を出していきたいと思う。

2021年5月6日の日記より
2021年5月8日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?