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デザイナーの僕が小さい頃に好きだった絵本を振り返る
こんにちは。デザイナーの安藤です。
現在2人の子ども(2歳と1歳)の子育て真っ最中なこともあり、「絵本」に触れる機会が多くなってきました。本屋へ行くと全く知らない絵本から、昔読んだことがある本まで色々と並んでいます。
昔好きだった絵本を手にとってみると、当時の懐かしい記憶を思い出したり、本の良さに改めて気づいたりしたので振り返ってみようと思いこの記事を書いています。かなり内容に触れた感想なので、知ってる人にしか伝わらないかもしれませんが…。
皆さんは小さい頃に好きだった絵本はありますか?
01 - ぞうくんのさんぽ
内容は実にシンプルです。一緒にさんぽと言いながら、歩くのはぞうくんオンリーというのが面白ポイントですね。縦に積むのもユニーク。
ざっくりあらすじ
ぞうくんがさんぽをしながら出会う動物たちを次々に背中に乗せていきます。そして一緒にさんぽをするのですが、最後は重さに耐えられず、池にみんな落っこちてしまうという物語です。
好きだったところ
幼いながらに動物たちのデフォルメされたシンプルな形に魅力を感じていました。ワニくんなんて改めて見てもすごくいい形をしています。作者のなかのひろたかさんはデザイン会社での勤務経験があったそうです。納得。シンプルな造形だと固く冷たい印象になりそうですが、ぬくもりのある線と塗りで温かみのある絵になっています。
そしてこれは大人になって知ったのですが、表紙をよく見ると「レタリング」という記載があります。なんとこの絵本の文字は全て手でレタリングされた文字なのです!よく見ると同じ文字でも微妙に形が違うので、使い回しせずに1文字ずつ手書きで作られているのが分かります。
ぞうくんシリーズは人気な作品で、シリーズも多く出版されています。
02 - めっきらもっきらどおんどおん
一見怖そうな表紙の絵本ですが、内容はいわゆる異世界系のファンタジーになっています。出てくるキャラもみんな明るいので意外と安心した記憶があります。
ざっくりあらすじ
主人公のかんたが神社の木の穴から不思議な世界へ迷い込み、そこにいた妖怪たちと遊ぶ物語です。みんなとめいいっぱい遊んだあと、寂しくなったかんたは「お母さん〜」と大声で呼びます。
好きだったところ
不思議な世界へ迷い込むという王道ながら子どもがワクワクするストーリー展開と、妖怪のビジュアルとネーミングが好きでした。特に「もんもんびゃっこ」という長身のお面を被ったような妖怪が好きでした。また、「おたからまんちん」という妖怪が作中でかんたに渡す水晶玉が欲しくて当時やけにビー玉にハマっていた記憶があります。この2匹の他に「しっかかもっかか」という妖怪も出てきます。
現実世界にはないお宝や食べ物が魅力的で、空を飛んだり遊んだりという自分もその世界に行きたいと思った絵本でした。
余談ですが、「しゃくだから」という言葉の意味を覚えた絵本でもあります。
03 - かいじゅうたちのいるところ
映画化もされた有名作。こちらも主人公のマックスがかいじゅうたちの世界へ迷い込む物語です。話の展開も上で挙げためっきらもっきらと似ているところがありますね。
ざっくりあらすじ
ママに怒られて寝室に放り込まれてしまったマックスがかいじゅうたちの世界に迷い込み、そこでかいじゅうたちの王となります。夜通し踊り楽しむのですが最後は寂しくなり、元の世界へ戻るというお話です。
好きだったところ
これはまず男の心をくすぐる「かいじゅう」というワード。そして絵がむちゃくちゃ良いです。表紙の牛のようなかいじゅうと、鳥のようなかいじゅうが好きでした。見開きでかいじゅうたちが並んでいる構図が多いのが特徴で、皆で行進しているページが印象に残っています。マックスの狼のぬいぐるみを着たビジュアルも好きでしたね。
この絵本はモーリス・センダックさんが作ったものの翻訳版なのですが、日本人が想像するかいじゅうとは一味違ったデザインなのが印象的です。元々のタイトルは「Where the Wild Things Are」で、「Wild Things」の部分を神宮輝夫さんが「かいじゅう」と翻訳したそうです。
物語の序盤の寝室のシーンではページに対して絵は小さめで、かいじゅうの世界に行くとそれが見開きで大きな絵に変わります。小さな寝室から大きな世界が広がる様子をうまく表しているなと思いました。
久しぶりに本屋で手に取って見たのですが、良すぎてテンション上がりました。
04 - もりのなか
意外と知らない人もいるかもしれない名作。これも大方の展開が上2作と被ります。こうやってまとめるまで気づかなかったけど趣味が偏ってるなー。
あらすじ
男の子が森へ散歩に出かけたところにいろんな動物たちに出会います。最後はかくれんぼをしている間にみんないなくなってしまいます。
好きだったところ
この絵本も絵が好きだったのと、シンプルなタイトルも好きでした。ちなみに絵は白黒なのですが、それが逆に不思議な魅力を出しています。色がないことで想像力を掻き立てられるような気もしますね。
主人公の男の子がとんがり帽子にラッパを持っているというのが結構重要な気がしていて、これがただの普通の男の子だとビジュアルとして弱いというか、印象に残らなかっただろうなと思います。動物たちのビジュアルも反擬人というか、二足歩行なんですね。なんとなくエジプトの壁画を思い出しました。
動物たちみんなでおやつを食べるシーンがあるのですが、なぜかやたら美味しそうに感じていた記憶があります。あいすくりーむ食べたい。
ちなみに僕は読んだことは無いのですが「またもりへ」という続編があるみたいです。
振り返ってみて
圧倒的ファンタジー!
異世界へ行ったり、妖怪や怪獣が出てきたり、そういうお話が好きな子どもだったようです。逆に現実を舞台にしたお話や、道徳的な内容のものはあまり好んで読んでいなかった記憶があります。
あとは子どもながらにやっぱり絵の好みというのはあって、そこが好きになる上で大事なポイントだったような気がします。そしてその感覚は大人になっても変わらないという…。そういった美意識のようなものは一体いつから形成されているのでしょうか。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
今回振り返ることで自分の「好き」を再発見できたような気がしました。絵本に限らず昔好きだったものやことは今の自分のルーツになっていることも多そうです。
子どもたちがもう少し成長したら、上で挙げた絵本たちを買ってあげようと思います(今与えると破られて悲しいからね)
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