見出し画像

経営者に必須のスキル!ニュースから考える新規ビジネス発想法とは

おはようごございます!眼から鱗という会社で経営者の顧問業『あとおし』を提供している長島です。今日は”ニュースから考える新規ビジネス発想法”について書いてみます。

ニュースを見ていると面白いと感じるビジネスモデルによく出会います。最近面白いと感じたモデルをご紹介すると共に、その面白さがどこにあるのかを整理してみたいと思います。日々のニュースから新しいビジネスがどうして生まれるのかを考える思考習慣を付けることは、経営者の必要なスキルだと考えます。新しいビジネスモデルは突飛な発想ではなく、意外と身近な所に隠れています。そうした当たり前から発想できる力を養うために、日々のニュースを自分なりの分析で考える習慣を身につけましょう。

シーンを売る新しい発想が面白い!

社長のおごり自販機というネーミングが秀逸なのですが、セキュリティの関係で入室用の社員証を配る会社が増えていることからリリースできたサービスです。二人同時に社員証をタッチすると、飲料が2本無料になるという自販機になります。リモートワークが当たり前になっていく都心の会社で、会社で話をするきっかけを作るための仕掛けとして、コクヨとサントリーが共同で開発したとの事です。

オフィスでは同線設計において、自然と会話が生まれるレイアウトなどはとても重要視されます。この自販機はそのきっかけを自然と作れるという意味においては秀逸です。またネーミングが社長のおごり、なので福利厚生的な考え方としても社員に分かり易く伝えることができます。社員一人当たりの回数などは制限可能とおいうことなので、この辺りは導入する側としても安心はあると思います。

この自販機は商品ではなく、そのシーンを売ることで社内における自販機の価値を再編集している所が面白いポイントです。また、コクヨとしては自然と会話が発生するオフィスの旗印として。サントリーは自社の自販機導入の新たな展開のバリューとして。導入する企業としては分かり易い福利厚生として。そして社員は無料で飲料を飲めるというお得感。すべての人がハッピーとなる仕掛けになっています。

コロナによって非接触型の販売チャネルとして自販機は注目されていました。自販機としての品揃えや自販機で売るもののバリエーションを広げるなど展開されてきましたが、アフターコロナを見据え、オフィス離れの時流の中でシーンを売る自販機は秀逸です。

意味を再編集した新しい価値の定義が面白い!

自分で予算とテーマを決めて、家族や恋人、友人などに自分向けのプレゼントを選んで貰う新しいサービスがリリースされます。これはプレゼントという概念を再編集した新しい切り口のサービスです。最初は”???”と頭に疑問符が湧いてきましたが、これもシーンを考えると納得があります。

まだアルバイトもしていない子供から誕生日などのプレゼントを貰う場面を考えると、お小遣いからというよりも、相手のことを考えてプレゼントを選んで貰う時間の価値の方が大切になります。恋人とのシチュエーションというのはあまり考え難いのですが、親子や孫が祖父母へのプレゼントと考えると、その可能性は広がりそうです。

キャッチが”自分に自腹でプレゼント”となっており、まだまだ細かなシーンの定義はありません。利用者が増えていくとデータが蓄積され、贈られるプレゼントやその関係性、さらには当初は想定しなかった新しいプレゼントシーンなどが見えてくると思います。

プレゼントという誰もが分かっている概念を覆すことで話題を作り、一度はやってみたいという気持ちにさせることができれば、それだけでもデータ取得の機会は増えます。使うことで利用者自身が面白がって新しいプレゼント文化を創造してくれるという期待値もあると思います。こうした意味の再編集から新しい価値を創造するというのは興味深いモデルです。

日常にちょっと嬉しいを付与する視点が面白い!

1マイル移動すれば、どの様な手段を用いていてもポイントが付与されるサービスです。すでにアメリカでは2019年からスタートしているサービスが、いよいよ日本でもリリースされる様です。ポイントの還元率は、よりエコな手段を選ぶことで高くなります。歩きはなんと10倍になるみたいです。日常的に人は移動をするので、ポイントのために特別な行動を取らなくても良いというのは導入の障壁を下げます。またインストールしていれば自勝手にポイントが貯まるというのも価値です。普段の生活に生まれるちょっとお得なサービス。移動にちょっとの嬉しいを付加したサービスです。

マネタイズのポイントは記されていませんでしたが、恐らくは複数あると感じます。一つはポイント還元が割引券や無料券が主なので、協賛企業への送客があるかと思います。協賛金または広告費を貰うモデルは展開していると思います。加えて人の行動が分かるので、恐らくはそのデータを販売するビジネスも展開しているはずです。人が日常的にどの様な移動手段を用いているのか。属性別やエリア別で、どの様な移動手段を使っているのか。またどの程度の移動範囲が平均的なのか。そういったデータが取得できます。これをマーケティングに活かしたいと考える企業は多いでしょう。

移動という誰の日常にも当たり前にあることに着目していることがポイントだと感じました。飛行機などのマイルのプレゼントから発想していると思うのですが、データ活用がビジネスとして受け入れられる時代になったこと。誰もがスマートフォンを持ち運び、移動の形跡をデータで取得できるようになったことなど、時代の変化がこのモデルのキーになっています。

面白いを分析する思考習慣を身につけよう!

今回は最近見て面白いと感じた3つのモデルを取り上げました。

・商品ではなくシーンを売る
・誰もが知っている当たり前を変えてみる
・日常に少しの嬉しいを付加する

いずれも身の回りにある当たり前と考えている常識を、あえて違う視点で見ることで新しい価値を創造しています。自販機やプレゼント、そして移動という言葉を聞くだけで映像が浮かぶほど当たり前になっている事象にこそ、その角度を変えることで新しいビジネスの可能性があると学べます。

大切なことは、日々の当たり前がどうして当たり前になっているのか、そこに興味を持ち俯瞰して考えること。そしてその様に考えることが、自分の中でワクワクを感じられる習慣にすることだと考えます。発想としての0→1よりも視点としての0→1の訓練をすることで、意味の再編集を自然と行う習慣が身に付きます。

経営者にとっては、時流に敏感になると同時に、こうした当たり前から新しいを発想できる力を持つことが大切になります。まずは面白いと感じるビジネスを自分なりに分析してみましょう。どうして面白いと感じたのか?どこに発想の転換点があるのか?世の中にはヒントがたくさん落ちています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?