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(漫画)マンガ三国志

出会いは中学生の頃だったと記憶しています。

親が突然、横山光輝「三国志」文庫版を全巻購入してきました。
1巻目を読み出したが最後、それはもうのめり込むように読みまくったことを記憶しています。
自分が手にした時点でも古い作品に入り、他にブームになっている漫画やゲームと言った娯楽があったのにもかかわらず。
それくらい、自分にとって面白いと感じる部分の多い作品だったのだと思います。

入社試験の時も、最近読んだ本は何ですか?との問いに対し吉川英治の三国志ですと答えてなんとか?無事に試験を通過したという実績もあり、自分にとってはきってもきれぬ縁のある一冊です。
kindleを整理していたら出てきたので、ちょっとご紹介。

登場人物の魅力

キングダムの漫画でも映画でもご覧になられた方はわかるかと思いますが、中国は何をするにしてもスケールがでかい。
なんせ、宇宙から見える構造物まで(万里の長城)まで作ってしまうくらいですからね。
良し悪しはおいておいて、日本の戦国時代などと比べると

・そもそもの人口の数が多いので、より面白い人間が登場する確率も高くなる
・地形が複雑で360度、多数の要因を考慮しないと身動きがとれない複雑さ

の2点から、魅力的な人物が多数登場します。
自伝でもドキュメンタリーでも、魅力的な人間がどうやって生き、死んでいったかというのは皆興味が湧くところかと思います。しかも、100%ではないにせよ史実に基づいているという親近感のようなものもある。
そんな個々人のストーリーが大量に詰まっている。
つまらない訳ないですよね。

どう生き、どう死ぬかの指針として

(見たことのない方はネタバレ注意)
結局、劉備や孔明がいた蜀という国も、孫権がいた呉という国も、魏に吸収されるような形で三国時代は幕を閉じます。
有名な桃園の誓いにより義兄弟の契りを結んだ劉備、関羽、張飛が立て続けるように死に、孔明も病に倒れる。
どんなに才能に恵まれていようが、生死だけではなく自分の運命もコントロールができないことを改めて感じさせられるストーリーです。

かといって、彼らがことをなすために人生を賭けたことは無駄だったのか?
内村鑑三は、名著「後世への最大遺物」という本の中で生きることの意味について述べています。その中に、モノや人を残すことももちろん素晴らしい。でも、それらが残せなくても、自分がどういきたのかということ自体にも価値があるという趣旨のことを述べています。

綺麗事なしに、自分もそう思うんですね。
確かに社会的に成功して、立派な業績を残した方はそれはそれで立派なことだと思います。けど、それが成せなかったからといって、価値が低いとか、無価値かっていうとそんなことはない。
「いやいや、より多くの業績を残し、より多くの人に影響を与えた人の方が偉いんじゃないの?」という意見もあるかもしれません。
でも、そんなの生きてるうちも死んでからも自分の生き様の影響範囲なんて知る由もないですよね。
少し前までは、誕生から死ぬまでの情報がある人物というのは非常にかぎられていましたが、今は良くも悪くもデジタル化やSNSの発達により、むしろ自分の生きた痕跡を残さずに生きるのが難しい時代になってきてる、ともいえます。

何に価値を置いて生きていくか。
もちろん、それは固有の問題です。

自分には大した業績もなければ、子供もいないし人材の育成なんてのにも携わってない。そうした人でさえ、自分の人生が、自分が死んでからでももしかしたら後世の人に勇気を与えるかもしれない。
そんな、ぼんやりとした希望でも、生きていく上での一つの原動力になるやもしれませんね。


にしても、今回で何回目の読了かわかりませんが、やっぱり面白いw
三国志、深すぎる・・・。まさに沼!

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