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(本)国境のない生き方

ぶっ飛んだ経験をたくさんしている奴は大体面白い。
これまで生きてきて、自分の経験から導いた法則の一つ。
でも、経験が少ない人がつまらない、というのは当てはまらないような感じです(何か1つの分野に極端に尖っていたりして、それはそれで話が面白い)

映画化もされた「テルマエ・ロマエ」をはじめ、多数の作品を通し、世にたくさんの”面白い”を提供してくれているヤマザキマリさん。
本書はそんな彼女の自伝的内容になっていて、どれだけ”ぶっ飛んだ経験”をしているかが詳細に書かれています。
・突如丸坊主にしたり
・14歳でヨーロッパの一人旅にでたり
・むしろお母さんの方がもっとぶっ飛んでいたり・・笑
既成の枠にとらわれない彼女の思想を形作ったものがわかる、そんな一冊です。

作品を通して貫かれているメッセージは、

自分自身の人生、自分で考えて自分の思う通りに生きていこうよ

というシンプルなもの。
でも、このメッセージを発信するまでに、彼女はとてつもない苦労をして生きているから重みと説得力があります。

以下、付箋をつけた箇所から抜粋

右へならえで流されるのではなく、本当にこれでいいのだろうか、立ち止まって、考えること。猜疑心というのは人間が真摯に生きようとした時に、その人を根本から突き動かすエネルギーになりうるのだと思います。
疑いもせず、丸ごと「信じる」という人間は、足元を掬われた途端「裏切られた!」と言い出したりする。丸ごと「信じる」のは、ラクなのです。どんな結果が出ようと、相手に丸投げすればいいのですから。

難しい内容ではなく、書いてある通りなのですが・・・自分の生活において、本当に疑って、判断できているか。
テレビなり周りの人の意見を鵜呑みにしていないか。
本書の内容と関連づけるとすると、例えば進学先を決める時。
なんとなくみんなが行くところ、手の届きそうなところから選択する。自分も含め、ほとんどの学生の方はそういう風に流されて決めてしまうのかと。それが、自分の判断軸に乗っ取って納得した判断であれば良いのですが、おそらく多くの人は(自分も含め)そうではないでしょう。もっと広げて考えると、大半の人は、職業だってある程度周りの目を意識した選択をしてしまっている。
それはそれで楽なのですが、自分の人生、本当に納得した選択をしていきましょうよ、というのが彼女の主張です。
30代も半ばの自分が聞いても、背筋が伸びる、そんなフレーズです。

で、そうやって自分で選択していくと全部の責任が自分になるわけで、大きな失敗もする。そんな失敗への向き合いに関するヤマザキさんのコメントが以下です。

私にとって「失敗」はダメージ・ポイントじゃないんですね。失敗が増えれば増えるとほど自分の辞書のボキャブラリーが増えるわけですから、「やっちまった」「しまった」と思って、またやり直しっていうのは、死ぬまでやっていいと思うんです。

スティーブ・ジョブスが自分で作った会社をクビになったなんて例を引き合いに出すまでもなく、多くの成果を残している人は多くの失敗をしている。
野球の神様と言われるベーブルースだって、誰よりも三振をしている。
でも、大局的に見た時、その”三振”が恥ずべきことでないことは誰でも理解ですよね。
自分を含めた庶民は、その”三振”の一つ一つにビビりすぎて、行動が取れなくなること、よくあります。
・会社で上司に説明しづらい・・・
・部長の機嫌が悪いから今日は押印してもらいにいくのをやめよう・・・
でも、大きな成果を残す人が見ているのはもっと広い世界なわけです。
他人に怒られようが嫌われようが、実は人生というスパンで考えると大したことない。日常の目の前の出来事に心が折れそうな時は、成功者の失敗、も見てみると励みになるかもですね。

口語体なのでサラッと読めますが、自由な人生を考えるうえで示唆にとんだ一冊でした。
にしても、マリさんのお母さん。
14歳の娘を海外一人旅に出すとは肝が据わってる・・・笑

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