容姿端麗になりたい!と思ったら一度立ち止まって想像力を膨らませてみると良いかもしれません〜133cmの景色
フォローしているあじゅまるさんが激推ししていた1冊。
影響されて自分も読んでみたところ、めちゃくちゃ良い作品だったのでシェアします。少女漫画っぽい表紙で人によっては拒否反応をお持ちの方もいるかもしれませんが、昨今話題になっているルッキズムを身近に感じる上でも非常に参考になる一冊でした。
133cm。
不思議なタイトルですが、読んでいくと冒頭でその意味がわかります。
主人公は吉乃華という身体の成長が止まる病気を持っている会社員。
作品中では明示されていませんが、タイトルは彼女の身長なり目線の高さを表しているものと思います。
現実の世界でも時々同じ状況の方を見かけることがあります。医学的な病名もついているのだとか。
作品の内容としては、そんな特殊な視点を持った華が会社員として生活する上で感じる ”生きづらさ” の描写がメイン。
・営業活動に行けば、子供っぽい見た目により他の人を担当に当ててくれと言われたり
・高校時代には身長が原因で彼氏と別れてしまったり
・あなただけ特殊な見た目で目立っていいわねというような悪口を言われたり
・合コンに行っても恋愛対象としてみてもらえなかったり
そんな時の心理が丁寧に描かれています。
一方で、華の友人のめちゃくちゃ美人さんはよく知らない人から付き纏われて怖い思いをしたり・・。
自分も含め、多くの人はメディアに露出するような美男美女を見、
「あの容姿で生まれてきたかったなぁ」
とある種諦めの混じった羨望のような感情を持つことが多いかと思います。(で、ある時足掻いても無理であることを思い知り、完全に諦める)
でも、もしかしたらその羨望の眼差しを向けられている人も、何かしらのコンプレックスなり悩みを持っている場合も少なくないのかもしれません。
で、こういった「見た目」の話。
昨今、見た目や性的嗜好などは多様性を認めるべきという風潮が強く、目立った特徴があったとしても、直接的に非難される機会は以前よりも減っているのかもしれません。
自分も、実際ゲイの友人がいますし、同性の結婚についても賛成のスタンスではあります。
でも、この見た目や雰囲気で他人を判断してしまうことって、日常生活いくらでもありますよね。
常に無表情で笑ってるのをみたことがない人がいれば、あの人は堅物だと思ったり
いつもヘラヘラしてるから傷つかないだろうと思って、強い口調で喋ったり
こんなことも、見た目で判断しているという点で、華に向に向けられた批判するコメントとなんら本質は変わらないのかもしれません。
無表情なのは、顔面の麻痺のせいで
ヘラヘラしてるのも、昔の辛い体験がそうさせているのかも
その人の生い立ちや状態を100%把握することは実質的に不可能なことを踏まえると、やはり、一人一人が優しさを持って想像力を働かせる以外、本当に全員が幸せで快適な(見た目起因の嫌な思いをしない)日々を送れるようにはならないのかもしれません。
少なくとも、まずは自分から、ですね。
素晴らしい漫画との出会いに感謝です。
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