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【組織】企業経営と幸福学

近年、「ウェルビーイング」という言葉をよく耳にします。これは単なる「幸せ」以上の、より包括的な概念であり、「身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること」を指します。

企業経営においても、ウェルビーイングの考え方が重要視されています。従業員のウェルビーイングを高めることは、生産性向上、離職率低下、イノベーション創出など、様々なメリットをもたらすと考えられています。

ウェルビーイングが経営にもたらすもの

従来の企業経営では、利益追求を最優先に考える傾向がありました。しかし近年では、従業員の幸福やワークライフバランスを重視するウェルビーイング経営が注目されています。ウェルビーイングを意識した経営には、以下のようなメリットがあります。

  • 従業員エンゲージメントの向上
    従業員が仕事にやりがいを感じ、会社に貢献したいと考えるようになると、エンゲージメントが高まります。

  • 生産性の向上
    エンゲージメントの高い従業員は、より創造的で生産的な仕事をすることができます。

  • 離職率の低下
    従業員が会社に満足していると、離職する可能性が低くなります。

  • イノベーション創出
    多様な価値観を持つ従業員が集まることで、新しいアイデアが生まれやすくなります。

  • 企業イメージの向上
    ウェルビーイング経営に取り組んでいる企業は、社会的な責任を果たしている企業として評価されます。

ウェルビーイング経営を実現するための方法

ウェルビーイング経営を実現するためには、以下のような施策が有効です。

  • 働き方改革
    長時間労働の是正、フレックスタイム制の導入、テレワーク制度の導入など、柔軟な働き方を推進することが重要です。

  • 健康経営
    従業員の健康増進のための取り組みとして、健康診断の実施、禁煙サポート、運動プログラムの提供などがあります。

  • メンタルヘルス対策
    従業員のメンタルヘルスのケアとして、ストレスマネジメント研修の実施、カウンセリングサービスの提供、休職制度の充実などがあります。

  • コミュニケーション活性化
    上司と部下のコミュニケーションを活性化し、従業員が安心して意見を言える環境を作る必要があります。

  • キャリア支援
    従業員のキャリア形成を支援するための研修や制度を設ける必要があります。

幸福学の知見を活用したウェルビーイング経営

幸福学は、科学的な方法を用いて幸福のメカニズムを探求する学問です。
ウェルビーイング経営においても、幸福学の知見を活用することができます。
幸福学の研究によると、下記の「幸せの4因子」を満たすことで、幸福感が高まることがわかっています。

  • 自己実現と成長「やってみよう因子

  • つながりと感謝「ありがとう因子

  • 前向きと楽観「なんとかなる因子

  • 独立と自分らしさ「ありのままに因子

これらの因子は「非地位財」型の幸福要素であり、金銭欲・物欲・名誉欲などの「地位財」型のものとは異なります。
単に報酬や役職だけでなく、従業員が精神的に良好な状態を造り出すことがウェルビーイング経営においても重要です。
例えば、以下のような理論や考え方を参考にすると良いでしょう。

  • ポジティブ心理学
    ポジティブ心理学とは、人間の幸福に焦点を当てた心理学の一分野です。ポジティブ心理学の研究によると、「感謝の気持ちを持つ」ことや「自分の強みを活かす」ことなどが、幸福感を高めることがわかっています。

  • マインドフルネス
    マインドフルネスは、今この瞬間に意識を向ける瞑想法です。マインドフルネスを実践することで、ストレスを軽減し、幸福感を高めることができます。

  • フロー理論
    フロー理論とは、人が集中して活動している時に感じる幸福感について研究する理論です。フロー状態に入るためには、「自分に合った目標を設定する」ことや「集中できる環境を作る」ことなどが重要です。

まとめと私見

企業経営と幸福学、そしてウェルビーイングは、密接に関係しています。
経営資源の礎となる「人的資本」に対して、企業・経営者が取り組み続けることが、従業員と企業の双方にとっての幸福に繋がるのだと思います。

世界初となるウェルビーイング学部を武蔵野大学で開設された学部長である前野隆司先生が、代表を努める「一般社団法人ウェルビーイングデザイン」様のWebサイトで、幸福度診断Well-Being Circleが無料で受けられます。

診断結果もわかりやすく、自身の現状の理解に繋がるので、一度、やってみることをおすすめします。

実は私も幸福度診断を受けたのですが、あまり良い結果ではなかったので、
今日から「幸せの4因子」を意識して生活していきます。
とりあえずマインドフルネスから始めようかと考えています。

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