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菌を育む、菌を味わう

今年2月末に畑で収穫した青大豆と白大豆で次男と米味噌を仕込んだ。
半年過ぎておそるおそる甕をあけると黴はなく、いい塩梅に。
毎朝、味噌汁は飲むため8キロ程の味噌だけでは一年間はもたないが
自分で育てた豆で味噌がうまく出来たのはとても感慨深く嬉しい。
味噌汁に熱が入り過ぎると菌が死滅するので、最近は味噌はお椀にのせて直前に汁を入れて溶かして飲みようにしている。

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次男が一日断食のために、糀で自家製の甘酒を沢山つくったので、それでお菓子を作ってみた。
さつまいもとかぼちゃを賽の目に切り、干しぶどうを加えて煮たものを
蕎麦粉のクレープに甘酒も合わせて載せて、巻いて頬ばる。
砂糖のない素朴な甘さが蕎麦ととても相性がいい。

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和食を学んでいる長女が「発酵暮らし」という本を置いて帰った。
著者の鎌倉での暮らしの中から生まれてきた和食には、味噌、醤油、梅干し、糠味噌漬け、糀、甘酒、酒糟等がその日に家にある野菜や魚を生かすかたちで生まれてきている。お米、野菜のみならず調味料も大半をご自分で作られていると知り、驚かされた。
自らが暮らしの中で実践されている中で生まれてくる著者の料理と言葉にはとても重みがある。

食の記憶を残してあげる、それがレシピでない、食文化を伝えることになる

菌とともに生きる 発酵暮らし 山田奈美著

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784259566975


結婚前は、私も家内もかなり厳格に玄米菜食をして、長女が幼少の頃までは砂糖も使わなかったが、その後、酵素玄米になり、五分搗きとなり、動物性も獲るようになったきた。
その時々でいい悪いはないと思うが、家族の状態を観ながら変えざるをえなかったというのが現実である。
山田奈美さんの料理、おやつにも砂糖は使われない。砂糖の代わりにははちみつ、果物、甘酒、みりん、小豆等。
砂糖の甘味に慣れてしまうと果物や小豆、甘酒などの甘さには物足りない感覚が生まれてくるのはとてもわかる。
我が家でも料理にはほとんど砂糖は使わないが、おやつを手間をかけてつくるということまではできていない。
たまたま長女が仕込んでくれた甘酒に酒糟、じゃがいも、地粉等を用いた捻じりパイの生地をオーブンで焼いた。
酒糟がとても新鮮なコクを生んでおりこれから時々、つくってみようと思う。これに味噌やレーズン、木の実を混ぜてもいいかも。

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毎年、家内が漬けている梅に昨年から新しく陳皮を混ぜた陳皮梅が登場。
山田奈美さんは息子さんの生まれた年のご自宅の梅で「大ちゃん梅干し」を
100個漬けられて毎年誕生日に1粒ずつ食べているとのこと。
我が家にも今は亡き義母の梅干しがあり、体調がおかしくなり寝込んだ時などに義母の思いも含めて味わうようにしている。

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今年は、家で玄米を精米した後の糠を活用して糠味噌漬けもした。
瓜、胡瓜、茄子、オクラと色々楽しめた。
一時期、糠味噌が酸っぱくなったが、長女からのアドバイスも受け、糠床に唐辛子を入れて、よくかき回し、少し休めさせてあげることで見事に復帰。
温かいご飯と味噌汁と糠味噌とさらに季節の野菜での一品で朝食は豊かなものになる。

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黒枝豆の最盛期。私の畑の黒豆も枝豆としての食べ頃を迎えた。
枝豆は収穫してすぐに茹でた方が美味しいので、畑から帰ったらすぐに鍋に火を入れて全て塩茹でにする。
黒豆の濃くと甘さがあって皿に伸びる手が止まらなくなる。
畑の収穫していない残り半分は、来年、黒豆味噌として仕込みたいと思う。

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糠床の底に根昆布ちちろ鳴く

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