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心の楽屋


先日、ある製品の取扱説明書を校正、翻訳をしている夢を見た。
その翌日に図書館に行き、いつものように新刊コーナーの棚の前に行った。

すると以前にもnoteに紹介した「ゲド戦記」のファンタジーの著者であるル・グウィン氏の新刊「私と言葉たち」が置かれていた。
本文の最初のページを開いたら、そこに「取扱説明書」という見出しが飛び込んできた。
その最後の3行を紹介したい

読み書き能力が重要なのは文学が取扱説明書であるからです。文学は、私たちのもっている最善のマニュアルです。私たちが訪れている国の、もっとも役に立つガイドブックなのです。その国の名は人生といいます。

取扱説明書という記載は、この最後の3行にしか登場しない。
読み書き能力という語彙だけからは少し誤解が生まれるかもしれないが、この3行に至るまでに著者は、想像力を使えるようになるためのエクササイズとしての読み書きであり、お金儲けのために使うものではないことを語っておられる。

ちょうど昨年初めにゲド戦記を読み、そこに象徴される影の存在、無意識からの働きにとても関心をもって読んだことを思い出した。

影との戦い|junchan|note


「私と言葉たち」の隣には「帰ってきたヨッパライ」でミュージシャンをされていたこともある精神科医きたやまおさむ氏の「ハブられても生き残るための深層心理学」という新刊。
ハブられてという言葉がぴんとこなかったが、生き残るための深層心理学という部分に惹かれて読んでみた。

ハブられても生き残るための深層心理学 - 岩波書店 (iwanami.co.jp)


ハブられてというのは、最近の若者の間で仲間外れにされる、のけ者にされるという意味のようだ。(知らなかった!)
読みだしてみると、排除する深層心理が具体的にわかりやすく解説されて、コロナ禍でも浮彫となってきた同調圧力の働く心理にも言及されてとても興味深い。
今更であるが、ワクチンやマスクに関しても、マスコミも含めて知らない間に見えない同調圧力が形成されており、その状況で、自分自身の自己免疫を信頼して暮らしていくことには、葛藤と勇気とエネルギーが必要である。

著者が語られた「人生という劇を生きる」という視点は河合隼雄氏、ユング氏が提唱されていたコンソレーションにもつながる。
そして大切なのは、人生の劇に必要な「心の楽屋」。
人生を劇として成立させていくために実人生での「心の楽屋」が必要であるというフレーズはとても共感した。
「心の楽屋」とは、まさに私が私らしくいられる場であり空間そして時間。
ホロスコープの視点でいえばやはりその人の太陽が輝く状態と言えるのではないだろうか。

ホロスコープの話となるが、私のネイタルチャートの月星座は乙女座7室(身近な対人関係)であり、家内との関係性については緊張と葛藤、不安が生まれやすい。
7室乙女座には冥王星もあり、私の父も含めた家系の流れの重たさも加わって働いてくる感じがしている。

最近は7室月乙女座に大きく支配されることはめっきり少なくなったが、先日、実家が大雪で雪かきに帰ろうかどうか躊躇したが、母の電話でも慌てた感じではなかったのですぐに帰ることはしなかった。
結果的に妹が雪かきに実家に来たことを後から知り、帰れたのに帰らなかった自分に対しての罪悪感が大きくなってきた。
こんな夜はさっさとお風呂に入ってゆっくり寝た。
翌朝はルーチンのトイレ掃除や洗濯、料理、あくび体操等をやる中で少しづつ薄まっていった。それでもちらちらと罪悪感が生まれてくるので、両親にも電話して翌週末に帰ること、妹にはお礼を伝えたことで、さらに楽になった。

この月乙女座の働きは私自身の働きのように見えるが、実は月星座により社会や家制度、常識、学校教育等を通してその人の無意識の部分に刷り込まれている要素が少なくないと思う。
無意識にやっているので、意識にあげていかないと太陽が働く要素が少ない私においては、月星座のトラップにつかまりやすい。

既に何度か投稿しているが、月乙女座の働きを抑制する有効な手立てとしてマドモアゼル愛先生が提唱されている月反転法(月星座と180度のサインの要素を活用する)がある。
すなわち、私の月乙女座の反転は魚座である。
魚座の支配星である海王星の芸術的な要素を日常の中に取り入れて強調させることで月乙女座は小さくなる。
また、ホロスコープでの地のエレメントは牡牛座、乙女座、山羊座によりグランドトラインという正三角形を形成して、月乙女座を補完する働きとして牡牛座、山羊座が存在する。

私は牡牛座に太陽と水星、山羊座には土星があり、月乙女座に対しては、9室蠍座海王星を通じて、日常の中での幸せ、気づきを俳句やエッセイ、写真で表現していくことを地のエレメントとしてコツコツと積み重ねていくことこそ、月星座に支配されず太陽で生き抜いていく秘訣だと感じている。

山羊座7度の土星は、3つの複合アスペクトの一角に存在し、5つの惑星、2つのノードに影響を及ぼしている。
山羊座7度のサビアンシンボルは「力のあるベールに隠れた予言者」。
社会や共同体との関係性における落差(自分の意識との乖離)があることで逆に自分の中で生きる知恵を育んでいくイメージがある。

葛藤と制限の連続の人生ではあるが、だからこそ得られる安心感、普遍的なものとして受け取っていこうと思う。




味噌仕込む三人の子は家を出て


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