信号機写真_国会前_

【信号無視話法】川内議員vs河野外相 2018年11月1日 衆議院 予算委員会 (鳩山元総理への外務省 捏造レクチャー)

最低でも県外
民主党政権時に鳩山元総理が掲げた普天間基地移設先の公約は実現されることはなかった。沖縄県民の失望も大きく、鳩山元総理は後に辞任へ追い込まれることになる。
この発端となったのは2010年4月の外務省によるレクチャーである。米軍がマニュアルで「地上部隊とヘリ部隊の距離を65海里(約120km)以内としている」と説明を受け、県外移設先として考えていた徳之島(沖縄からの距離は約104海里)を断念した。しかし、後にこの外務省によるレクチャーは捏造文書による虚偽説明であることが明らかになる。

そして、虚偽説明から8年半が過ぎた2018年11月1日。衆議院 予算委員会で立憲民主党・川内議員河野外務大臣にこの問題を質問している。

本記事では、その答弁を信号機で直感的に視覚化していく。具体的には、信号機のように3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で視覚化する。

全体まとめ

上記グラフは、河野外務大臣の答弁を分析した結果である。
赤信号が実に81%も占めている。
一体どんな答弁だったのか、詳細を紹介したい。

米国側の65海里マニュアル回答結果

川内議員の1問目は「65海里という距離を明示したマニュアルの存在を特定できなかった」という米国政府の回答を確認するものである。
これは、川内議員自身が米国政府に確認したものであり、それは報道でも紹介されている事実である。
しかし、河野外務大臣は

米国政府は『回答できない』と確認した

と事実と異なる答弁をしている。

納得できない川内議員は再度「マニュアルの存在を特定できない」という回答であったと認めるように質問するが、今度は「マニュアル」という言葉は一切使わず

「『基準の内容や形式』については回答できない」

と微妙に論点をずらして答弁している。

「回答できない」発言の根拠

続いて、「回答できない」という発言の根拠(いつ、誰から、どのように確認したのか)を問い質した川内議員。
これに対して河野外務大臣は

「質問通告を受けていないので、わかりません」

と言ってのける。
いつ、誰が、どのように聞いたのかは質問通告がないとわからないのに、「回答できない」と聞いたことだけはハッキリと明言できる。実に不思議な答弁だ。

これを受けて川内議員は「メチャメチャ卑怯」であると委員長に抗議している。

野田委員長に再度説明を促された河野外務大臣。
しかし、その説明は先ほどとほぼ同じで、論点を微妙にすり替えたものであった。

川内議員は「答弁できないのは、要するにこんなマニュアルはないから」と総括して、次の質疑へと移っていった。

河野大臣のリピート答弁

ここまで読んで、ある違和感にお気づきだろうか?
何度も似たような言い回しがリピートされている、と。
実は、回答できない根拠を問われた1回を除いて、残り3回の河野大臣の答弁はほぼ同じである。

質問に対して、同じ内容の回答を赤く表示した結果が上記。
見ての通り、河野大臣の答弁は3回とも真っ赤。
つまり、川内議員に承服できないと迫られた2回目も、野田委員長が再答弁を促した3回目も、河野大臣は同じ答弁をリピートしたのだ。壊れた蓄音機のように。

最後に

この質疑の終盤、鳩山元総理に捏造文書で虚偽説明をしたのは、現在は外務省 北米局参事官の船越建裕氏であると明かされる。この船越氏への参考人招致を要求して、一連の質疑は終了している。

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✳︎答弁の映像と分析結果はYoutube動画「赤黄青で国会ウォッチ」に公開中
https://youtu.be/ePr20puC_jk

参考情報

IWJ 「最低でも県外」を翻させた外務省の「極秘文書」の存在に「虚偽」疑惑!
(最終アクセス日時:2018/11/11 21:22)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287473#idx-2

しんぶん赤旗 「普天間移設 地理的根拠崩れる 米軍65カイリ指針特定できず」
(最終アクセス日時:2018/11/11 20:57)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-11-03/2018110302_07_1.html

更新履歴

2018/11/11 21:31
新規作成

2018/11/12 23:02
リピート答弁を追加

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