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少年ジャンプ創刊号からスマホに合わせた漫画誌の「再発明」を考えた

こんにちは。ジャンプ+編集部のモミーといいます。

先日noteでこんな文章で結んだ記事を書きました。

先輩編集者たちが半世紀以上前に作り上げた漫画誌の機能を、今の時代に合わせて一緒に「再発明」しませんか?

漫画誌には「新しい作品を生み出し、人気作品に導く」機能があると、その記事で紹介しました。

ぼくたちは、「ジャンプ+」で6年間その「再発明」に挑戦し続けてきました。

今回は、「ジャンプ+」における漫画誌「再発明」の途中経過報告と、感じている現状の課題について、書いてみようと思います。

※今回の内容も、個人の見解です。

「ジャンプ+」を企画した時に参考にしたもの

「ジャンプ+」を企画した際、ぼくが参考にしたのは、やはり「少年ジャンプ」でした。

「少年ジャンプ」をスマホに合わせて「再発明」しようと考えました。

そこで、半世紀以上前に先輩編集者が作った「少年ジャンプ」創刊号をまず見てみたいと思います。

ぼくが「ジャンプ+」を考えるときに参考にした4つの思想が、創刊号にはすでに含まれていました。

「少年ジャンプ」創刊号の「巻頭カラー」

1968年に創刊された「少年ジャンプ」の巻頭カラーは、梅本さちお先生の「くじら大吾」という漫画でした。

カラー扉には大きくこんな言葉がデザインされています。

おお、けたはずれにおもしろい… 
新人No.1のNo.1漫画  

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ぼくは、創刊号の巻頭カラー扉にこんな言葉が書いてあることにしびれました。

漫画誌の創刊号で、新人の漫画を一番に押し出すのは極めて珍しいことです。
(「少年ジャンプ」は後発だったからそうせざるを得なかったという説もよく聞きますが)

多くの漫画誌創刊号では、売上も予測しやすいので、キャリアのある作家の作品を押し出します。
漫画アプリでは、そもそもオリジナル作品でもない既存の人気作品を押し出すことすらあります。

「新しいこと」、そして「漫画の中身が面白いこと」だけを重視する
そんな読者の期待に沿った「少年ジャンプ」の姿勢は、52年前の創刊から始まっていました。

創刊編集長による527文字のメッセージ

2つ目にぼくが注目したのは、創刊号に掲載されている「新人漫画募集」のページでした。

そこには、創刊編集長・長野規先輩による「新人に期待する」というタイトルの熱いメッセージが書かれていました。

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名だたる選考委員の紹介よりも前に、一番目立つ場所に掲載されています。
その文章を紹介します。

「新人に期待する」

漫画雑誌が、はんらんしています。
そこへまた、わたしたちは、新雑誌『少年ジャンプ』を創刊しました。
『少年ジャンプ』を創刊するにあたって、まず考えたのは、いかにして新しい雑誌にするかということです。読者はどんどんかわり、進歩していきます。
作者も、編集部も、読者より先に進んで、新鮮な話題を提供しなければなりません。
超特急にようにつっぱしる“漫画新幹線”、これが、新雑誌『少年ジャンプ』のイメージです。
さて、みなさん、新しい、生まれたばかりの新雑誌にいちばんふさわしいものはなんでしょうか!?
こたえはひとつです。新しい漫画家の、そうですきみの漫画作品なのです。
読者にいちばん近い年令の、若いきみが、全力でかきあげた漫画こそ、読者がまちのぞんでいるものです。
(中略)
きみが漫画家を志すならいまこそチャンスです。
きみの熱意とたましいをこめた、新鮮な作品をおくってください。
その中から、漫画界をリードする大型新人が、ぞくぞく登場することを、心から期待しています。

ぼくはこの52年前の文章にも、しびれました。(暗記したいくらい)
新しい作家に全力で期待する。
それも、創刊号から一貫した「少年ジャンプ」の姿勢でした。

すでに創刊号に綴じ込まれていたアンケートハガキ

3つめに僕が参考にしたのは、アンケートハガキです。

「少年ジャンプ」はアンケート至上主義とよく言われますが、創刊号からアンケートハガキは綴じ込まれていました。

「少年ジャンプ創刊号」の中で面白かった漫画二つ

創刊号のハガキにはこんなアンケート項目があります。
選ぶ選択肢の数が違うだけで、52年前から読者の意見を反映して「少年ジャンプ」の編集に生かしていくという方針は始まっていました。

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ただ読者の意見を聞いただけではなく、制作コストがかかっても「ハガキを封入」し、「懸賞企画」としてアンケートの回収率を上げる。
そんなシステムは52年前の創刊号で、既に完成されていました。

(※それが当時珍しいことだったのかどうか、ぼくは他の漫画誌の歴史に詳しくなく、把握していないのですが…。)

新しかった作者と編集者の関係性

4つめに注目したのは、目次ページでした。

いまの「少年ジャンプ」と同様、52年前の創刊号にも、目次ページに「編集者のコメント欄」がありました。

そのコメントを一部抜粋して紹介します。

作者と編集者が一体となって、作品を創り出すという、新しい方向をうちだしました。
そして、一流の先生方に精魂こめてかいていただきました。

「少年ジャンプ」では今も編集者が作家と一体となってサポートし作品を創り出しています。
当時「新しい方向」だったらしいその文化は、52年前の創刊から変わらず今も続いています。

「少年ジャンプ」の魂で「ジャンプ+」を企画した

そんな「少年ジャンプ」を意識しながら、2014年から「ジャンプ+」を運営しています。

どんな風にその4つの「思想」を生かして「新しい作品を生み出し、人気作品に導く」という目標を達成しようとしてきたのか、簡単に紹介します。

〇「新しいこと」、そして「漫画の中身が面白いこと」だけを重視する

創刊号では新人No.1のNo.1漫画が巻頭カラーでしたが、「ジャンプ+」をリリースした頃は、周りには既存の人気作品を押し出している漫画アプリが溢れていました。(今もたくさんありますね)
ぼくたちにも、「週刊少年ジャンプ」の人気過去作品を押し出すという選択肢はありました。
その方が広告効果も、売上も、読者の滞在時間も、継続率も確実に計算しやすいのが正直なところです。
しかし、気にせず、「少年ジャンプ」の魂を貫いてきました。
「新しい」「面白い」漫画を前面に押し出す。それを「ジャンプ+」も最も重視してきました。

〇新しい作家に全力で期待する

「少年ジャンプ」創刊号では、漫画賞のページに創刊編集長の熱いメッセージがありました。
漫画賞の機能や思想をどう今の時代に表現すればよいのか。
考えたのは、WEBでの漫画投稿公開サービスでした。

創刊と合わせて「ジャンプルーキー!」というサービスを始めました。
「創刊と同時」というところに、ぼくたちがどれくらい新しい作家に期待しているかが表れていると思います。(すでにここから150人ものデビュー作家を生んでいます。)

〇読者の意見を反映して編集に生かしていく

「ジャンプ+」では、現在のマンガ業界で当たり前になっている「単行本1巻の初速売上で連載継続可否」を必ずしも決めているわけではありません。
毎話の「閲覧数」や、ランダムでエピソード終わりに現れる「アンケート」結果などの数字をみながら各種編集に反映しています。

〇編集者が作家と一体となってサポート

ぼくたちは作家さんをサポートするのに、編集者ができる役割も大きいと思っています。
「ジャンプ+」には、創刊当初から「僕のヒーローアカデミア」の初代担当編集者や、今はさらに「青の祓魔師」の初代担当編集者や「食戟のソーマ」の初代担当編集者など経験を積んだ優秀な編集者、そしてフレッシュで読者に近い力ある編集者に集まってもらい、作家さんと一体となって向き合っています

「ジャンプ+」の現状と課題

創刊から6年経ちました。
漫画誌「ジャンプ+」の機能であり目標、つまり「新しい作品を生み出し、人気作品に導く」ことはどの程度達成できているのでしょうか。

「SPY×FAMILY」は、毎回100万人以上の読者に最新話を読んでもらい、4巻で400万部突破の大ヒット中です。
他にも「地獄楽」「終末のハーレム」「怪獣8号」「花のち晴れ」「カラダ探し」「彼方のアストラ」「ファイアパンチ」「青のフラッグ」「左ききのエレン」「とんかつDJアゲ太郎」など、たくさんの人気作を6年で生み出してきました。
漫画アプリでここまで新しいヒット作を生み出し続けているところは、無いと思います。
「ジャンプ+」は今、「NO.1の漫画誌アプリ」だと思います。

じゃあ満足しているのか、と聞かれればその答えはNOです。

ぼくが子供のころ、600万部以上の部数だった「少年ジャンプ」の看板作品は「DRAGON BALL」でした。
家族や友達との回し読みなども考えると、その2~3倍くらい(1200~1800万人)の人数が「DRAGON BALL」最新話を読んでいたのではないかと、ぼくは予想しています。
当時、学校の教室では毎週月曜はその話題で持ちきりでした。

「少年ジャンプ」の思想で企画した「ジャンプ+」ですが、それくらい日本中の読者が連載を追い、熱くなるような場所にしたいと夢見ています。
毎日、1000万人以上の読者が訪れて最新話で盛り上がってくれるような、そんな場所にしたいと思っています。

ぜひ力を貸してください

「ジャンプ+」の「漫画誌の再発明」達成度は、まだ道半ばです。
時代に合わせた、さらなる「再発明」が必要だと思っています。

技術やアイデア、ノウハウを持った皆さま、
「もっとこうすれば「ジャンプ+」は魅力的な場所になる」そんなご提案があればぜひ「ジャンプ・デジタルラボ」に連絡をいただけないでしょうか。
一緒に、新しくて面白いマンガが次々生まれる「新時代の漫画誌プラットフォーム」を作りませんか?
お待ちしています!

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