マックの2階で怒鳴り散らす母親を見た話
「あんたが食べたいって言ったからきたんだよねぇ!!違う!!??」
とある田舎のマックの2階に響き渡る絶叫!
オフの日。
たまにはマックもいいかと、ドライブがてらちょっと離れたところのマックの2階へ。
さて仕事をしようかと思った矢先に聞こえてきたのが冒頭の母親の怒鳴り声。
いやいや、さすがに大げさな表現でしょうと思われるかもしれませんが、それが本当にすごい剣幕で。途中で「もういいわ、俺下(1階)行く」と、聞こえよがしに席を立つ人までいる始末。
結局2階席にはその親子以外、僕ともう一人、イヤホンをしてPCとにらめっこしているサラリーマン。ノイキャン機能あり?いいなぁ。お疲れ様です。
怒鳴っていた母親は、恐らく30歳前後で普通の、ちょっとゆるふわ?としたアース系※っていうのかな、そんな服を着た、まぁこう言っちゃ失礼だがどこにでもいる普通のママ。窓際の机を二つくっつけた席に右には3歳くらいのお姉ちゃん、左にはまだ数ヶ月であろう赤ちゃん。こちらは赤ちゃん用のテーブル付き椅子。
怒りは右に座らせた3歳くらいのお姉ちゃんに向かっているようす。
※「アース系」って言われて(earth wind & fireかーなつかしいなーと思いつつ)ファンク系好きなんだー意外だねーって言ったらearth music & ecology系ってことで、あぁイオンにあるお店ね、という。ベクトルが全然逆なのでみなさん気をつけましょう。「アース系」って他で言うかどうか知りませんが。
怒鳴り声は延々続きます。
「ねぇ、あんたいつもこうだよねぇ!!これママが一生懸命働いて、あんたが食べたいって言うからきたんだよねええ!ちがう??」
「ちーがーうーーーー」
お姉ちゃんの方ももう、なにを怒られているかわけ分かんなくなって、母親の怒りにオウム返しするのが精一杯。
もうずっと怒っていたことが分かるくらい、もうね、ずっと山頂なんです。怒りって普通、だんだんボルテージが上がっていくじゃないですか。
そりゃたまには急にキレ散らかす人もいるけど、多分さっき登り始めたテンションじゃなくって、ずっと山の上ってのが分かるくらい。そんなさなかに僕が突入したわけです。
「もうダメ、もう遅いから、終わりだから!!!もういいから!!はい、おわりだから!!」
もうずっとこの調子。人間ってこんなに怒った状態を継続出来るのかってくらい、ずっと。のぞみなら多分静岡県まるまる通過するくらいはずっと。
追加の注文をしにいくのか、途中で母親が離席するとき「○○(姉)、ちゃんと△△(弟?妹?)を見てて!!!いい!!みててよ!!」と、席を離れて階段を降りながら対角線の端まで聞こえる声でがなっています。階段ドンドン言うし。すごい。
みなさんならどうします?
これは、注意すべきなんだろうか。
しばらくその声を聞きながら考えていました。
なにに対して注意をするのだろうか?
他のお客に迷惑だから?いや、僕とサラリーマンがいるだけだしな。少なくとも僕はこういう空間がそれほど不快というわけでもないので(それも変だが)。
子どもへの怒り方が尋常じゃないから?でも子どもも慣れている風だし、そもそもよそさまのことだしな。
すっげーやべー人かもしれんし、やっべーひとって思われるかもしれんし。
結局、誰にも何かを言われることもなく、その怒りまくった母と子どもたちは程なくして出ていきました。
たぶん責める理由はいろいろある。録画してSNSでアップしたら炎上していたかもしれない。
「ひどい」「迷惑」「児相に連絡」とか、X界隈だとすぐ「警察!」とか言い出す人が出てきそうな局面。
いきおいや怒鳴り方、内容だけみれば、毒親っぽいけれども。
話の内容から推測するに、母親も普段働いていて忙しい。ちょっとした平日の昼間、つかの間の休息も、子どもが望んだからマックに連れてきてくれた。
左にはまだスプーンも上手に使えない小さな子。右では聞き分けのない(かどうかはわからんけども)お姉ちゃん。
母親のほうにも怒る「理由や状況」はあったのかなと思いながら。
もちろん「理由や状況」がなんなのかは分からないし、虐待とかもっと大きな事情が隠れていたかもしれない。それこそ通報した方が良かったのかもしれない。
いや、怒る事情があったとしても、あんな怒り方してもいいのか?
しかしそれより母親がとんでもなく夫からモラハラを受けているかもしれない。
父親が事故死して、2人の子どもを抱えて一杯一杯かもしれない。
「子育て支援」ってよく聞くけど(ちょうど都知事選の翌日だったし)、こういうのって結局誰にもどうにもできないんだよね。
でもこのとき一番に考えたのは、
「普段子育てしていない男が偉そうに口をはさむな」
でした。うちの子、もう大学生と高校生なんですが、ほとんど自分がなにもしてこなかった負い目が重くのしかかりました。
うちの妻もこうだったのだろうか。世の中のお母さん、みんなこんな感じなんだろうか。
まだ半分くらい残っているホットコーヒーを片手に帰ってきました。
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