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バーガー屋さんでばったり4年越し

こないだ、以前一緒に働いていた大学生(当時)に会いました。

いつものとあるバーガー屋さんにてぼーっとしていたのですが(ぼーっとし過ぎです)、そろそろ家に帰ろうかと荷物をがさりがさりしていた時でした。目の前に、見たことのある青年が突如現れたのです。

まるで、ちょっとしたドラマのような空気が流れたような、そんな感じです。
(ここのバーガー屋さんはどこの街にもあるような一般的なお店ですが、部屋の真ん中に皆でテーブルを囲むようにして座る席があります。目の前の仕切りは、卓球のネットのような低いものがあるだけです。僕はそこに座っていました。)


さあ。見た事ある青年に、まずはそこからどうしようか考えます。
僕は“帰ろうとしていた”ので、そのまま立ち去る事もできるんですよね。
が、しかし。

目が合って、”じっと3秒程見つめ合って”、、、これは気持ち悪い言い方なのでやめましょう。

目が合って3秒程お互いに硬直してしまいました。「うぐぐ!!…こ、コイツは……!!!!」そんな感じです。


おっと。
こうなってしまえば話しかけないとなんだか悪い気もする。
しかし、彼も、「誰だよお前、こっち見んな。」って感じでもありません。
お互いに、ちょっとだけ笑って「あ、あの。アレですよね。へへへっ、あのアレですよね?」

と、名前も顔も知っているんだけど、このまま話しかけていいんですか?という感じです。
こうなりゃ当然僕は話しかけます。「え。あの、ーーーーくんだよね?元気かい?」


そうやって名前を出してあげると相手も安心したのか、ポロポロと喋り出します。


たぶん、僕は容姿がずいぶんと変わっていたので話しかけにくかったんでしょう。
いくらか話していると、「ずいぶん見た感じが変わりましたね。」と言い出しました。

当時の僕は水泳のインストラクターをしていて、(彼も同じところで働いていました)容姿は爽やかな感じでいなくてはいけなかったのです。
それにこのバーガー屋さんでは帽子をかぶっていました。ほとんど別人です。
帽子をかぶっているし、あの頃よりも随分太ってしまいました。たぶん10キロほど太っていると思います。
顎髭を生やしているし、最近は作業着がテーマなので、見るひとは何かの職人さんなのではないかと思うはずです。(本物の職人さんならもうちょっと男らしい感じですが)

………………………………


ふぅ。
ひとしきり話しました。

久しぶりに誰かと会うと、あの頃と今の事を照らし合わせるような会話です。あのひとは元気か?とか、今何してるんだとか、どこに住んでるんだとか(ちなみに後で一緒に帰ったのですが、かなり家は近かったです。)

で、ここからの話がかなりショックでした。


彼が大学の卒業と同時に職場を辞めて何年になるのかと聞くと、もう4年になるんだと言われたんです!(え!?マジンコか?)

そう4年越しに偶然ばったりと会ったのも驚きなんですが、当時一緒に働いていた学生さん達も若いかと思いきや、みんな30代に近いんだという事なんです!
そうです。大学を卒業して4年も経つとすぐそこに30歳というひと山が現れるんですね。
それもそのはずですよ。僕もその分、歳を取っている事に気が付きました。容姿も変わるはずです。体力も落ちますし、シワだって増えているはずです。”自分もまだまだある程度若いな”なんて思っていたんですが、そんな事はなかったです。


そうなんですよね。
未だに大学生と連んだりして若ぶっていますが、普通におじさんです。


何を学ぶんだとか、何して遊ぶんだとか、太ったとか痩せたんだとか、ファッションがどうとか、惚れた腫れたと話している場合でもないし、朝が弱いとかどうやって稼いでいくんだとか、未だに考えている自分が、なんだか恥ずかしいような情けないような、そんな気持ちになってしまいました。

とは考えてみるものの、何していいやらわからずで、あたふたあたふた。


まーいーか。

「生きてる? そりゃ結構だ。」


と男はつらいよの寅さんは言っていました。
自分が何をして生きていたって、振り返ると恥ずかしくなるもんだと、こないだ考えたばかりだし、何を学ぼうとも何をして遊ぼうともキリがありません。ブームを追いかけようが、若さを追究しようがそのうち何もかも”古くなる”んです。

そう。
貯め込んだ知識や経験だって、そのうちそのうち役に立たなくなってしまって、若者から「そんなのは過去の栄光に過ぎない」と言われるんですよね。


自分はもう若くはないんだって事に嘆いてしまうよりも、若者と同じ土俵に立たせてもらっていて、話をしたり、食事や酒を呑んだり、一緒に仕事ができる、させてもらっているってだけでかなり幸せな事です。

身体の劣化や老化を悲しんだって仕方ないのです。時の経過をいかに楽しむかなんですかね。老化を含めたいろんな変化を楽しんでおもしろがるのは良い事です。


”若者に遊ばれるうちが花”ですね。


スーパー初心者だな、これからの僕は。

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