【進学校の横比較】女子二番手編(雙葉・フェリス・洗足・白百合・お茶女・明の星・吉祥女子・鷗友・頌栄)
同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画、今回は女子の二番手、四谷大塚偏差値で61〜67にひしめく女子校編です。雙葉・洗足学園・浦和明の星女子・フェリス女学院(フェリス)・白百合学園・吉祥女子・お茶の水女子大学附属(お茶女大)・鷗友学園女子・頌栄女子学院を対象にしています。
偏差値で区切るのが難しいところですが、国公立大の合格実績で見ると頌栄女子までで明確な区切りができるそうなのでここまでとしています。なお、お茶の水女子は高校から女子校になるのでこちらで扱います。
1. 大学合格実績の比較
大学合格実績は、昨今の現役重視の流れを汲んで現役合格のデータを使用します。また並び順は、東京一工医(東大・京大・一橋・東工大と国公立医学部)の黄色ラインを基準にしています。
共学とも比較できるよう、最上位編で取り上げた渋谷教育学園幕張(渋幕)・渋谷教育学園渋谷(渋渋)・筑波大学附属(筑附)の3校も並べて表示します。
国公立大学実績(2022〜2024年)
国公立大学は、卒業生数を現役合格者数で割った数字を集計します。ここだけ最上位編の3校も縮小して並べてみます。
東京一工医(黄色帯)で見ると、女子学院と豊島岡が20〜25%、洗足学園が15%前後ということで、まあここでラインを引くので妥当かなと感じます。二番手校の中で見ると、10%を超えているかどうかのラインが鷗友とお茶女大の間にあるので、敢えて線を引くならそこかなと思います。
内訳で見ると、東大が多いのが洗足・フェリス・雙葉・白百合、医学部が多いのがフェリス・雙葉・白百合という感じかと思います。国公立全体では洗足・鷗友・お茶女大が30%を超えていて多めと言えると思います。
全体感として、同偏差値帯の男子校に比べると正直ちょっと見劣りする感があり、男子三番手校と大体同じくらいかなという印象です。個人的には、このクラスの女子校からもっと国公立大に行くようになってほしい(日本社会の変革のため)と思ったりするので頑張ってほしいです。
私立大学実績(2022〜2024年)
私立大学は重複合格が多いですが、卒業生数を100%としたときの割合を積み上げてグラフ化しました。
全体的に女子校は上位私大が多い傾向というのがこのグラフからわかるかなと思います。下に載せている共学3校との比較で、国公立は正直見劣りするグラフでしたが、ここでは似たようなイメージになります。
各学校で目立つところと言えばやはり頌栄ですかね。早慶だけでも100%を超え、MARCHまで含めると400%近くになります。
せっかくなので、早慶・上理・MARCHの割合を数字で出してみます。
私大は抑え受験も多く、例えば早稲田に進学した人が上智や明治なども複数合格しているようなケースは多々考えられるので、私大を中心に受けているなら早慶よりMARCHの方が合格者が多くなるはずです。早慶が多くなっている学校については、むしろ早慶が抑えになっていて狙いは難関国公立大なんだと思います。
そういう意味で、女子二番手校については難関私大も十分に主戦場なんだろうと思いますが、学校ごとに若干カラーは違いそうなので、色々見てみて考察してみると面白いかもしれません。
合格者総数(積み上げ)
合格者人数を積み上げてみるとこんな感じです。
合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
雙葉・フェリス・お茶女大・頌栄女子・浦和明の星の医学部データは進学情報誌さぴあ(2024年分はインターエデュ)より
まあ卒業生数に比例して人数も多くなっているかと思いますが、やはり洗足と頌栄は多いですね。
現役進学者の割合(2022〜2024年平均)
続いて、合格者だけでなく進学者も公開してくれている学校について、進学率もグラフにしておきます。
進学者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
*豊島岡・吉祥女子・頌栄女子の医学部はデータがないので仮の値です(国公立は合格者全員が進学しているものとし、私立は合格者の1/3が進学として計算しています)
とりあえず男子に比べると現役での進学率がかなり高いです。
内訳を見ていくと、どの学校も早慶の濃い赤が目立ちます。合格者数と見比べてみると面白いですが、私大についてはより上位の学校が進学先として選ばれるというのがわかります。当たり前といえば当たり前ですが、合格者数を見るときの参考にはなると思います。
海外大学実績(2020〜2024年)
最後に海外大学への合格者数です。単年度だと波が大きいので5年間の表を出します。
ここは洗足学園が目立ちますね。調べた限り、女子校の中ではちょっと抜けた実績なのではと思います。名門大学へも毎年合格者が出ていて、流行りの国際系と比べても悪くない実績だと思います。
その他の学校はそこまで違いはない感じですかね。
ちなみに頌栄女子はイギリスにWinchester Shoei Collegeという系列校があり、毎年2〜5名くらいの進学者がいるようです。ここは2年制のカレッジですが、その後は名門Winchester大学の学士課程に進むことができるらしいです。狭き門かもしれませんが、こういう道があるのは良いですね。
2. 偏差値推移の比較
サピックス80%偏差値と四谷大塚50偏差値を見ます。年度ごとだと重なりが出て見づらいので、それぞれ前後3年の平均を出してそれをグラフ化しています。
今回は線が多すぎて見づらいので、2月1日入試と2日以降とに分けて出します。(浦和明の星①は2月1日に含む)
2月1日入試
ぱっと見、似たような線を描いているように見えますが、特に気になるのは次の点ですかね。
直近数年で洗足学園とフェリスが完全に入れ替わった
吉祥女子と鷗友学園がここ数年上昇している
2月2日以降入試
こちらもここ10年での入れ替わりが起きているようで、気になったのは次の2点です。
鷗友学園・洗足学園・吉祥女子の上昇が大きい
お茶女大が急降下している
いずれにしても、上昇の学校は日程に関係なく上昇している感じがありますね。
2. 教育内容の比較
教科学習のカリキュラムについては、私立中高一貫校では大学受験に照準を合わせたいわゆる先取りをどこもやっていると思いますが、それ以上深掘りして横比較できる情報がないので、授業以外のプログラムについて比較します。
教育環境
今、世の中的に関心を集めているであろう次の3点について比較します。
グローバル教育
探求型学習・キャリア教育
ICT環境/教育へのICT活用
この辺りを見ていると学校ごとに特色があって面白いです。海外研修に関しては取り組みに結構な差があり、希望者全員対象のプログラムがあるのは洗足学園と吉祥女子、人数枠の中で行くのが鷗友学園・白百合学園・頌栄女子、学校としてのプログラムがないのがフェリス・雙葉という感じでしょうかね。
ICT環境については外部発信していない学校は空欄になっていて、空欄でないところも調査できたものだけが掲載してある状態です。外部から見えないだけという可能性も大いにあるし状況は日々変わっていると思うので、この一覧表でどうこう言うよりも、気になる方は学校説明会などで聞いてみていただくのがよいと思います。
鉄緑会率
この中で鉄緑会指定校になっているのは雙葉しかないので、とりあえず女子校4校について並べて出しておきます。
女子学院と雙葉が同じくらいですかね。
4. まとめ
以上、女子のY偏差値60代グループをまとめました。何かの気付きになったり判断材料になるものが少しでもあればと思います。
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