【進学校の横比較】女子・共学最上位編(桜蔭・女子学院・豊島岡+渋幕・渋渋・筑附)
同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画、今回は女子の最難関を取り上げます。
大学合格実績で見ると桜蔭1校だけが突出しているのでどう取り出すか迷いましたが、最終的に四谷大塚偏差値で70を超えているところを基準にしました。
で、桜蔭・女子学院・豊島岡の女子校3校を挙げたのですが、女子の場合は共学校も選択肢として割と大きな存在になっていると感じるので、渋谷教育学園幕張(渋幕)・渋谷教育学園渋谷(渋渋)・筑波大附属(筑附)も一緒に取り上げようと思います。
1. 大学合格実績の比較
大学合格実績は、昨今の現役重視の流れを汲んで現役合格のデータを使用します。
国公立大学実績(2022〜2024年)
国公立大学は、卒業生数を現役合格者数で割った数字を合格率として集計します。
一見して分かる通り桜蔭が頭ひとつ抜けている感じです。共学最難関といわれる渋幕・渋渋よりもだいぶ上で、男子最上位の3校(筑駒・開成・聖光学院)と比較した方が良い感じになっています。
次にくるのが渋幕・渋渋で東京一工医(黄色帯)までで約30%、女子学院・豊島岡・筑附は20〜25%という感じです。女子学院と豊島岡を比較すると、女子学院は東大が多め、豊島岡は医学部が多めという感じで方向性の違いがありそうです。
私立大学実績(2022〜2024年)
私立大学は重複合格が多いですが、卒業生数を100%としたときの割合を積み上げてグラフ化しました。
男子最上位とは大きく異なり、女子の場合はどこも私大合格者が多いです。桜蔭・女子学院は医学部+早慶で卒業生数の100%を超えます。渋渋も同様です。
そして渋幕・筑附以外は、MARCHまでの合格人数で卒業生の200%、2倍程度に達します。渋幕がやや低いのは男子の方が多く、現役志向がそこまで高くないためと考えられます。筑附も現役志向はあまり高くないようです。
女子の場合は現役志向が強いので、このあたりの学校は国公立を目指しつつ私大も受け、いずれかに現役で進学している人が多いと見ることができると思います。
合格者総数(積み上げ)
ここまでは卒業生との割合で見てきましたが、合格者人数を積み上げてみるとこんな感じです。
人数の多い豊島岡や渋幕は、合格者の数も多い感じになりますね。
海外大学実績(2020〜2024年)
最後に海外大学への合格者数です。単年度だと波が大きいので5年間の表を出します。
渋幕・渋渋はイメージ通りというか海外大学実績はそれなりの数があります。そこと比べると女子校3校はだいぶ少ない感じですが、それでもゼロではなさそうです。
桜蔭はデータのない年があり、大学名も触れられていないことが多いので自力で進学する人が1人出るかどうか、という感じじゃないかと思います。女子学院も人数の出方からすると年に1〜2人という感じです。毎年合格者を出しているのは豊島岡で、ここはもしかすると学校側のサポートも多少あるのかなと感じます。
渋幕・渋渋の2校で比べると、渋渋の方が卒業生が2/3くらいなのに全合格者数も上位大学の数も多い状態なので、渋渋の方がより海外志向が強いのかなというのが見えます。
2. 偏差値推移の比較
サピックス80%偏差値と四谷大塚50偏差値を見ます。年度ごとだと重なりが出て見づらいので、それぞれ前後3年の平均を出してそれをグラフ化しています。
桜蔭はほぼ動きがないので、そことの比較で見ていくとわかりやすい感じがします。
サピックスで見ると女子学院・豊島岡・筑附はともに10年前より上昇(難化)している感じです。2月3日日程ではありますが、豊島岡②と筑附は桜蔭より1ポイント上となっているようです。
一方、四谷大塚で見るとちょっと違った見え方になっていて、直近の2・3年だと女子学院・豊島岡①が共に下落していて、桜蔭との差が広がっているように見えます。豊島岡②が上昇というのはサピックスと同様の動きですが。
そしてやはり大きいのは渋幕・渋渋の上昇ですね。特に渋渋は、10年前とはポジションが変わっていて、今や完全に最難関の一角として位置付けられていると言えるでしょう。あとは渋幕①のサピックス偏差値の上昇が激しいです。ここだけ日程が違うので何とも言えませんが、とりあえず女子の偏差値表では圧倒的に上にいるという点(偏差値表を見ている人のイメージ)はおさえておきたいところです。
3. 教育内容の比較
教科学習のカリキュラムについては、私立中高一貫校では大学受験に照準を合わせたいわゆる先取りをどこもやっていると思いますが、それ以上深掘りして横比較できる情報がないので、授業以外のプログラムについて比較します。
教育環境
今、世の中的に関心を集めているであろう次の3点について比較します。
グローバル教育
探求型学習・キャリア教育
ICT環境/教育へのICT活用
ここは学校による差が結構ありそうです。豊島岡・渋渋・渋幕・筑附のプログラムの多さが目立ちます。特に学年全員が対象の海外研修は、男子校含めてもこの偏差値帯だと渋谷系の2校しかありません。
この辺りは学校に何を求めるかで変わってくるところかなと思いますが、参考まで。
鉄緑会率
大学受験のために追加で塾が必要なのかというのは親的に気にするポイントだと思います。
とりあえず東大に圧倒的な実績があり、指定校の在籍者数を公開している鉄緑会の通塾割合を表にします。鉄緑会の数字だけではわからないし高校の間だけ通うという人も含まれるので、この割合がそのまま通塾割合にはなりませんが、ひとつの目安として見てみてください。せっかくなので雙葉も載せておきます。
とりあえず桜蔭の6割というのはすごいですね。筑駒の7割ほどではありませんが、開成の5割よりもだいぶ高いです。全学年での数字なので、中1から半数以上が通っているとまでは言い切れないと思いますが。
あとは筑附が3割以上で多めです。筑駒もそうですが、国立大学附属は先取りカリキュラムではないので、大学受験を見据えて通塾する人が多いのかなと思います。
それ以外はまあそこまでの差は感じないですね。女子学院や雙葉と、桜蔭とでこんなに差があるのが個人的には意外でした。
4. まとめ
以上、女子と共学の最上位校グループをまとめました。何かの気付きになったり判断材料になるものが少しでもあればと思います。
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