神社詣で出会ったねこは全部で13匹いた。 子どものころよく読んだ『11ぴきのねこ』のように、 ここにもねこ大将がおり、みんなを守っていた。 『11ぴきのねこ』との違いは、 このねこ大将が、非常に美しいということだ。 一見すると普通の「のら猫」かと思いきや 出会う人はなぜか彼女(ねこ大将)に心惹かれ、 その場からしばらく離れられない、 カシャカシャと撮影会が始まり 彼女との出会いに感謝する。 今日、神社に来て本当によかった、と。 ねこ大将の名前はちいちゃん。 白と茶色の模様に
はじめてのらねこ会議を見た日から 8年たった初夏の朝、ウォーキングがてら神社に詣でた。 八面玲瓏の空気が澄み渡る中、 神社正門の階段を登ると、 舌なめずりする数匹のねこが現れた。 誰かを待っているようだ。 還暦を越えた頃の女性が大荷物を抱えて道を渡り、 こちらに向かってくるのがわかると、 さらにねこの数は増える。一匹、二匹、三匹…… 大鳥居下はあっという間に大勢のねこらでにぎわった。 ねこの餌やり……その存在に、やや安心した。 飢えてはおらず、毎日十分な食事、神社境内という
この物語を13匹のねこたちに捧げる。 彼らがどこかの家に引き取られることになろうと、 このままお外で生活し続けることになろうと、 彼らの未来が、 温かい冬、涼しい夏を迎え、 毎日、心ゆくまでおいしい食事を堪能でき、 できる限り雨風をしのげるように、 そして毎日が幸せでありますように……。 彼らとの出会いは約12年前に遡る。 当時まだ幼い息子と一緒に、近所の神社へ詣でたときのことだ。 急いでいたわけではないが、 神社の裏門に面した自宅から最短距離で本殿に向かうため、 表門の存