伊藤蘭丸

編集者・ライター。出版社勤務を経て独立、現在に至る。今まで犬派(とくに柴犬好き)として…

伊藤蘭丸

編集者・ライター。出版社勤務を経て独立、現在に至る。今まで犬派(とくに柴犬好き)として生きてくるも、あるのらねこ軍団との出会いがきっかけで、猫派としてのキャリアをスタート。のらねこさんたちの過酷な環境下でも楽しく、たくましく生き抜く日々を追い続けている。

最近の記事

13びきの神社ねこ

神社詣で出会ったねこは全部で13匹いた。 子どものころよく読んだ『11ぴきのねこ』のように、 ここにもねこ大将がおり、みんなを守っていた。 『11ぴきのねこ』との違いは、 このねこ大将が、非常に美しいということだ。 一見すると普通の「のら猫」かと思いきや 出会う人はなぜか彼女(ねこ大将)に心惹かれ、 その場からしばらく離れられない、 カシャカシャと撮影会が始まり 彼女との出会いに感謝する。 今日、神社に来て本当によかった、と。 ねこ大将の名前はちいちゃん。 白と茶色の模様に

    • 朝ごはんは卯二つ時に

      はじめてのらねこ会議を見た日から 8年たった初夏の朝、ウォーキングがてら神社に詣でた。 八面玲瓏の空気が澄み渡る中、 神社正門の階段を登ると、 舌なめずりする数匹のねこが現れた。 誰かを待っているようだ。 還暦を越えた頃の女性が大荷物を抱えて道を渡り、 こちらに向かってくるのがわかると、 さらにねこの数は増える。一匹、二匹、三匹…… 大鳥居下はあっという間に大勢のねこらでにぎわった。 ねこの餌やり……その存在に、やや安心した。 飢えてはおらず、毎日十分な食事、神社境内という

      • はじめて「のらねこ会議」を見た日

        この物語を13匹のねこたちに捧げる。 彼らがどこかの家に引き取られることになろうと、 このままお外で生活し続けることになろうと、 彼らの未来が、 温かい冬、涼しい夏を迎え、 毎日、心ゆくまでおいしい食事を堪能でき、 できる限り雨風をしのげるように、 そして毎日が幸せでありますように……。 彼らとの出会いは約12年前に遡る。 当時まだ幼い息子と一緒に、近所の神社へ詣でたときのことだ。 急いでいたわけではないが、 神社の裏門に面した自宅から最短距離で本殿に向かうため、 表門の存

      13びきの神社ねこ