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【1分読書】『起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』

本書のあらすじ

常識を軽々と超える思考と行動。時代のはるか先まで見通す先見性。
リクルート創業者、江副浩正こそ、日本が誇る最大の「起業の天才」だった。

ネット時代の到来を予見し、コンピュータとそれを操れる人材に猛烈に投資。日本型経営を断固拒否し、才能とモチベーションを極限まで引き出す「仕組み」を構築。

バブル崩壊で多くの企業に公的資金が投じられる中、1兆8000億円の借金を独力で返済し、時価総額で日本10位までのぼり詰めた、「奇跡の会社」リクルートは、どのようにつくられたのか?

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本書のポイント

この本は、リクルートの生みの親である江副浩正さんの人生を描いた伝記です。江副さんが学生向けの広告会社を始めてから、リクルートを大企業に育て上げるまでのお話が詳しく書かれています。

江副さんがどんな考えを持っていたのか、会社をどのように経営していたのかが、わかりやすく説明されているんですよ。リクルートが大成功を収めた理由や、人材ビジネス業界に与えた影響についても、くわしく分析されています。

江副さんの40年間の歩みを通して、起業家としての生き方や、すばらしい経営者になるためのヒントが詰まった一冊です。

江副浩正ってどんな人?

江副浩正さんは、1939年に東京で生まれ、東京大学の法学部を卒業しました。1960年に学生向けの広告会社を始めたのが、リクルートの最初の一歩です。

江副さんは、ユニークな経営方法とビジョンで会社を引っ張り、リクルートを日本でも指折りの人材ビジネスの会社に成長させました。社員の能力を伸ばすことや、良い会社の雰囲気を作ることにも力を入れていました。

色々な事業にも積極的に取り組み、リクルートグループを大きく発展させました。1997年に会長を退くまで、江副さんはずっとリクルートグループの成長を引っ張り続けたのです。

読者の反応は

この本が出版された時、ビジネス界ではすごく話題になりました。江副さんの起業家魂や、リクルートのユニークな経営方法に、多くの人が興味を持ったんです。

特に、江副さんの人材ビジネスへの情熱や、良い組織を作るための努力は、たくさんの経営者や人事の人の心を動かしました。

リクルートの成功物語は、日本のビジネス界全体に大きな影響を与え、起業家精神の大切さを再認識させるきっかけにもなりました。この本は、ベストセラーになり、江副さんとリクルートの名前を、もっと多くの人に知ってもらう役割を果たしました。

この本の主なテーマとメッセージ

この本の主なテーマは、江副浩正さんの人生を通して、起業家精神の大切さと、すばらしい経営者になるためのポイントを探ることです。江副さんの生き方や考え方、行動力が詳しく描かれることで、読者の皆さんに起業家としての心構えや、困難に立ち向かう勇気を与えてくれます。

また、リクルートの成功例を分析することで、自分だけのビジョンを持ち、それを実現するために行動することの大切さを教えてくれるんです。さらに、人材ビジネスの可能性と、社会に与える影響の大きさを伝えることで、この業界の重要性と将来性を教えてくれます。

ちなみにリクルート事件とは

リクルート事件は1988年に発覚した日本の大規模な汚職事件で、政界や官界に大きな影響を与えました。この事件の中心にいたのは江副浩正で、彼はリクルート社の社長として活動していました。事件の発端は、リクルートが関連する不動産会社「リクルートコスモス」の未公開株を政治家や官僚に譲渡し、これが賄賂として機能したことでした

贈賄の経緯

江副浩正は1984年から1985年にかけて、リクルート社の政治的な地位を高めるために、多数の政治家や官僚にリクルートコスモスの未公開株を譲渡しました。これらの株は後に上場され、譲渡された政治家や官僚は大きな利益を得ました。これが公になると、政治とビジネスの癒着が問題視されました。

事件の発覚とその影響

この問題は1988年に朝日新聞によってスクープされ、その後、他の新聞社も後追い報道を行いました。これにより、数多くの政治家や高官がこの株式の譲渡を受けていたことが明らかになり、日本の政界と官界に大きな動揺をもたらしました。事件は「リクルート事件」として広く知られるようになり、日本の政治に対する信頼を大きく損ねる結果となりました。

江副の行動と法的な結末

事件が発覚した後、江副は「抑うつ症状」で病院に入院し、一時的に公の場から姿を消しました。しかし、法的な責任から逃れることはできず、最終的に贈賄罪で起訴されました。2003年には、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けました。

リクルート事件は日本の政治とビジネスの間の不透明な関係を浮き彫りにし、その後の政治改革の一因となりました。また、この事件は企業倫理と透明性の重要性を強調する教訓として、今日でも引き合いに出されることがあります。

ひとりの起業家を、社会全体で吊るし上げ、犯罪者の烙印を押した「リクルート事件」
江副は2013年1月31日に東京駅で倒れ、人事不省のまま2月8日に息を引き取った。 76歳だった。いや、実際にはもっと前、 52歳のときに日本という国に殺されていたのかもしれない。
日米欧を繫ぐ夢の実現に着手した矢先、思いもしない方向から飛んできた直撃弾によって、その社会的生命を撃ち抜かれたからだ。(P.17より)

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書籍版の帯広告のネタバレ

書籍版の帯広告にある「(Amazon創業者である)ジェフ・ベゾスはこのヤバイ日本人の部下だった」という文言。

これはジェフベゾス氏が当時勤めていたファイテル社を、江副氏が買収していたことを指しています。

現在アマゾンの収益源の柱となっているAWS(企業向けクラウド・コンピューティング)を、 30年以上も前に構想していた。

1984年、日本でも通信の自由化が決定する。日本の通信を独占していた日本電信電話公社(電電公社)が民営化されNTTになると同時に、民間企業に通信事業への門戸が開放された。

江副は、情報通信分野に怒濤のような投資を開始する。1987年のファイテル(当時、ジェフ・ベゾスが勤めていたベンチャー企業)買収はその流れの中で打った重要な布石のひとつだった。(P.14より)

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どんなところが面白い?

この本で特に面白いのは、江副さんの起業家としての才能や考え方が、具体的な話を交えて描かれているところです。

例えば、学生向けの広告会社を始めた頃、江副さんが狭い市場に目をつけ、事業を軌道に乗せていく過程では、江副さんの市場を見抜く力と、リスクを取る勇気がよくわかります。

また、リクルートの事業を大きくしていく中で、江副さんが常に従業員の自主性を大切にし、みんなのやる気を引き出すことに力を入れていたこともすごく印象的です。

さらに、江副さんの人材ビジネスに対する情熱と、この事業を通じて社会の役に立ちたいという強い思いは、読者の心を打ちます。この本は、江副さんという人の魅力に迫ることで、起業家としての生き方や、経営者としての心構えを学ぶことができる、とても価値のある一冊です。

読者の評価

この本は、江副浩正さんという偉大な起業家の人生を、リクルートの歴史と一緒に詳しく、そして公平に描き出したすばらしい伝記だと言えます。

作者は、周りの人からの話をもとに、江副さんの人となりや経営方法を丁寧に書いているので、とても信頼できる内容になっています。

また、リクルートが成功した理由や、日本の人材ビジネス業界に与えた影響についても、いろんな角度から分析されているので、読者の理解を助けてくれます。

この本は、起業家や経営者、ビジネスパーソンの皆さんにとって、たくさんのヒントが詰まった一冊であり、日本のビジネスの歴史を知る上でもとても大事な本だと言えるでしょう。

江副さんの生き方や考え方に触れることで、読者の皆さん自身の仕事や人生を見つめ直すきっかけにもなるはずです。ビジネス書の中でも、特に価値の高い一冊だと評価されています。


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