インプットまとめ[2023年10月]
気がついたら10月どころか11月が終わりそうで、慌ててこの記事を書いている。
10月はなんと2回も旅行をしていたので(というのは言い訳ですが)、読書は全然捗らず、今年初めて一冊も本を読み終わらない月となってしまった。先月言っていた、「紙の本を読む」という目標は、なんなら11月もほんとうに危ういので、12月に頑張るしかない感じになっています。どうなることやら。
そんな10月は美術館・博物館多めでお送りします。
映画
Netflix ロアルド・ダール・コレクション
「毒」「ねずみ捕りの男」「白鳥」「ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語」
ちゃんと情報を追っていなかったので無知で恐縮ですが、「めちゃくちゃ『フレンチ・ディスパッチ』みたいだな~」と思っていたら本当に同じ監督だった。ウェス・アンダーソンの作品は、そのほかには「グランド・ブダペスト・ホテル」しか見たことがないけれど、けっこう好みの監督だということを今回自覚したので今後も追っていきたい。これは彼の作品に共通して言えることかもしれないが、舞台を観ているような演出になっているのが、最初違和感があるけれどだんだん癖になってくる。ロアルド・ダール自身が登場して語るのも面白かった。ロアルド・ダール役のひとがご本人にめちゃくちゃ似ている。ヴォルデモート役の俳優さんなんですね。
原作は読んだことがないが、小説をそのまま忠実に映像化したような印象を受けて、それもよかった。ロアルド・ダールの子供向け以外の作品は読んだことがなかったので、読んでみたら短編を書く上で参考になることが多そう。個人的には特に「ヘンリー・シュガーの~」が面白かった。話が入れ子形式になっているので、森見登美彦の『熱帯』を思い出した。カンバーバッチの演技はやはり好き。
「ゴッド・ファーザー最終章 マイケル・コルレオーネの死」
ついに三部作を全部観た。個人的にはこの最終章が一番面白かった。話が最後に向かってどんどん盛り上がっていく感じがテンポよく、また最後のオペラ劇場でのシーンの、様々なひとの思惑が絡み合うサスペンス調な感じがよかった。三部作の中で一番エンターテインメントに寄っている。
マイケルは父のようにはなりたくなくて、ただ家族を守りたくて、当主になったのに、兄弟を皆亡くしてしまい、最終的には子どもまで死なせてしまうのが、とても哀れだった。父ヴィトは子どもや孫に囲まれて穏やかな最期を迎えたのに、マイケルはひとりぼっちで寂しい最期を迎えるというのも、対照的で哀れすぎる。
マイケルの娘と甥っ子の恋物語が、ラブロマンスとしてとても完成度が高くて良かった。「カズ」という言葉に込められる意味が場面によって変わるのにグッときた。
「エヴァンゲリヲン新劇場版:破/Q」
三部作だと思って一気に見たのに、さらに続きがあってびっくりした。そういえば何年か前に10年越しの続編だ~って盛り上がってたっけ。
全体的に劇伴のセンスがブラックすぎた。特にアスカが暴走するシーンで、「友達でいよう」と流れるのが皮肉すぎるし、アスカは確実にシンジのことを意識しているのに、シンジにとってはあくまで友達なんだなということが伝わってきて悲しくなる。
エヴァに乗るひとたちは全員精神が不安定すぎるので、人選はそれでいいのだろうかと思わずにいられない。子供しか乗れないというのには何か理由がありそう。(ありそうなだけでなかったらどうしよう)マリについては何の説明もなく現れたけど、なにか秘密がありそうでいまいち信用ならない。カヲル君がシンジにとって都合の良すぎる存在過ぎて、こんなの絶対みんな好きになるじゃんと思った。
これは「シン・エヴァンゲリヲン」も観なくちゃいけないやつですね。いままでの伏線を全部すっきり回収してくれたら気持ちいいんだけど、そうはならないんだろうな。
その他
パリ旅行
・オルセー美術館(Musée d'Orsay)
オルセー美術館は個人的にパリの中で1,2を争う好きな美術館で、たぶん行くのは5回目くらい。絵画も好きだけれど、彫刻がこんなにたくさん置いてあるのは他にそうないので、彫刻好きとしてはうれしい。久しぶりに行ったらpomponの白クマが移動されてて、ちょっと残念だった。でも新しい場所のほうが明るくて、写真映えはするかもしれない。ずっとこの白クマのレプリカが欲しいのだけれど、安めのものはクオリティが微妙で、いいやつは高すぎて、ちょっと手が出ない。
・クリュニー美術館/国立中世美術館(Musée de Cluny)
一緒に行った友人がここに所蔵されている「貴婦人と一角獣」のタペストリーが大好きだというので、付き合いで初めて行ったけれど面白かった。ふだん中世美術ってそれほど好き好んでは見ないのだけれど、ある意味風俗研究的な部分もあるのが興味深かった。それからグッズのセンスは他のパリの美術館たちより断然良い。ここは建物自体がかつて貴族のお屋敷だったところで、浴槽跡が残っているのも面白かった。
・ルーブル美術館(Musée du Louvre)
ルーブル美術館は2回目。前回来たときと見たものがかなり違った。さすがルーブル、広すぎて全部見るのはむりだな。前回は絵画を中心に見たので、エジプトなどの古代芸術品の展示がこんなにたくさんあると思わなかった。わたしが一番好きなのはサモトラケのニケ。正直これを見るために来たと言っても過言ではない。
ドイツ旅行
・フンボルト博物館/自然博物館@ベルリン(Museum für Naturkunde)
恐竜や魚などの化石がたくさんあって面白かった。動物のはく製や模型もたくさんあって、それらを作る工程の展示もあったのが興味深かった。
・ベルリン工芸美術館@ベルリン(Kunstgewerbemuseum)
家具や食器などの工芸品の博物館。ちょうど特別展で服飾の歴史の展示をやっていて、それがとても面白かったので、ドイツ語が読めたら図録を買っていたかもしれない。過去の展示の図録も売っていたので、もしまた行くことがあったら欲しい。
・サンスーシ宮殿@ポツダム(Schloss Sanssouci)
日本語のオーディオガイドがとてもちゃんとしていて面白かったので、もっと時間があったら最初から最後までちゃんと聴きたかった。でもそれほど広い宮殿ではないので、たぶん全部聴いても1時間半くらいじゃないだろうか。すべての部屋がぐるりと繋がっているのに、ひとつひとつの部屋の内装が全然違っていて面白かった。一番最後の部屋が植物モチーフで、すごく素敵だった。この部屋なら泊まってみたい。
・ツェツェーリエンホフ宮殿@ポツダム(Schloss Cecilienhof)
ポツダム会談が行われた会場で、いまも当時のままの姿で保存されている。各国の代表団が控えの間として使っていた部屋には、それぞれ大きな本棚があって、ドイツ語とそれぞれの国の言語の本が収められていて、これらは実際に読まれたのだろうかと考えてしまった。
・マイセン博物館@マイセン(Staatliche Porzellan-Manufaktur Meissen GmbH)
マイセン磁器の製造過程のデモンストレーションが丁寧で、ちょっとアトラクションっぽさがあった。美術館のほうは、実用品よりは芸術作品が多くて、磁器製の動物だけが置いてある部屋が一番好きだった。
・バッハ博物館@ライプツィヒ(Bach Museum)
ドイツで行った博物館の中で一番好きだったかもしれない。オーディオガイドが充実していて、体験型の展示も多く、とてもおもしろかった。バッハの作品を高音質で試聴できるコーナーがそこかしこにあって、たぶん一日中でもいられる。ひとがあまりいないのと、座れるところが多いのもありがたい。今までバッハのことは、近代音楽の父と言われているのは知っていても、それほど興味がなかったのに、本当に天才だったんだということがよく分かって、一気に好きな作曲家になってしまった。バッハの作品が1000曲以上あるということも初めて知ってとても驚いたし、毎週金曜日のために新曲を書き下ろしていたと知ってもっと驚いた。比べるのもおこがましいけれど、わたしも毎週ちゃんと三題噺を書けば1000本以上の作品を残せるのだろうかとちょっと考えてしまった。
・ノイエ・ザムルング@ミュンヘン(Die Neue Sammlung)
工芸デザインと現代美術の美術館。説明は英語とドイツ語のオーディオガイドのみだったので聞かなかったが、20世紀の家具や自転車のデザインの変遷など、目で見るだけでもおもしろい展示が目白押しで、いくら時間があっても足りなかった。とくに東ドイツ時代のキャンプ用品が可愛くて、欲しいくらいだった。任天堂のゲーム機なども置いてあって驚いた。デザインというものはありとあらゆるものに関わるので、網羅しようと思ったら、この世のすべてのものを蒐集しなければならなくなるのではないかと思った。
毎月インプットをまとめています。
日記も連載中。
三題噺も鋭意執筆中!
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