秋晴れの空が似合う歌【バイリンガール/go!go!vanillas】
急に涼しくなってきた。肌寒くさえ感じる日もある。
つい最近まで青と夏 / Mrs. GREEN APPLEや約束 / サイダーガールや夏の終わり / アイビーカラーが似合う季節だったのに、そんな気配はどこかにいってしまった。
僕自身夏が好きでこんな記事ばかり書いていたものだから、トーンを一新するのに少し苦しんでいる。
「#秋にやりたいこと」のタグに寄せて、秋に聴きたい曲のことを書こうと思ったが、秋に聴きたい曲というのは、正直あまり浮かばない。
確かに、秋の名曲というのは、春、夏、冬に比べれば少ないのかもしれない。桜、海、雪と比べると、紅葉や月など秋の風物詩は地味だからだろうか。
平安時代には、こんなにも日本の秋を美しく表現した歌があるのに。
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる
見る人も なくて散りぬる 奥山の 紅葉は夜の 錦なりけり
木の間より 漏りくる月の 影見れば 心づくしの 秋は来にけり
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
そんなわけで今日は、紅葉でも月でもなく「秋晴れの空」が似合う曲について書いてみた。
(個人的には、Youtuberの方が先に出てくるのが複雑な気持ち。)
水色の恋は泡となり 溢れた想いも弾けて消えた
軽快な歌声とバンドサウンド。
サビの歌詞にもある通り、水色が似合いそうな曲だ。
PVも水色を基調にまとまっている。
けれど、ただのポップな曲ではない。この曲は、ある”切なさ”をはらんでいる。
「バイリンガール」
明らかにバイリンガルから来ているこの曲のタイトルなのだが、どういう意味なのか。
この曲で歌っているのは、恋人と別れる女性の”本音”と”建前”の葛藤だ。
さみしさや戸惑いを感じながら、それでも前に進みたいと願う、移ろいゆく心情を描いている。まさに”女心と秋の空”。
ドントクライ 土砂降りだけど どんくらい 晴れ渡るかな
どうにか一歩進み お前のお前の前通り越して行く
次の恋に進みたい女性の想いが、ビシビシと伝わってくる。
くよくよしそうになる自分を奮い立たせ、「真新しい自分」を目指している。
この歌詞のストーリーを知ってからPVを見ると、この曲はさらに痛快さを増すだろう。
秋というのは、どこか切なさを感じさせる季節だ。
寒くなって人肌が恋しくなるからか、はたまた「夏の魔法」とやらが解けてしまうからか。
浮かれていたところに冷や水を浴びたようで、物悲しい気分になる。
夏の空とは何か違う秋の空。
夏よりもカラッとした青、夏よりも落ち着いた青。
そんな秋晴れの空が似合う、僕の大好きな一曲だ。
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