私が古物市場で仕入れているもの
ざっくりとした私の現在の仕事内容は、上の記事のとおり。
でもこの記事では何を古物市場で仕入れているのかは詳しくは書きませんでした。
今回はもう少しいろいろ掘り下げてお伝えしていこうと思います。
「古物市場」とnoteやyoutubeで検索をすると、ブランド品を古物市場で安く仕入れてネットで高く売るという情報が上位に来ることが多いと思います。
でも私は、ブランド品や高級貴金属宝飾品は一切仕入れません。
まず私自身がブランド品や高級貴金属系に興味がないので持っていないからです。
50歳目前にして、興味のないものを無理やり1から勉強する気力はありません。
先日、うまれて初めて銀座に立ち寄りましたが、開店前のエルメスの店舗前に並ぶたくさんの中国人の列の脇を素通りして私が見たかったものは、ビアホールライオン銀座7丁目店の店内でした。
今から90年前の1934年に創建された、現存する日本最古のビアホールとして国の登録有形文化財として登録されているところです。
日本にこんな素晴らしい建築物が残っていて、普通に利用できてしまうことに私はとても興奮したし、感激して涙が出ました。
もちろん、最高のビールもいただきました。
もともとこの存在を知るきっかけとなったのが、「名建築で昼食を」というドラマです。
このドラマで解説していたことを頭に叩き込んで本物を見て、そして私自身がこの建物の中に存在しているというこの感覚が、とても心地よかったです。
コロナ禍に時間に余裕ができて身の回りの物を片付けていた時に、手元に残したいと思えたものも、私が小さいころから使っている文具に実家や祖父母宅から持ち帰ったレトロなもの、海外のビンテージ雑貨など古いものばかりでした。
夫も同じような感覚の人で、子供たちが汚いと思うようなものを夫婦で手に入れて喜んでいる感じです。
眺めているだけで気分がいい。
こういう感覚は古着の話にもつながっています。
コロナがなければ、根底にあった本来の感覚が呼び戻されることはなかったと思うし、「好きなことや得意なことを仕事にする」ということはどういうことなのかを実際経験してみるタイミングは、年齢も考えると今しかないんだろうなという考えに行き着き、現在に至ります。
ということで、私が古物市場で仕入れているものは明治(稀に江戸時代もある)から昭和時代の雑貨全般です。
これらをヤフオクを中心に出品しています。
でもなんでも鑑定団に出てくるような古美術品、高級骨董品は仕入れていません。
というか仕入れる財力もありませんし、お客様に説明できるような知識もありませんので、初めから手を出そうとも思いません。
私は、このような骨董品の知識があり沢山の経験を持つ同業の大先輩の方々が、
「じゅでぃいちゃんは、こんなものが欲しくて市場に来ているの?」
と言ってくるようなものばかり競り落とします。
ちょっと口の悪い先輩は、
「そんなクズみたいなものばっかりに声出さないで、ドーンと良いものに声出せよ!」
とも言ってきたりします。
先輩方は「こんなもの」や「クズ」といった品々がヤフオクで数千円、数万円に化けていることを知りません。
山で仕入れたら、1個あたり数十円ぐらいのものが大化けすることもあるのです。
先輩方も、クズだと思っているものを古物市場に持ってきてお金にしようとしているわけで。
それを買っているのが私なんだから、クズがお金になったんだものありがたいとおもってほしいな。
ちょっとめちゃくちゃなこと言っていますよね(笑)
どれが化けるか?
どんなものが儲かるか?
こればっかりは古すぎてグーグルで検索もできないようなものやマイナーすぎるものも多く扱うので簡単に一括りにしてお伝えすることはできません。
古物市場で流れてきた品物を見て、過去の経験と記憶、普段読んでいる資料内容を基にして判断しているほか、心がうずくとか利き手がざわつくとかそういう感覚的な部分を大切にして仕入れるのが私のやり方です。
だからかなりギャンブル性が高めです。
この感覚的な部分を文章化して、さらにどんなものが売れたのか、売るための工夫や苦労したことなどを詳しくお伝えするために、マガジンを現在作成中です。
需要がどのくらいあるかわかりませんが、物を仕入れて売る作業にも限界がありますから、情報商材で収入というものを得てみたいという欲も出てきたこともチャレンジする一つの理由です。
私は実店舗も持ってないし、フリーマーケットなどのイベントに出店して商品を販売することもしません。
ほぼヤフオク出品一本で、これだけで食べていける安定性も収入もありません。
平均すると月5万円の収入があるかないか。
でも、今年はもう少し上回る予定です。
すでに昨年までの月の売り上げを超えているので。
今年で開業3年目ですから、目利き力も我ながら当初よりついてきたと感じていて、始めたばかりのころには思わなかった気づきも増えました。
家庭の事情を抱えている身としては、外で雇用されて月5万円稼ぐよりも自由度が高くて、精神的に安定した状態で過ごしながらお金を得ることができるので、今の生き方を選んでよかったなと思います。
昨年は手術もしたし、体調がすぐれなかったら布団に横になることがすぐできるのもありがたい。
またパート勤め期間中に、「お休みください」と何度も言わなくてはいけないことがあって、そのたびに「またぁ?」と言った上司の顔を何度も見ることがなくなったことも、精神的に楽になった理由の一つ。
実はこの仕事と同時に、夫と私の両家の実家や祖父母宅の片づけをしながら売れそうなものはどんどん出品しています。
どちらの家も高級品はありませんが、不要品は仕入れたものではないので価格設定も気軽にできて、相場観を知るための良い教材代わりになっています。
私が仕入れているものと、実家や祖父母宅の不要品のジャンルが重なることもあるので、グーグルで検索しにくいものも含めて売れた商品データはかなり蓄積されました。
そして何より、ごみとして処分されるしかないだろうと思われていたモノたちと、お金を払ってでも欲しいと思っている方々との架け橋のような役割が果たせていることが本当にうれしい。
人差し指と親指で角をつまみ上げるような状態のものでもお金になるのです。
ほしい人がいるのです。
私の実績は、メルカリ、ヤフオクなどすべてのフリマアプリの取引件数を合わせると800件前後ぐらいで悪評は0。ヤフオクは現在良い評価100パーセントです。
取引中のトラブルは0ではないですがブロックすればどうにかなるくらいで済んでいます。
自己肯定感がめちゃくちゃ低くて、自分が好きだと思えることにぶれずに向き合えるようになったのが50歳前の今頃から。
そして、好きと得意は別物だとも思っていて、得意なことは何?と聞かれても答えられないでここまで来ました。
(面接用としてはいくつか用意していたフレーズは過去にあり)
そしたら、最近作業をしている私を見ていた夫が
「これは何だろう?と思いはじめたら、答えが出るまで調べ続ける忍耐力と集中力は俺にはないから、得意なことなんじゃないの?あと分析力も。」
と言っていました。
そういうことにしておきます。
今後出品に関する情報は、無料マガジンと有料マガジンに分けて、何が売れたかを1品(または1種類)1記事で掘り下げていくスタイルで発信しようと思います。
あとは、経験談とかも。
ただ、攻略法のような内容ではないです。
コラムや日記調の文章しか書けないですし、攻略法という言葉を見て「これを読んだら誰でも簡単にクリアできるぜ」みたいなイメージを安易に持たれてしまっても責任が取れませんし。
そして儲けることが優先で情報を入手しようとする方には絶対おすすめできない内容です。
理由は一つ。
今の私が儲かっていないからです。
ヤフオクに出品したら想定以上の跳ね上がりを見せて利益が増える経験は多くあるのですが、それを儲かるという言い方に変えるのは大げさだなと思っています。
出品するまでのメンテナンスをはじめとする手間暇がかかりすぎて、効率が悪すぎます。
それでも気にならないのは一連の作業を含めて古いものが好きだから。これに尽きます。
儲かるという言葉がやっぱりふさわしい物販のジャンルは、初めからどのくらいの市場価値があるのかわかっていて安く仕入れられるものだと思いますので、私の記事は参考にならないです。
古いものが好きな方、裏話好きな方、家にある不要品をお金に変えてみたい方などに読み物として楽しんでいただけるような内容を発信していきたいと思っています。
不定期ですが、長く続けていくことを目標にまずはがんばります。
あくまで出品作業が優先です。