見出し画像

「あっ!コンコルドだ!」みんな憧れた超音速航空機「コンコルド」が誕生した1960年代とコロナ禍の2020年代。

パンデミックで打撃を受けたカルチャーシーンを救うため、いち早く立ち上がったアーティストがいる。ベルリンに拠点を置くアーティスト、ヴォルフガング・ティルマンス。
ティルマンスが『2020Solidarity』を立ち上げた理由ついて以下のことを語っている。
2020年2月末まで8日間滞在した台湾と帰国後のベルリンでの感染症対策の意識の違いを体験したこと。
「アーティストには表現する言葉や声があり、メディアをもっているので、それを使わない手はない。」というティルマンスなりの自分が果たすべき役割を感じたこと。

『2020Solidarity』
世界各国50人のアーティストが手掛けたポスターを、寄付を必要とするアート関連団体に無償で提供するという支援プロジェクト。各団体はポスターを1枚6,000円で販売し、その収益を活動資金に充てられる仕組みになっている。
※プロジェクト参加アーティストには、ジェフ・クーンズやレイモンド・ペティボンなど世界でも有名なアーティストからベルリンで活躍するアーティストまで幅広く、すべてティルマンスが直接連絡をして集めたという。

http://www.betweenbridges.net/

画像2

William Eggleston
Untitled
ca. 1974-75

画像3

Jeff Koons
Colored Balls (Pyramid)
2019

画像4

Nan Goldin
Joey in front of the Ambassador Theater, Times Square, NYC 1997
1997

画像5

Raymond Pettibon
No Title (Flangist riot doyg.)
2020

日本でも9つの団体(amala、ASAKUSA、Clinic、IACK、POST、torch press、twelvebooks、Utrecht、ダイトカイ)が参加しており、6月30日まで各団体のサイトを通じてポスターを発売していた。

ここからが「コンコルド」の話。
1997年に発売され、いまでも人気が高く絶版と再版を繰り返すティルマンスの写真集がある。
それがテクノユートピアの終焉を語るヴォルフガング・ティルマンス写真集「Concorde」

1997年ロンドンのチセンヘール・ギャラリーで開かれたウォルフガング・ティルマンス展「I didn’t inhale」のためにつくられたこの写真集は、20世紀テクノロジーの結晶といわれた超音速航空機「コンコルド」を題材した一冊。
1969年に登場した「コンコルド」は、みんなの憧れの飛行機だった。しかし燃料価格の高騰や環境への意識の高まりとがあいまって、2003年に引退した。

当時、科学技術の進化の象徴であったこの伝説的な航空機に寄せられた憧憬の念を表現するためにティルマンスは、「いかに一般の人が普通に撮ったかのように見せる」ことにポイントを置いて撮影した。

儚く散る夢のような写真集「コンコルド」は、ティルマンスの写真集のなかでも人気が高く、絶版と再版を繰り返す希少性の高い写真集となっている。

画像1

2020年コロナ禍を通過した「オンラインアート」ともいうべき、新たなアートシーンの誕生と30年経っても語り継がれる2020年代アートってどんな世界観だろうと期待に胸をふくらませています。個人的にはパソコン画面上に生活感を丸出しにしたビジュアルって「いままでになく斬新!」だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?