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【お菓子のおはなし #17】<冬~春の旬菓(しゅんか)>濃厚仕立てのチョコバウム

ユーハイムのお菓子づくりは 「< /0(スラッシュゼロ)>のお菓子をつくる」こと。

お店や、商品で伝えきれないお菓子の熱い思いをこちらでご紹介します。

< /0(スラッシュゼロ)とは>:食品表示の「原材料名」に食品添加物を表す「/(スラッシュ)」以降がないこと。

■ユーハイムの<旬菓>(しゅんか)

ユーハイムの旬菓(しゅんか)とは「季節の移ろい・今の季節や旬の良さ」を感じる瞬間をお届けするシリーズ。

季節の素材を使うということに限らず、折々のイベントや風物詩からもイメージを広げて開発した「旬を味わうお菓子」です。

シリーズの第3弾は、「濃厚仕立てのチョコバウム」をお届けします。

■「チョコ」と「バウム」どちらのおいしさも損なわない「自家製ガナッシュ」


おいしさの1番のポイントは、バウムクーヘンに適した味わいのガナッシュを自分たちで作り、バウムクーヘンに加えていること。

ガナッシュとは、チョコレートに熱した生クリームを混ぜ合わせて、なめらかなクリーム状に仕上げたもの。

カカオ分60%のスイス産クーベルチュールチョコレートに生クリームとカカオマスを加えた、ガナッシュを作り、バウムクーヘン生地に混ぜ込んでいます。

チョコレートをガナッシュの状態にしてから、生地に混ぜ込むことで、直接チョコレートを混ぜるよりも、カカオの香りが飛びにくく、香りの持続力が長くなります。

また、ガナッシュがバウムクーヘンを形作るため生地の"つなぎ"となり、本来つなぎの役割となる小麦粉を減らせるため、よりよい口どけの味わいが生まれます。

もちろんバウムクーヘン生地は、ユーハイムこだわりのレシピがベースになっています。こちらの記事もぜひ読んでみてくださいね。

■プレーンよりも難しいチョコバウムの焼成

チョコレートのバウムクーヘンをしっとり・ふんわり焼き上げるのは、プレーンのバウムクーヘンよりも難易度が高く、職人も「チョコレートはなかなか難しいよ!」と口を揃えるほど。

その理由は2つです。

①チョコレートを混ぜ込むことで、生地が「もったり」とするため。

チョコレートを混ぜ込むことで、プレーン生地よりも「もったり」とします。

この「もったり」は、ふんわりした食感を作る卵白メレンゲの泡や空気の層が、油脂分によって潰されている(もしくは潰されやすくなっている)状態です。

空気を含みにくい生地は、プレーン生地と比べてみっちりと重たくなるため、ふんわりと焼きあげるのが難しいだけでなく、焼成中に生地が芯棒から落ちてしまう可能性も高くなります。

②生地が茶色なので、焼き加減の見定めが難しいため。

生地の中に含まれる空気が少ないと、熱が伝わりにくくなります。

そのため、プレーン生地よりもよく焼く必要があるのですが、チョコレート生地は「茶色」のため、焼き色が分かりにくいのです。

既定の焼成時間はもちろんありますが、「もう少し熱を加えた方がいいかどうか」といった、焼き加減の見定めが難しくなります。

シンプルな理由ですが、これが意外と難関。

熱が伝わりにくい生地だから長めに焼こうとしたり、焼き色が見にくいので生焼けにならないようにしっかりと焼こうとしたりすると、すぐに乾燥し、パサパサとしたバウムクーヘンに仕上がってしまいます。

※写真は、プレーン生地の焼成の様子です。チョコバウムとはサイズも異なります。

膨張剤などを使えば、ふんわり・しっとり仕上げることは今より簡単になりますが、/0(スラッシュゼロ)でお菓子をつくるため、ユーハイムは職人の技術で補います。

例えば、各材料を混ぜるタイミングや、その混ぜ合わせ方、焼成中の生地に触れた時の手の感覚や、見にくいとはいえ微妙な色の変化などに対し、職人の勘が活きてくるのです。

■ほんのりと香る洋酒

最後に、焼いたバウムクーヘンに洋酒入りのシロップをまとわせて、食べるときにほんのりと洋酒が香るよう仕上げました。

街中にたくさんのチョコレートのお菓子が並ぶこの時期。
チョコレートの美味しさだけではない、こだわりのチョコバウムをぜひ味わってみてくださいね。

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