無邪気にポジティブに、「良識」「常識」がアップデートできたなどというものども
良識・常識は、「多数派が安心できるもの」である。少数者・弱者に対してはそれを守る物ではなく、「無害化」することに重点が置かれる。
(例によって末尾に欲しいものリストと投げ銭コーナーを置いたので、この混血に金を握らせても良いという方は是非よろしくお願いします)
・~イズムを学んだら物の見方が変わったノ!…か?
男女論者……一部のフェミニストらしき人々、あるいはポリティカル・コレクトネスに触れた人々が「それを学んでから価値観が『進歩』した、新しい『見方』『良識』を得た、『呪い』が解けた」とポジティブに語ったりツイートする場面がそこらで見受けられる。ポジティブに!そのポジティブさ、無邪気さがむしろ一ハーフとしては信用ならない。その新しい価値観を得て見事にポジティブに「混血は国際強姦」云々と言い出す者もいたのだから。
進歩とかアップデートと言う物は、単に新しい家電を買って生活がより新しく楽になるというような意味ではない。他人や社会への向き合い方が大きく変わると意味を持つ……筈だと思うのだが、どうも様子を見ているとそんな深刻さや重厚さは無いようで、ただ言葉を取り換える道具と言った意味らしい。
自分の価値観や存在などあやふやな物が、「正」「聖」「清」(「三つのセイ」と造語しても良いが)の方向に向かっていて、そしてでは周囲の人々や表現は劣っていて、それについて強制・矯正したり規制や隠したりすることが出来ると見なす、その様な世界観はさらに別の問題を引き起こしていく。自分が清らかになったと思い込むなら、その裏では「穢れた人々」も生まれているのだ。そしてそれは社会の中で繰り返されてきたことである。進歩進歩と言っている集団すら。
何度か書いた事だが、俺は小学生の時に(当然「小学生なりに」だが)カーストなる物に組み込まされ酷く虐められたし、高校時代はまた別に少数者の生命が簡単に消える様子を見ている
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) December 17, 2019
これに地域やジェンダー云々の差はない
「曖昧」な集団が煽られれば容易に締め上げられるよhttps://t.co/qunDU8TJv0
人々はいつも街を綺麗にしたがる。綺麗に。「ふつー」であるために、単一的・禁欲的・清潔的世界観は都合が良い。だが、「ふつー」とは誰にとって?オレたちワタシたち、社会の主役たる「ふつーの日本人」にとって!綺麗にするんだから価値観をアップデートしよう!価値観!誰の影響を受けているのか?分からない。とにかく見慣れない物・奇妙な物はどうにかしなければならない。そう言う時は、女性にも「活躍」してもらおう。……
男女論(者)は、結局の所どんなにラディカルな地点や意見に居る振りをしても彼等彼女等は少数者・弱者への恐怖とそれからの保護を求める事で最終的には国やら民族やらに一度回収されてしまうのだから、
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) January 3, 2020
見習う必要を感じないし、老若男女ただの「ふつーの日本人」同士仲良くすれば良いとしか思わない
「公園 不審者」や「声かけ写真展」で検索すると、自分が全く「ふつー」「時代の先端」だと思い込み、他人を「ロリコン」「不審者」と裁き回りその曖昧な不安で様々な規制や抑圧を進めても良いのだという人々で溢れかえっている
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) June 12, 2019
そしてその調子は在日人・ハーフに対する差別の時と殆ど変わりない
良識・常識は、「多数派が安心できるもの」である。少数者・弱者に対してはそれを守る物ではなく、「無害化」することに重点が置かれる。「キモいから在日外国人やハーフやホームレスや障害者に街にいて欲しくない、裸の男女はイカガわしい」とは「今時」言えない。これは確かに様々な努力によるアップデートである。だが、「女性・家族の安心のため」「子どもへの配慮のため」なら(あるいは「オリンピックや万博のため」なら)、ちょっと砂糖をまぶしたような口ぶりで言える。最近なら一部の学者が恐怖心にお墨付きもくれるのかも知れない。「より巧妙に、心が痛まないように」人々を排除出来るという点では、なるほど、これもアップデートだし、「呪い」も感じない。
俺を攻撃した人物は障害者まで攻撃するようになって凍結された様だが
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) February 25, 2020
もしそこに行き当たっていなければ…今時の風潮を考えるとハーフやムスリムへの男女論的差別が、「アカデミック」だか社会学分野の裏付け・用語を得て広まっていたのかも知れないな
今もあの時周囲にいた人々を何となく覚えてるが pic.twitter.com/hZDrnTtZtl
・価値観のアップデートは「例えば、奴隷解放」と結び付けられるのか
特に昨今の様々な表現(献血のポスターやら、キャラの股間が食い込んでるやら何やら)への抗議が相次ぎ続けている状況について、規制側が何かの表現を指し、「これを規制・改め・『良識をアップデート』させるのは、『例えば』奴隷を解放するのと同じことなんです」と歴史上の出来事を引く場面もある。奴隷を解放した歴史も無い上にそう一ツイートや二言で歴史の出来事を直ぐに引用できること自体も早急だとは思うが……この表現や「良識」を「アップデートする」ことを「奴隷解放」等に単純に結び付けられるとも思わない。
近代奴隷制の主たちも正に「自分達が進歩している」と思い込み、言葉や伝承や踊りなどの文化を奪って人々を屈服させる術を見事に発展させ、「放埓な・怠けた・文明的でない」他人種を矯正しているつもりだった。そしてそれに対する側も、他人種について「心から」考えている訳ではなかっただろう。本筋とやや離れるが…南北戦争前の奴隷解放論者でも「黒人が『劣っている』『自立性がない』」ことに「留意」していた人々は大勢居ただろうし、リンカンは奴隷解放論者だったかも知れないが他方インディアンへの攻撃は行った。黒人の蜂起を目指したジョン・ブラウンの、そのハーパーズフェリーでの「行動」はやり過ごされ、単に象徴となった。自分が「黒人」「インディアン」「混血」と本当に同じ存在であるとは誰も言いたがらなかった。
敢えて生々しく言ってやれ
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) August 23, 2017
お前の手は精液、経血、汚物まみれだ
それは俺も警官も天皇も、老若男女全員の手がそうだ
混血の「汚物度合い」が70で、障害者が90で、「ふつーの日本人」はたった5、天皇は0、なんて事は無い
みんなビチビチだ、そしてそれを一旦「認める」社会を作る必要がある
ある表現の内容が先進的か後進的かはここでは言わない。自分にも「不快」な表現は色々ある。しかし、表現やその自由・多様性は、少数者・弱者も大いに絡み、あるいは途方もない交流の末に発展して来たものだ。革新的な表現、混ざり合う表現は大体逸脱している。「日本人だけ」「男・女だけ」……一通りや数通りの表現しか認めず、個人の「逸脱」を認めず、あるいは何が有害かを勝手に定めて表現を奴隷にし、それで全ての物差しにする様な社会ならば、とっくにこの列島から様々な表現…恐らく「色彩」とか「音色」とか「遊戯」と言った概念すら消えていただろう。その点では、今日本にある様々な漫画やアニメは自由の象徴ではあるし、今行われている様々な表現規制とその要求は全く「後進的」である。表現は誰が豊かにして来たか?それは保守派でも男女論者・世代論者でもなく、ましてや「常識や良識が簡単に(多数派が考えた)正の方向に『上がる』」と思う人々でもなく、違いに興味を持った人々だろう。
様々な文化や表現は社会のそこら中の現場で日々、遭遇・衝突・受容・混合・細分・譲り合い等々しあって発展していく物であって…一部地域発で過熱した数通りの(禁欲・抑圧的な)「正しい」思考で処理できる物とは当然思わない
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) December 20, 2019
「そしてまた」反ポリコレを名乗る連中に靡いたりしようとは全く考えない
俺にも「不快」な広告やら表現は色々ある
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) February 25, 2020
だが広告は有限だし、数多の表現・表現の自由は「少数者・弱者の関りなしに発展しなかった」事を知っていればそんな事に支配されはしない
一表現や一人の混血如きより、俺やお前が他人にどう向き合ってるかの方がずっと重要な問題だhttps://t.co/4CLXoYsnum
表現規制・ゾーニング・青少年に対する健全育成云々を敷く社会・権力よりも、それを破る人々の方が良くも悪くも「創造的」であるのは様々な表現を見ても感じられる物だ
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) February 22, 2020
ましてや規制を受け入れている時間が長ければ長い程、様々な意味が持たされ始める
少数者・弱者の解放もそこに含まれている
・本当に進んでいるのか
ここで言いたいのは、進歩か非進歩・反進歩・アンチ進歩かみたいな話ではなく、我々がポジティブに「良識的」「進歩している・した」と思い込んでいる事の幾つかは、別の打算だったり別の分離なのかも知れないし、それは胸を張って言える事なのかと言う点である。ましてや「進歩」の裏に監視社会化や様々な表現規制も含まれるなら、それ以前と少数者・弱者への抑圧は変わらない。それは一ハーフとしてはっきり述べておく。保守派による表現規制も、フェミニストによる表現規制も、少数・弱的人々にとっては結局変わらないのだ。
男女論(者)は、結局の所どんなにラディカルな地点や意見に居る振りをしても彼等彼女等は少数者・弱者への恐怖とそれからの保護を求める事で最終的には国やら民族やらに一度回収されてしまうのだから、
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) January 3, 2020
見習う必要を感じないし、老若男女ただの「ふつーの日本人」同士仲良くすれば良いとしか思わない
ここで世界史やジェンダー史を一つ一つ解き明かしていくようなことはしないが、男女論や世代論も、ある時点では(そして全ての段階が並行してもいるのだが…)他者の解放を志している、のだろう。が、私に突然絡んできたあるフェミニストは見事に一周回ってただ化粧だけを直して元の位置に戻ってきた人物であった。保守派が「国際結婚する奴は売国奴である」「障害者は国のお荷物である」と言うところを、女性の恐怖か何か知らないが「国際結婚は国際強姦である」「障害者は『安全の敵』である」云々と言い直す知恵だけがつき、それが周囲の名のある男女論者にも評価されている、無邪気で悲惨な光景を見せてくれた。国や保守的な恐怖感と言う柱の周囲を周って、修辞法以外、何も変わっていなかった。そして同様の光景はあちこちで起きているだろう。
在日外国人との交際トラブルなだけの話を延々と繰り返し最後は「日本の文化環境が幼稚だからこうなる!日本は外国人からナメられてる!」と頓珍漢な話で終わるツイートを見て(そして案の定保守派や男女論者が群がるのを見て)、本当にこの手のエセ文化文明論の酷さを実感するhttps://t.co/27vEeJDWDj https://t.co/HiQ8AC7kTY
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) February 11, 2020
前述のツイートの周辺に「外国人(が日本人)と付き合おうとするのは母国でモテてない・負け組の連中だから」みたいな偏見のツイートが溢れかえっている
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) February 11, 2020
それは三十数年前、俺の親世代に向けられていた言動なのだが、偏見を再生産してどうするのだ?https://t.co/uyY725jDSfhttps://t.co/Xb2KvhNBb8
毎日新聞のインタビューでも少しだけ触れたが、一つの考えに固執する状況こそが少数者・弱者を排除し社会を閉塞に追い込んでいく
— Juan.B@『戦前不敬発言大全』『戦前反戦発言大全』発売中 (@GreatJuanism) February 14, 2020
我々が楽しんでる物は様々な人々が育んて来た物だ、という意識が無くなった時、意味不明な規制が蔓延し、「万人の万人による闘争」所か「万人の弱者に対する敵視」となる
以前毎日新聞のインタビューで少し触れた通り…一つの思考に固執すれば何でも閉塞する。俺も一種の左翼ないし個人主義者であり差別に抵抗する者だ、が「禁欲的・清潔的・単一的」世界観に染まりたくないし、あるいは自分が「正・聖・清」の方向に進んでいるとは思わない。一表現者としても一ハーフとしても、自分の方角は自分で咀嚼して定めるだけである。
そう言えば、表現規制問題関連の出来事の中で、ごく単純にそれをやるだけで、世の中が「良くなる」ことが一つある。「青少年健全育成」云々を取りやめることである。これだけで相当の青少年が解放的になり、ひいてはこの社会の将来を解放的にするだろう。これは至極単純なことだ。無論、大半の人々は訳も分からない恐怖で拒むだろうが。
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